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ゆるふわふぁんたじあ  作者: 天空桜
死滅の森開拓&サルーン都市化計画編
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75話

凛は取り敢えず湖を作成する事は終わったのもあって皆へ先に屋敷へと戻って貰い、その後15分程シーサーペント達や女性が泳ぐのを見ていた。

シーサーペント達は横長とは言え広くなった湖で楽しそうに泳ぎ回っており、女性も白いワンピースを脱いで水面や水中を泳いでいる様だ。


凛は特に問題が無さそうだと判断し、自分がこのままここにいて美羽達を待たせるのも悪いと言う事で、皆の所へ戻ろうとして屋敷の方向を向く。


「あら?ちょっとー、どこへ行くのー?」


「ん?湖も完成した事ですし、屋敷に戻ってご飯を食べようと思いまして。」


「そうなのね。それなら私も一緒に行って食べる事にするわ!」


女性は湖から離れようとする凛に気付き、胸から下は水に浸かり両腕を軽く組んだ状態で地面に置いて凛へ尋ねた。

凛はそう答えると、女性はお腹が空いたのかそう言ってきた。




「(む?お前は我等を差し置いて、1人だけで何か食べるのか?)」


『(何?お前だけ狡いぞ!)』


「(…?オークの肉で良ければあるのですが、食べます?)」


「(おお!オークの肉は好物の1つなんだ。貰えるのなら是非頂きたい!)」


するとシーサーペントの1体が女性がこの後何かを食べる事が聞こえたのか女性に対して文句を言い、それがシーサーペント全体へと広がった。

凛は念話を使っていなかった事もあって聞き取れなかったが、近くにいたシーサーペントへ尋ねるとそう返事を返される。


「(丁度塊で切ったのがありますので、ここに並べておきますね。)」


「(済まないな。…うん、やはりオークは美味い。)」


凛は先程ベヒーモスを倒した事で少し成長したのか、無限収納内での加工が可能になった。

これにより無限収納内で、調合や討伐した魔物の解体が出来る様になる。

今回の死滅の森中層での探索で討伐した魔物の数が多く、凛は解体するのに時間が掛かると思っていた為非常に助かっていた。

これにより無限収納内で魔物の大半の解体を行い、ワッズ達へは毎日金級迄の魔物の解体を幾つか頼む事を決める。


凛は早速ナビに頼んで無限収納内でオークの解体を行ったのが幾つかあった為、既に解体が終わった複数のオークの肉の塊を地面の上に置く。

シーサーペント達はオークの肉に群がり、そう言って食べ進めていく。




凛は無限収納から出したタオルを女性に渡して水分を拭き取った後、再び白いワンピースを着て貰い一緒に屋敷へと帰る。


「皆遅くなってごめんね。あ、ご飯の用意をしてくれていたんだ、ありがとう。それじゃ食べようか。頂きます。」


『頂きます。』


時間がいつもの夕食の時間より1時間遅い午後7時を過ぎていた為、凛は申し訳なさそうな表情で皆へそう言った後に用意してあった晩御飯を食べ始める。


この日は練習中のミートソースパスタ、

昼食の後にオークキングが食べたいとの要望があったのでオークキングの肉を使った生姜焼き、

サラダ、コンソメスープだった。


美羽が気を利かせて湖を作る作業が終わって帰宅した後、ニーナへもう少ししたら凛が来る事を伝える。

それからニーナ達料理組と協力して晩御飯を作り始め、凛が帰宅する直前にテーブルへ料理を並べ終わった。




「初めて見る物ばかりだけど美味しそうなのが並んでるわね!あ、私(オークキングの)(肉の生姜焼)を食べてみるわ!」


「生姜焼は熱いですし、そのままだと手や服が汚れますよ?目の前にフォークがあるからそれを使って食べて下さいね。」


「ん?…あー、分かったわよ。皆がやってる様にして食べろと言う事ね。けど面倒だし、こうやって食べる事にするわ!」


『………。』


「…むぐ?(ごくん)皆、私を見てるけどどうかしたの?」


「皆貴方が美味しそうに食べるのを見て驚いているんですよ。」


「そう…?」


女性は凛の隣に座って貰った。

女性はキラキラとした目で料理を見た後、そう言いながら手掴みでオークキングの生姜焼を食べようとしていた。

凛は女性へそう言って頼むと、女性は周りの様子を見て理解したのか渋々了承する。

しかし右手でフォークを持つのではなく掴み、生姜焼の皿を左側で掴んで食べやすい位置に移動し、そう言いながらガツガツと食べていた。


皆は女性がワイルドな様子で生姜焼を食べているのを見て呆然としていた。

女性は自分へと視線が集まっている事に気付き、両頬一杯に詰め込んだ肉等を一気に飲み込んだ後、そう言って周りへ尋ねる。

凛は苦笑いを浮かべながら説明すると、女性は関心が無くなったのかそう言って再び食べ始める。


因みに、最初に食べた生姜焼の時点で既に口の周りや服等がべったべたになっていた。




「はー、食べた食べた。…良し!湖へ行ってくるわね!」


