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ゆるふわふぁんたじあ  作者: 天空桜
反撃の狼煙&死滅の森攻略編
543/594

529話

ルシファーは亜空間に閉じ込められたと言うショックの余りに気を失い、鎖に引っ張られるがままにされていた。


ガチャン


「ぬ…?」


鍵が閉まる様な音がした事に気が付き、身じろぎしながら目を覚ます。


「私とした事が気を失っていたのか。ここは…!う、動かん!!」


ルシファーは軽く寝惚けた様子で前方を見渡した後、置かれた状況を確認する為に前へ進もうとする。

しかし体が固定されている事に気付き、慌てた様子で自分の現状を確認し始める。


「な、何だこれはーーーーー!?」


すると自由に動けるのは首から上だけだと分かり、鎖骨辺り以外は全て濃い灰色の石の様なものに埋め込まれ、ガッチリと固定されている事に気付く。


そして自らの周囲を見回した結果、その灰色の石が100メートル四方位の大きさがあると言う事も分かった。

ルシファーは灰色の石を見上げながら叫んだ後、石から抜け出そうとしてもがき始めるも、いくら暴れようが石はびくともしなかった。


ルシファーは魔法を使おうとするも、グレイプニルを通じて魔力を吸われたからか、初級魔法ですら放てない程に魔力が残っていなかった。

しかし、それでも諦めると言う選択肢はないらしく、その後も何とか脱出しようと試みては失敗するを繰り返していく。




インフィニットスペースにてルシファーを固定させた石は封印する為に設けたもので、鎖とセットでグレイプニルと凛は呼んでいる。

グレイプニルは100メートル四方の石を本体としており、ルシファーからギリギリ死なない程度に魔素を吸い続け、その魔素を空間の維持や石の硬化に当てている。


その為、いくらルシファーがもがこうとも決して壊れる事はなく、超回復効果もあって更に強度が増し、更に脱出が困難になる仕様となる。


因みに、グレイプニルはルシファーを捕らえる為だけに用意したもので、(フェンリル)とは一切関係がなかったりする。


「…と言う訳で、ルシファーは動く事も死ぬ事も出来ない。仮に僕がいなくなったとしても、自らの魔力を動力として永久にあの空間インフィニットスペースの中で過ごす事になるかな。」


「…空間の牢獄か、想像しただけで気が狂いそうになるぜ。死刑よりも嫌な罰って事は間違いねぇよな。」


『(こくこく)』


凛が説明を終え、アレックスが締めくくると、それを同意する様にして美羽達やパトリシア達が頷いた。




「さて…残りは森の主か。」


「主って事はルシファーよりも強いんだよな?皆で当たった方が良いんじゃね?」


「いや、僕、美羽、アルファ、ステラで行けば大丈夫だと思う。悪いんだけどさ、アレクは皆と一緒に屋敷へ戻ってて貰えるかな?エリックさん達やアイリスさん達を休ませてあげたいしね。僕達は余力があるし、このまま一気に主の元へ向かう事にするよ。」


「んー、主ってのがどんなものかを見てみたかったんだがな…まぁ良いか。後で話を聞かせてくれよ?」


「分かった。」


凛はそう言って森の中心部の方を向くと、アレックスから声を掛けられ、今度はアレックスの方に顔を向けて答える。

アレックスは先程ジェフと戦った事で未だに疲労感が残っており、一緒に付いて言っても足手纏いになりそうだと判断したのか、凛からの申し出を受ける事に。


「…それじゃ、行って来るね。」


「ああ。気をつけてな。」


その後、それまでステラが抱えていたアイリスをアレックスに、美羽が抱えていたリシアンサスをミゲルに託した。

それから美羽とアルファは翼を広げ、ステラはブラストボードに乗る等し、出発の用意を行う。


やがて準備を終え、少し離れた位置から見下ろす形で凛がそう告げ、アレックスの返答を受けてから出発した。




30分後


凛達は(ゼノン達が走る速度に合わせる必要がなくなり)音速(マッハ)を越えた速度で森の上空を進み続けると、直径30メートル程の魔素点が見えて来た。


「あれが魔素点か…。」


「凄く大きいねー!」


「…あれ?あれが魔素点だとすると、その近くで休んでいるのが森の主になるんだよね?何だか見た事がある姿な気がするんだけど…。」


「…今まで黙ってたけど、僕もプロヴィデンスシステムで確認した時、実はそう思ったんだよね。」


「そうそう。色こそ灰色っぽい感じで違うんだけど、ボクも()()()()()()()な風にしか見えなかったなー。」


先頭を進む凛が呟き、美羽が魔素点の大きさに驚く一方、ステラは魔素点の近くで寝そべっている存在に視線が向いた様だ。

目をぱちくりとした後、微妙な顔で呟いた。


凛と美羽はプロヴィデンスシステムを用い、既に魔素点や森の主の確認を済ませていたのだが、ステラの呟きに同意なのか半信半疑な様子で答える。






やがて一行は、魔素点から500メートル程手前の所に降り立ち、警戒しながら歩く事に。

すると、森の主が凛達が近付いて来るのに併せ、それまで横になっていた体を起こし、4本足で立ち上がった。

森の主は体長20メートル程で、前半分が白、後ろ半分が鈍色をした体のドラゴンとなっている。


「…我はリオレオス、森の主にして覇者である。貴様らはそんな我の前に現れたのだ、覚悟は出来てるのだろうな。」


「「「惜しい!!」」」


ドラゴンことリオレオスが名乗ると、凛、美羽、ステラの3人は盛大にずっこけてしまい、その後揃って悔しそうな様子になりながら突っ込みを入れる。


「「?」」


しかし、アルファとリオレオスは何故3人がこの様な反応(リアクション)を取ったのか理解出来なかった為、揃って不思議そうな表情を浮かべながら凛達の事を見るのだった。

まさかの○ウス参戦w

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