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ゆるふわふぁんたじあ  作者: 天空桜
スタンピード、そして…美羽消失編
503/594

489話

凛が戦闘を再開して2時間が経った午後2時頃


凛が殲滅作業を始めてから先程溜め息をついて一旦止めるまでの間、倒した魔物のほとんどが金級で構成され、その中に魔銀級の者がたまに混ざる位だった。


しかし昼過ぎから構成が変わったらしく、魔銀級の中に神輝金級が混ざる様になり、

今は全ての魔物が神輝金級下位の強さとなっている。


「(本来なら、アウズンブラみたいなおとなしい魔物は倒すんじゃなく、安全な所へ保護するべきなんだよね…。)」


そんな中、アウズンブラの様な比較的おとなしかったり臆病な魔物も群れの中にいた為、凛は申し訳なさげな様子で斬り伏せる事しか出来ないでいた。




午後4時頃


この頃になると神輝金級の下位や中位の強さを持つ魔物は当たり前、全体の1~2割程が神輝金級上位の魔物で構成される様になる。

その中には凛の配下である朔夜や(なずな)と同じ(と言っても強さが全然違うが)邪神龍ティアマットやティラノサウルスも含まれていた。


それと、一応陸上でも活動出来るからなのか魚龍神バハムートの姿もあった。


他にも神輝金級上位の魔物として、ユニコーンが進化して8本足となったスレイプニル、

ペガサスが進化したアレイオーン、

キマイラロードから亜種として進化したアンズーや、2足歩行が可能となったパズズ、

キマイラロードと同じく、グレーターサイクロプスからの亜種であるアンタイオスやフンババ、

バラウールが進化したラハブ、

全長50メートル程とかなりの巨体で、少し霞がかって黒いドラゴンの様な体をしたジャバウォック、

同じく全長50メートル程の大きさの蟹であるサラタンの姿もあった。


凛はスレイプニル達を見るのが初めてと言う事で軽く驚きつつ、すぐにスタンピード中だと気付いて我に返る。

そして魔物達を殲滅しようとするのだが、その大きさ故に時間が掛かると判断し、纏めてフルチャージした銃剣で薙ぎ払った。


そんな中、アンタイオスだけは何度斬ったりして倒そうが、すぐに体が復元されて元通りとなったり、中途半端な状態だと2体に増えたりもした。

しかし、増えると言っても片方は普通通りに動け、もう片方は足や下半身がなくてもがいている状態にあった。


また、動けない個体の中には上半身部分だけで必死に地面から起き上がろうとする者、

試しにと言う事で切断面に炎と闇属性を混ぜた黒炎を纏わせ、少しづつ焼かれていった為に再生出来ず、黒炎を消そうとしたのか下半身部分だけで走り回る者がいた。


「なんてコミカルな…。」


凛はその様子を見て、何とも言えない表情を浮かべながら呟いた。


その後、凛はアンタイオスが地面からエネルギーを貰って元に戻るのではと判断し、規模を縮小したガイアコラプス(土系超級魔法)で地面ごとアンタイオスを持ち上げて倒した。




午後4時頃


凛の近くには魔物達の姿はほとんどなく、凛から半径10キロ圏内に1000未満の魔物が周辺へ散っていると言う感じだった。

この時点で凛は20万程、美羽達は数万、各領地は2000~3000位づつの魔物を討伐している。


「ふぅ。どうにか収める事が出来そうだね。」


凛は美羽達から10キロ程離れた地点でサーチを展開し、スタンピードを鎮める目処が立ったと判断した様だ。

そしてそれまで展開していたビットを直した後に振り返って歩き始めるのだが、少し進んだ所で考える仕草を取る。


「取り敢えず鎮める事は出来たものの、今回のスタンピードの原因って結局何だったんだろう…。」


凛は歩きながら、難しい表情を浮かべて独り言ちた。


「…スタンピードとやらは良く分からぬが、魔物共が動き出した原因と言う意味であれば、間違いなく私だろうな。」


「…え?」


そこへ凛の後ろからいきなり声を掛けられた為、凛は驚いた様子とを浮かべ、ゆっくりと後ろを振り替える。


するとそこには身長10メートル程の悪魔の様な姿をした者が立っており、先程の凛の様な考える素振りをしていた。


「(え?誰?普通に立っているみたいだけど、さっきまではいなかったよね?それに…僕の勘が今すぐこの場から逃げろって全力で告げてる!)」


凛が考えている通り、その者がいる所は凛が進む為につい先程通ったばかりの所だ。

それに加え、凛はサーチを展開したにも関わらず、その者の存在を感じ取る事が出来なかった。


凛は目の前にいるのが危険な存在だと判断し、バックステップで距離を取る。




「初めまして、私はルシファー。君を殺す為にやって来た者だ。」


ルシファーと名乗る者は考える仕草を止め、丁寧に挨拶をしながら凛へ自己紹介を行うのだった。

ルシファーはドラゴン○ドグマのダイ○ーンみたいな見た目だと思って頂ければ。

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