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ゆるふわふぁんたじあ  作者: 天空桜
反撃の狼煙&死滅の森攻略編
525/594

511話

『色欲』ことリシアンサスは、かつてイルマが暮らしていた悪魔達が住まう集落にいたもののの、物心付いた時からメイドの様な立場での生活を送らされていた。


と言うのも、サキュバス(女夢魔)は下級悪魔から進化した存在で、そこからエンプーサ、リリスと進化は出来るものの、最終進化であるリリスでも魔銀級の強さしかなく、悪魔の最終進化となる悪魔王と比べてかなり弱い。


その為、進化してサキュバスやインキュバス(男夢魔)になった、或いはリシアンサスの様に両親が悪魔にも関わらずサキュバスとして生まれた事で上下関係が生まれ、彼女達はかなり肩身が狭い思いをしている。


リシアンサスは後に『憤怒』となる悪魔の坊っちゃんに仕えていたのだが、『憤怒』のわがままで一緒に集落を抜け出す事になり、『憤怒』が以前から興味を持っていた死滅の森へ入った。

そして、森に入って少しした所でルシファーに見付かったと言う流れとなる。


『憤怒』は集落でもそれなりに上位だった事もあり、その勢いでルシファーへ挑むも完敗。

だが『憤怒』は、自分を相手にここまで余裕を見せたのが初めだったのに加え、ルシファーがどや顔を浮かべているのが癪に障った様だ。


『憤怒』が地面に倒れた状態のまま、激しい怒りに満ちた目で睨んだ事でルシファーから気に入られ、2体揃って任命された。(しかしリシアンサスは完全についでで、しかも見た目だけと言う理由)


そして元々いた『嫉妬(不死の王)』に自分達が加わった後、『強欲(転生者)』と『怠惰』が加わる事になる。

しかしいずれもルシファーに力の差を見せ付けられた為に逆らえない上、『憤怒』は頭が悪いのにルシファーがいない所で自分の方が本当は上だと偉ぶろうとする、

『嫉妬』は戦闘時以外、いつも基本的に明後日の方向を見ながらニタニタと笑ってて気持ちが悪い、

『強欲』は結構な頻度で、自分の事を舐め回す様な視線を送るから寒気がするわで散々だった。(『色欲』本人が自分を男性受けする見た目だと思っていない為、自覚が全くなかったりする)




そんな中、『色欲』に優しく接してくれたのが『怠惰』ことアイリスだった。

その頃の『色欲』の立場は、集落を出てから『憤怒』に何度か無理矢理迫られた事もあって『憤怒』の女となっていた。


『怠惰』は自分に劣等感を持っている事や、ある意味運命共同体の様に思ったのか全員に優しく接していた。

それは勿論『色欲』に対しても同様で、出会った当初は無関心だったのが、時間が経つに連れて次第に惹かれる様になる。


それから2人は密かに抜け出しては語り合う等し、何回か自分達だけの時間を過ごした事で、『色欲』は生まれて初めて幸せだと実感していた。


しかしそんなある日、ルシファーが朔夜に負けて弱体化する事件が起きる。

『強欲』達はこれ幸いとしてルシファーへ挑み、ルシファーが生殺与奪の権利を発動させた事で返り討ちに遭う。


ルシファーは『憤怒』達だったものを見た後に『怠惰』達に視線を向け、お前達も逆らうのか?と尋ね、これを2人は全力で否定。


ルシファーはしばらく『色欲』と『怠惰』を見た後、取り敢えず溜飲が下がったのか鼻を鳴らし、どこかへ向かっていった。

2人は自分達は殺されなかったと言う安堵を浮かべた一方、これからはお互いを大事にしようと言う事で付き合う様になる。


それからは『色欲』や『怠惰』関連のスキルを用いて敵を倒す為、ルシファーと一緒になる頻度が増し、それに比例して近い距離でルシファーと過ごす時間も増えて緊張しっぱなしとなる羽目に。


しかし魔物と戦う以外は単独行動をしたがって不在にする事も多く、2人だけで過ごす機会もかなり増えた。

その為、少し不謹慎ではあるが、2人は『強欲』達がいなくなって良かったと思っていたりする。




「私の事を大切にしてくれたのは彼だけだった…。なのに、なのに…貴様達がアイリスをぉぉぉぉぉぉ!!」


「そっか…。貴方にとって、余程アイリスさんは大事な存在だったんだね。未来のボクの記憶に、貴方の姿がなかったから分からなかったよ。」


「何を!ごちゃごちゃと!言っている!!」


「…ボクはこれから起こるであろう未来の記憶を持っててね、ルシファーと何回か戦った事がある。けど、そのどこにも()()()()姿()()()()()()。恐らく…そう遠くない内に、2人共ルシファーの手で殺されたとかじゃないかな。」


「…え。」


『色欲』は話しながら両手の爪を伸ばして美羽に突っ込み、それまでの魔法中心から接近戦へと戦い方を変えた。

美羽は『色欲』の両手から伸ばした、真っ赤な爪による攻撃を捌きながら悲しげに答え、『色欲』は更に攻撃を激しくしながら叫ぶ。


しかし続けて美羽が話した内容があまりにも衝撃的だったらしく、振り下ろそうとした右腕がぴたりと止んでしまうのだった。

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