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ゆるふわふぁんたじあ  作者: 天空桜
開国祭&ダンジョン編
562/594

548話

1時間後


「はー…やっと終わったわ…。」


アイル達は転移魔方陣を用いて26階層へ移動する…のだが、アイルだけがどんよりとした雰囲気を浮かべており、かなり疲労した様子で呟いた。


「アイルー、お疲れ様ぁ♪けどー、文句ならシンボルを用意した凛様達に言ってねー♪」


「冗談キツいわー。それ、うちが文句言えない立場だと分かってて言ってるやろー…。」


「んー?ちょっと何の事か私には分からないかなー。」


それを反対に嬉しそうな様子のサティが拾って返し、アイルの恨みがましい視線を含めた突っ込みも、どこ吹く風と言わんばかりに流した。


「はぁ…もうえぇわ…。」


「まぁまぁ。」


「アイル…俺の分までありがとうな。」


「ん…。」


アイルは溜め息混じりにぼやき、それをイーノックとベックが2人掛かりで宥める事に。




アイル達が移動した26階層だが、縦200メートル位、横100メートル位、高さ10メートル程の船の上の様だった。

床一面が木製で出来ており、船の中に入る為の階段や梯子の類いはなく、海へ落ちると死亡扱いになる。


「…そんで、今いるセーフティーエリアから外に出ると戦闘が始まり、出現する魔物達を倒しきるか、挑戦者が全員倒れるまで戦闘が続く、か。トイレや転移魔方陣は戦闘後に出る仕様みたいやな。」


「海に落ちたら死亡…って、えげつなっ!後で泳げる海なのかを見たかったのにーー!!」


「サティ…あんた一応海とは言え、ダンジョンの中やのに泳ぐ気やったんか…。」


「だって、(漁業都市)アゼルだと賑やか過ぎる(うるさい)じゃない!私は静かな雰囲気で泳ぎたいの!」


「いや、そんなん知らんがな…。」


「…それに、トイレや休憩も戦闘が終わってからって言うじゃない?場合によっては一大事よね、それ。」


『(確かに…。)』


アイル達はセーフティーエリアにおり、一向に魔物が現れない事を不思議に思ったアイルがパンフレットに記載している説明を読み上げた。


説明を受けたセティは複雑な顔をしたり目を見開いたりと、忙しない様子で話し、アイルは疲れた表情で突っ込みを入れる。

そして、イーノック達はトイレを我慢しながら戦闘するのは嫌だと思ったらしく、サティの意見に頷く形で同意していた。




アイル達は今ので話を終え、皆でセーフティーエリアから外に出る。

するとセーフティーエリアがシュンと音を立てて消滅し、それを合図に海中から魔物達が飛び出した後、次々に船の上へ着地する様になる。


その着地した魔物達は上半身が女性、下半身が蛇のエキドナやカムペー、それと(相変わらず濃い顔立ちの)ドラ()ゴノ()イド()だった。


それから、エキドナ達から少し遅れる形で、黄色と濃い青をした巨大な宝石の塊、それと甲羅部分が宝石で出来た亀が1つずつ着地し、その影響で船全体が軽く揺れる。


その黄色と青の宝石は、トパーズキングスライムとサファイアキングスライム、それと亀の方はトパーズタートルやサファイアタートルと言う魔物で、本来ならばそれらは存在しない魔物だったりする。


トパーズキングスライム達は、凛達が眷属召喚スキルで出したストーンスライムやアダマンタートルを(ベース)に、改造を加えて進化させたものとなる。


トパーズキングスライム達は全身が宝石で出来ているのに対し、トパーズタートル達の甲羅部分以外はアダマンタイトを圧縮したもので構成されている。


その為、トパーズキングスライム達は6メートル程の高さなのに軽く、反対にトパーズタートル達は体長が1メートルに満たないにも関わらず、のし掛かって圧死させる程に重かったりする。


「嘘やろ…でっかい宝石が動いとる。それに、亀の方も甲羅が宝石で出来とるんか…。」


「宝石が…一杯…っ!アイル、海よ!海の方から攻撃を仕掛けて来る魔物もいるわ!」


「…!分かったで!」


アイルは(トパーズタートル達込みで)宝石が床を這って進むと言うのが衝撃だったらしく、そもそもどうやって海から…等と言いながら考え込んでしまう。


しかし、サティが海の方から放たれた水のブレスに気付いて避け、アイルへ叱咤する様にして叫んだ事でアイルははっとなり、船の外に意識を向ける。


因みに、サティはトパーズキングスライム達だと認識してから水のブレスを避けるまでの間、完全に目が宝石になっていたりする。




アイルが顔を海の外には、船を囲う様にして魔物が配置されていた。


海にいる魔物は、前半分が一応馬ではあるものの、たてがみや前足部分が(えら)となっており、後ろ半分は完全に魚のものとなったヒッポカムポス、

通常のリヴァイアサンよりも1回り小さく、黒い姿となったバラウール、

それと、鯨の魔物である金級のランページホエールを進化させ、体長30メートル程にまで大きくなったケートスだった。


ヒッポカムポス達はアイル達に向け、様々な方向から水のブレスや水系魔法を放ち始める。


それらをアイルとアルバートが展開した魔力障壁に皆を入れる事で防ぎつつ、アイルとサーシャは海にいる魔物を、それ以外の者達は障壁付近にいる魔物に攻撃を加え、少しずつ数を減らしていった。


しばらくしてアイル達はブレスの目的が殺傷ではなく、押し出して海に落としての戦闘不能だと分かった。


セーフティーエリアを出てから10分程で戦闘を終え、次の階へ進む為の転移魔方陣やトイレが現れる事を確認する。


そしてそれとは別に、転移魔方陣がある所の近くに赤色の宝箱が2つ出現したのが分かった。

更に、先程転移して来た箇所にも赤色や銀色の宝箱が計5つ現れた為、アイル達はこれに困惑するのだった。

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