531話 155日目
その後、凛は10分程で魔素点を吸収し終えると、時刻が午後6時頃になりそうだと分かった。
凛はノーデンスを通じ、今日の所はこれで引き上げる旨を伝えて貰う様に頼む。
そして凛の配下を総動員した甲斐もあって、死滅の森深層部分の3割程を攻略したとの報告を受けた後、凛はリオレオスを連れて帰還する事に。
次の日、凛はまず昨日まで魔素点があった死滅の森中心部を抑え、そこに大規模な城塞都市を造った。
それから新しく屋敷を建てたり翠の木を移す等し、凛達主力部隊もそちらへ引っ越す流れとなった。
その後、戦いが得意だったりするものや強い者達を城塞都市に集め、城塞都市から外へ広がる様にしながら、魔物達の討伐や木の伐採を行う。
と同時に、一般の冒険者達や凛の配下となって日にちが浅い者、それと配下の中でも弱めの者達を森の外側から責めて貰い、内と外の両方から死滅の森の攻略を進めて行く。
因みに、リオレオスは面倒だから行きたくないとして駄々を捏ねていたが、最終的に朔夜から引きずられる形で参加させられる事に。
それから2週間程経った頃、魔素点が失われた影響で魔物が生まれると言う心配がなくなり、森の中にいる魔物達も粗方倒すか配下にしていった事で、死滅の森が攻略出来る目処が立った。
するとゼノン達各国代表が、死滅の森跡地に国を興してはどうだと告げる様になる。
凛はこれを渋り、やんわりと断ろうとすると、そこへ(死滅の森にリソースを割かなくて済み、以前よりも顕現しやすくなった)瑠璃やマクスウェルを伴った里香が姿を現した。
当時凛達は朝食を摂っている最中で、里香達はダイニングの前で話の内容を聞いていたらしく、扉を開けて『話は聞かせて貰ったわ!』と言いながら入って来た。
里香は呆けた凛達やゼノン達を他所に(完全にスベったとも言う)、丁度森の中心に首都クラスの都市を造ったから、いっその事首都として造り変えてはどうだと言う理由を含め、ゼノン達の意見を肯定する発言を行う様になる。
凛は嘆息し、渋々ながら了承した後、里香は凛が興す国を含めた各国に学校等の教育機関を設けてはとの発言も行う。
ゼノン達は主に親か専属の教育係、及び高名な冒険者からの教育や指導しか受けた経験がなく、最初はイマイチ理解していなかった。
しかし凛や里香から説明を受け、国毎に異なる教育方法をと言う内容で、急速に学校と高等学校を併設する形で各国に建てる事に。
王国は攻撃を中心とした魔法、帝国は武器を用いる等した近接戦闘、神国は回復や補助を中心とした魔法、獣国は弓や投擲等の遠距離戦闘、商国は商業に関する内容を中心にと言う形で分かれる。
そして半年程で終わる位のカリキュラムを組まれ、更に教育を望む者は高等学校へ進むと言う流れとなる。
年齢は今年で12歳以上になる者であれば誰でも受講可と言う事で応募が殺到し、様々な年代や人種の者達が第1期生として入学していった。
それから1月の内に死滅の森の攻略を終え、死滅の森があった全域を凛の国とし、多種多様の人や魔物達が住まうとしてホズミ共和国(通称 共和国)が設立された。
そしてその中心地、かつて魔素点があった付近に用意した城塞都市…その大部分を崩し、ホズミ共和国首都『リリミル』として整備し直した。
リリミルの名前の由来は万物の王たる凛や、その姉で創造神でもある里香、そしてそれらの眷属となる美羽と瑠璃の頭文字から来ている。
これを提唱したのはフィリップで、各国の代表や重鎮達、そして火燐を筆頭とした配下達から満場一致で推され、恥ずかしがる凛達を他所に名前が決まってしまう。
それからリリミルを中心に、共和国内は一定の距離で都市が形成される様になるのだが、現在存在している領地同士の間隔を見直す事になった。
凛は配下達に頼み、リリミルの周りに都市を造っては表層にあった領地の幾つかを潰し、リリミルやその周辺へ人々を集めていった。
そしてそれと平行し、世界中に存在する道や、人々が住まう所のインフラ整備を行う事に。
と言うのも、長距離同士を繋ぐ転移門は各国首都やサルーンしか存在しておらず、それ以外の場所に住む者達は未だに徒歩か馬車での移動となっていた。
凛は街道沿いから少し逸れた場所に線路を敷き、魔素(厳密には魔石)で動く魔導列車を稼働させた。
魔導列車は線路を通して都市や街にある駅に停まり、新たな移動手段として用いられる事に。
尚、少人数でなら飛行して移動出来る乗り物を作る事は出来たものの、大人数となるとバランスが取れないと言う理由により、しばらく見送られる事に。
それらとは別に、暇を見付けてはリルアースの表面や地中、海中にある魔素点に向かい、全て吸収する形で消失させ、凛が更に魔素を生産する為の動力として活用していく。
ただしキソース砂漠にある魔素点だけは別扱いとし、厳重に封印を施して亜空間へ入れるとなった。
そしてルシファーを倒してから丁度3ヵ月が経った頃。
共和国首都リリミルにも学校が建ち、各校から選抜された者達を集めたエリート校として活動を開始する事に。
その翌日の155日目
この日より少し前、リリミルの中心部付近に芸術館と称した2階建てのコンサートホールを建て、イベントの告知に合わせて観客の募集を掛けた。
参加費は無料と言う事もあり、世界中から応募が殺到しまくった結果、1万人程が入る中の1割を凛達や里香達、それとゼノン達含む王公貴族が、1割を学生達が、残る8割が抽選に当選した者達が埋まる形となった。
午前8時頃
入場時間になり、当選の証である(偽造防止を施した)チケットを持った者達が次々と芸術館に入って来る。
たまに、どこから入手したのか不明だが、偽物のチケットを使って入ろうとした者がおり、転売する等して騙された者は費やした金額の返金をする為に移動、悪意がある者…つまり分かっていながら入ろうとした者はそのまま御用となった。
午前10時頃
開演時間となり、ブザーの音が鳴って明かりが消えると、それまで騒がしかったホールが静かになる。
その後、幅30メートル程はあるホールの幕がゆっくりと上がっていった。
その半分からやや左側の前部分にスポットライトが当たり、美羽の姿が映し出される。
映し出された美羽は純白のロングドレスを身に纏っており、髪をアップに纏めていた。
美羽は横にあった両手を前にやり、深いお辞儀をする。
「…私達が生活する中で必ず聞こえて来る『音』。音には様々な表情があり、非常に身近な存在となっています。皆さんは初めて音だと分かった時、どの様に感じましたか…?」
そして頭を上げ、右手に持ったマイクを顔の近くへ運び、そう話してから歌い始めるのだった。
いつもありがとうございます。
次の話はボカロ曲が中心となっておりましたが、削除致しました。
その為、532話ではなく533話となります。




