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ゆるふわふぁんたじあ  作者: 天空桜
死滅の森開拓&サルーン都市化計画編
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82話 17日目

17日目


「紅葉、昨日は1人1人と軽い挨拶みたいな念話でしか話をしなかったけど、今のところは順調かな?」


「はい。流石凛様と仰いましょうか、ポータブルハウスはこの屋敷を快適さをそのまま小さくしたと言う感じでしたので非常に過ごし易かったです。ルル様を筆頭に皆様がポータブルハウスを羨ましそうに見ておられましたよ。それと、昨晩の食事の後にこれから何が出るのか、どんな味なのかと尋ねられましたので、今頃暁がルル様からの質問攻めにあってる可能性も…。」


「あー…。基準が僕の世界の家とか食べ物だから、どうしてもそうなっちゃうんだよね。食事は幾らでも入ってるから食べたい物を食べて貰って良いからね。酒場で出しているお酒もあるから、節度を持って飲む分は構わないってゴーガンさん達に伝えといてくれるかな?」


「ありがとうございます。分かりました、お伝えしておきますね。」


朝食を紅葉も一緒に摂っていた。


紅葉曰く、凛から離れてはみたもののやはり寂しいとの事。

それでローテーションを組んで毎朝誰かしらが屋敷で朝食と訓練を済ませ、その後あちらへ戻る事が暁、旭、月夜、小夜とで決まったそうだ。

今日は初日なので紅葉が、明日は暁がと言った感じで来るらしい。

昨日の念話は離れていても1人1人が繋がるかの確認だったそうだ。


紅葉達の誰かが一時的に抜けてこちらに来ても、余程でない限り問題無いだろうとの事でゴーガンからも許可が出たそうだ。




流石に魔銀級5人だと死滅の森以外だとかなりの過剰戦力だろうしね…。




凛は最近美羽達やニーナ達の料理の腕が上がって来ているので、朝食の前の準備の際に和食、洋食、イタリアン、中華と色々な物を作っている。

事前にと言うか、凛はナビに頼んで無限収納内である程度の仕込みをやっておいて、朝食を作りながら焼く等の最後の工程を行い、皆へこう言った料理があると言うのを見せている。