『(あんな勢いで食べていたと言うのに元気だなぁ…。)』


女性はそう言って暫く食後の余韻に浸っていたのだが、やがて落ち着くとそう言って部屋から出て行ってしまった。

これに内心そう思いながら、苦笑いの表情を浮かべていた。


「紅葉、暁、旭、月夜、小夜。今日もお疲れ様。晩ご飯も済んだ事だし、風呂へ入った後に自室でゆっくりしながら進化に備えて休んでね。」


『はい!』


「…凛様、私達も!」


「紅葉さん達みたいに、進化して皆の役に立ちたいの!一緒なや(死滅の)森の中層へ行っても良いかな?」


「その話、あたしも混ぜて貰って良いかな?」


「自分もっす!」


「私もぉ~。」


「皆やる気だね。明日は午前9時頃に街へ向かうから、それ迄でも良ければ中層へ行こうか。」


「「「はい(っす)!」」」

「ああ!」

「分かったわ~。」


凛は紅葉達へそう伝えると、紅葉達は返事をした後に浴室へと向かって行った。

その様子を見ていたイルマとエルマが凛の元へ来てそう言うと、それに藍火と篝、リーリアがそう言って来た。

凛がそう伝えるとエルマ達は互いに手を繋いだりする等して喜ばれる。




シーサーペント達の所に行く前に一緒に付いて来る事になったポイズンスパイダーとソードビー2体だが、凛達がベヒーモス等と戦っている間は安全の為に湖の近くにいて貰っていた。

そして女性と一緒に屋敷へ帰って来た時も一緒に付いて来ており、その後領地内をあちこち見て回ったりしていた様だ。


「(あの子達もお腹が空いているだろうし、何か食べさせないとね。この世界の蜘蛛と蜂って何を食べるんだろう…。)」


晩御飯が終わった後、凛はそう考えながら屋敷の外へ出る。


「(! ここは良い場所。落ち着く。)」


「(ありがとう。遅くなっちゃったけど君達にご飯をと思って来たんだ。何か好きな物はある?)」


「(他の仲間達は肉を食べる事が多かったけど、僕達は野菜や果物が好き…。)」


「(そうなんだ、幾つか出しておくね。君達もシーサーペントの女性みたいに人間になってみる?)」


「(僕達よりも自由に体を動かせるし、人間に興味ある。けど痛いのは嫌、かな…。)」


屋敷を出た凛に気付いたポイズンスパイダー達は凛の元へ駆け寄って来た。

そしてポイズンスパイダーは凛へそう伝えると、凛はお礼を言いながら3体の頭を撫でる。

その後凛はポイズンスパイダーとソードビー2体へ尋ねるとそう返事が帰って来た為、土魔法で台座の様な物を作成した後に無限収納から幾つか野菜と果物を出して台座へ並べる。

その後凛がポイズンスパイダー達へ尋ねると、ポイズンスパイダー達は人間に興味はあるものの苦しむのは嫌なのか少し言い辛そうにして答えた。




「ナビ。この子達が苦しまずに人化スキルを施す事って可能なのかな?」


《1時間程ゆっくりと入力を行えば、若干の違和感を覚える位で済みます。》


「そうなんだ、良かった…って3体共ふらふらしてるって事は眠くなっちゃったんだね。部屋は空いているし、一先ず2階で休んで貰おうかな。」


凛は少しの間、代わる代わる3体の頭や体を撫でながら勢い良く野菜等を食べているポイズンスパイダー達を見ていた。

野菜等が大分減った所でナビへ尋ねると、ナビからそう返事が帰って来た事を喜ぼうとしていた。


しかしポイズンスパイダー達は久しぶりに野菜や果物をお腹いっぱい食べた事で眠くなったのかふらふらし始めた様だ。

凛は眠そうにしているポイズンスパイダー達を抱えて2階へと向かい、それぞれをベッドへ案内して横にさせるとそのまま眠ってしまった。


「ナビ。この子達に人化スキルを施すのはゆっくりでお願いね。」


《畏まりました。》


凛はポイズンスパイダー達を撫でながらナビへ頼み、部屋を後にする。




《マスター。火燐様達が倒したワイバーン50体の圧縮と、アダマンタートルの甲羅部分であるアダマンタイトの解析が終わりました。アルファ(1番機)の改修を行いたいのですが、宜しいでしょうか?》


その後凛は自室にいると、ナビがそう言って来た。

凛は念話で屋敷の外へ来る様にとアルファへ伝えた後に凛が2階から下りて屋敷を出ると、アルファは既に来ていたのか凛を待っていた。




「アルファ。今から君の改修を行うから、無限収納の中に入って欲しいんだ。その間、僕がここで周りの様子を見るね。」


「畏まりました。」


凛はアルファへそう説明し、アルファは了承して無限収納へと入って貰った。

その後2時間程アルファの改修を行った後ナビから改修作業が終了したと言われる。


凛はアルファを無限収納から出してみるが、特にアルファの見た目は変わっていなかった。

ナビの説明によると、アルファの性能は全体的に向上しており、特に防御力が格段に上がった為魔銀級の魔物が来ても大丈夫になったとの事。


そうしてこの日は終わり、凛は休んだのだった。

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