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ゆるふわふぁんたじあ  作者: 天空桜
反撃の狼煙&死滅の森攻略編
541/594

527話

「…え?アルファ?」


凛はルシファーに飛び蹴りを放った後、背中に生えた翼を用いて空中で体勢を整えた人物…それはアルファだった。

凛は後ろ姿を見てアルファだと分かったらしく、不思議そうな様子で尋ねる。


「はい。…サブマスター(ノーデンス)より、ルシファー様の切断された腕が無限収納内で暴れる可能性がある…との報告を頂きました。私はすぐに無限収納内へ移動し、ルシファー様の腕を結界で隔離。それからしばらくの間、結界を維持する形で解析の補助を行っておりました。」


「え、でもアルファには、亜空間内で指令を出すって言う役目が…。」


「はい。ですので、プロヴィデンスシステムとポータルを使用し、皆様のサポートを行う様にとベータ達へ申し付けております。」


「成程…。って事は、僕が戦う必要がなくなってしまった訳か。ルシファーよりも今のアルファの方が強いしね。」


「恐悦至極。」


アルファは両手でドレスアーマーのスカート部分を持ち上げた後の説明から入り、空中で凛と話をし始める。

そして話の最後に、アルファがそう言いながら再びスカートを両手で持ち上げた所、ルシファーがふらふらとした様子で地上からやって来た。




「…聞き捨てならんな。私がその人形風情よりも弱い?冗談は止めて貰おうか。」


「冗談ではありません。私はマスターとサブマスターにより改造を施され、曲がりなりにも(デウス)へと至りました。」


「神だと?ならば…。」


「尚、私には貴方様が持つ『神殺し』は通用致しません。」


「…!何故、その事を知っている?」


「私はあくまでも人の姿を模した機械(エクスマキナ)でしかないからです。しかし、それでも貴方様を倒すのに充分な能力を持っているのは事実です。」


「…どうあっても教える気はないと言う事か。ならば無理矢理にでも聞き出すしかないようだな!」


ルシファーとアルファは少しの間会話をし、ルシファーから攻める形での戦闘が始まった。

ルシファーは覇気を纏わせながらの素手で、アルファは無限収納から大剣…ではなく銃剣を取り出し、空中での戦いを繰り広げる様になる。


「………。」


「マスター♪」


「ん?」


「お兄ぃーちゃーん!」


「…おっとと。皆、無事に終わったんだね。」


凛は地上に降り立ち、1分程戦闘を見ていると、数百メートル後方にいた美羽達が走ってやって来た。

そして美羽の声がした事で後ろを振り向こうとした所、ナルが叫びながら凛の肩に乗っかって来た。

凛はナルを支えながら肩車をし、改めて後ろを振り向いて皆に声を掛けると、揃って頷かれたり、安堵の笑顔を浮かべられる。


「うん。地面に叩き付けられる音がしたから、てっきり凛様がルシファーと戦ってるって思って来たんだけど…アルファだったんだね。」


「丁度そのタイミングで僕と戦闘を入れ替わったんだ。ノディがルシファーの解析が済んだから応援を寄越すって言われて、不思議に思っている内に現れたのがアルファだったんだよ。しかも、斜め下にいたルシファーへ飛び蹴りをする登場シーン付きで。」


「うわ、どこの仮○ライダーだよって突っ込みを入れたい…。」


「大丈夫、僕もそれ思った。」


ステラと凛は苦笑いを交えつつ話を行い、空中で激しい戦闘を行っているアルファ達の様子を見ていた。

そして凛は、未来から救援に来てくれた美羽も登場時にルシファーへ飛び蹴りを与えていたなぁなんて事を考え、何となく既視感(デジャヴ)を感じていたりする。




凛達はアルファ達に視線を戻すと、互いに全力を出しながらの激しい戦闘を行っている…様で、完全にルシファーが防戦一方となっていた。


と言うのも、アルファは近接だと、アロンダイトの色違いの銃剣による斬撃や、連結したヴァリアブルシールドソードビットを遠隔操作で振るい、

ルシファーが魔法を放つ等して距離を取ろうとすると、連結を解除したヴァリアブルシールドソードビットや銃剣の射撃に加え、背中に生えた機械の翼からも羽を飛ばしていったからだ。


ルシファーは近接だと手数が足りず、遠距離だと狙い撃ちにされてしまい、最初以外は魔法の頻度が高い右腕を中心に何度も腕を切断される等していた。

しかもアルファは無限収納から魔素の供給を行っており、ほぼ無尽蔵に戦える状態、対するルシファーは凛に沢山の魔法攻撃を仕掛けた事で大分消耗している状態だった為、元々戦う前からルシファーは不利な状況だったりする。


「ぐ…くくく。まさか、あれ程圧倒していた相手から、僅か2日で逆に圧倒されようとはな。さぁ、私を殺したいのであろう?ならば私を殺すが良い。」


地上にて、ルシファーは肘から先がない右の二の腕を左手で抑えつつ、辛そうにしながらも軽く笑みを浮かべながら話す。


「…尤も、ここで私を殺しても、いずれ私に近い能力を持った者が姿を現す事になるがね。」


続けて、ルシファーはにやりと笑い、そう告げるのだった。

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