特にニーナ達料理組へは喫茶店に出すメニューやサルーンにある食事処への伝授の為に、それに見合った料理を見せては練習をして貰っている。


それと、魔力消費がてらアクティベーションで商店で販売する予定の商品のストックとは別に、料理の生成もナビに行って貰っている。


凛は剣術、居合術、蹴り技を主体で戦う為、普段余り魔力を使わない。

その為魔力の消費よりも回復が多くなってしまうのだ。


凛はナビから魔力を消費して頂かないと、魔力を圧縮して固めた魔石が貯まる一方です、と数日に1回小言の様にして言われる。

その為少しでも魔力を消費する方法として凛は料理を増やそうと思った。

味としてもチェーン店で出される物と同等なので問題無い筈、と凛は思いナビへ頼むのだった。

ナビ自身もストックを増やしつつ更に効率化を図りますと少しやる気になっていた。




いや、魔力を消費する為に生成してるのに節約しちゃったらあまり意味が無いんじゃ…。

けど、やる気になっているナビに悪いよね。




余談だが、人化スキルによって人間となったシーサーペント達も朝食に加わっている。

彼らの見た目は大体が10代後半から20代前半で一部が10歳未満と言った感じの様だ。

代表の女性やポイズンスパイダー、ソードビーの少年少女の様な白いワンピースとシャツとズボンを着て貰っている。




「我らが狩った魔物の肉も悪くなかったが、こちらの方が色々な物があるし美味しいではないか!お前はこれを我らに言わず独り占めしていたのか?」


「うるさいわねー!教えても良かったけど元の体だと量が全然足りないだろうから敢えて言わなかっただけよ!」


シーサーペント達が朝食を食べた際に、今まで食べた物よりも美味しく感じた様だ。

シーサーペント達は自分達よりも多い回数の食事をしている代表の女性へ問い詰めていた。


女性は喫茶店のメニューの練習用に作っておいたパフェを食べながら、少し鬱陶うっとうしそうに反論していた。

因みに現在食べているパフェは3個目である。




紅葉は鬼姫に進化して更に魔力の扱いに長ける様になったのか、閉じている状態なら鉄扇の先にそれぞれ50センチ程の、鋭い風の刃と土の刃を出せる様になっていた。

そしてそれぞれの刃を軽く撫でる様にして横に滑らせただけで、魔法訓練の的にしている鉄の鎧を真っ二つにした。


その様子を見ていた凛達戦闘組はやるねーと称賛する。

しかしウタル達やサム達、ニーナ達、それと人間へと変わったシーサーペント達はほとんど力を入れていないのに、あっさりと地面へと落ちた鉄の鎧を見ておぉ、とどよめきが起こる。


「紅葉は魔銀級の強さではありますが、皆さんも努力すれば銀級や金級も全然夢ではないですよ?今は魔力の訓練だけですが武器を使ってみたい人、魔物を倒してみたい人がいれば武器を用意します。」


凛がそう言うと戦闘組以外の一同はそれぞれで顔を見合わせた後、次々に武器を使ってみたいと名乗りを上げて来た。

やっぱり皆さんやられっぱなしは嫌だったんだな、と凛は思いつつ無限収納から色々な武器を出す。


片手剣、大剣、片手斧、両手斧、槍、短槍、片手棍、両手棍(又は戦鎚ハンマー)、短剣、大鎌、弓、ナックル、鞭、刀、薙刀をアクティベーションした物を無限収納から10本ずつ出し、少し間隔を空けながら地面に並べた。

そして凛はそれぞれを手に取り、馴染んだ物があればそれを使って下さい、的を使って練習して貰って構いませんと伝える。




戦闘組以外の面々は出された武器に驚きつつ、思い思いの武器を手に取りながら試して行った。

凛は長くなりそうだからあちらに戻った方が良いかもと紅葉に伝える。

紅葉は少し名残惜しそうにしながらも暁達やゴーガン達がいる所へと戻って行った。


やはりと言うか、片手剣は人気があるからか凛は片手剣を中心に追加で出す事になった。


「鎌は扱いにくくないですか?」


「これ格好良くて気に入ったわ!」


凛は一応大鎌も出してはみたものの誰も使わないだろうと思っていた。

しかしシーサーペント代表の女性が離れた所で楽しそうに大鎌を振り回している。


凛は直感と言うか本能で生きてるんだなと内心思いつつ、良かったですねと言うと女性は嬉しそうにうんと答えたのだった。




そうして武器選びをして貰ってる内に午前11時前になる。


「そろそろ街へ行って森林龍の肉を使ったバーベキューの用意をしなければいけないので、少し早いですが昼食にしましょうか。」


凛は皆へ向かってそう伝えた。


するとこれにシーサーペント代表の女性が反応し、女性はずいっと凛に近寄った。


「今森林龍の肉って言ったわよね!私も食べたいわ!」


女性は鼻息を荒くしながら凛へと言う。

先程パフェだけでも3人前食べたのに足りなかった様だ。


「えぇっと…。」


「はぁ~…。ふん!」


「ぎゃふん!!」


女性に鼻息荒くしながら近寄られた事で少し困っている凛を見て、火凛が溜め息をつきながら女性の後ろへと向かう。

そして未だに興奮している女性の頭の上に右手をやり、そのまま勢い良く真下に下ろしてチョップをした。


女性は痛さでしゃがんだ後、おおおと言いながら頭を押さえてうずくまる。


「…皆さんもこんな感じなのですか?」


「いやいや…、自分達はそこまでではない。そいつが変わっているだけだ。」


凛は苦笑いを浮かべながらシーサーペントへ向かいそう尋ねる。

シーサーペント達も困った表情になりながら違うと答えた。


凛はシーサーペント全員が女性みたいではなくて良かったと安堵した。


そうして訓練を終えて皆で早めの昼食を摂り、農地組を残して皆で街へと向かうのだった。

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