488話
凛がラ○ザーソードもどきを行った頃
後方にいた美羽達は魔物と戦いながらも、しっかりと凛が発した白い光の柱の存在に目を奪われていた。
そんな中、ステラは凛から見て30度程左斜め後方の位置にいた。
ステラは凛がビーム砲を真上へ放った後、地面に向けてゆっくり倒していくのを見ており、(サーチで)魔物が消滅して一気にいなくなった事を確認している。
「凄い凄い!色は真っ白だけど完全にライ○ーソードじゃないか!!いーなー。僕も凛様みたいに無双してみたい!」
ステラは光の柱が倒れて消失した後、身振り手振りを交えながらかなり興奮気味な様子を浮かべている。
きっと彼女は妄想の中で、『トラ○ザム!』や『トラン○ムライ○ー!!』等と言って、魔物達を蹴散らしまくっている事だろう。
先程ステラは、凛が1人で行動しようとして転移魔方陣を展開する前に、凛と同じ銃剣が欲しい事を告げていた。
そして凛から試作品だし、このスタンピードが終わったら良いとの返答を受け、ステラは喜びのあまりその場で跳び跳ねる事に。
「…くふふ。凛様はスタンピードが終わったらあの剣をくれるって言ってくれたし…ここで燃えなきゃ男が廃るってものだよね!」
ステラは妄想した後にその事を思い出し、少々テンションがおかしい状態となりながらも1人で盛り上がり、魔物がいる方向へ向かっていた。
尚、篝とステラは自らをお姉様と慕う妹(?)達に囲まれる事が結構ある(ただしリナリーは妹でなく、ステラと対等でいたいらしい)のだが、今でも心は男のつもりでいるらしい。
「ふふっ。ステラちゃん、張り切ってますね…。」
「ああ、そうだな。あたし達も頑張らないといけないな。」
そんな自分の世界に入ってしまったステラを、一緒に組んだ楓と篝が後ろから微笑ましそうな様子で見ていた。
2人はその後、走り出したステラを追う。
「あー。マスターってば、思いっきりはっちゃけてるよぉ…。」
「(くすくす)ホントだよね。まぁでも凛くんはずっと働き尽くめなんだし、たまには良いんじゃない?」
「うーん…そうかも。さっきもそうだけど、最近はボク達もホズミ商会として動く事が多かったもんね。それに、スタンピードさえ起きなければ、マスターは今も部屋で(ポールにせっつかれた)空飛ぶ乗り物の開発を続けてただろうし…。」
「だね。あたし達も凛くんの支えになれる様、少しでも早くスタンピードを鎮めないと!」
別な角度では、ステラと同じ光景を見た美羽が少し困った笑顔で話し、翡翠が軽く笑いながら相槌を打つ。
美羽は話しながら再び心配になったのか、右手に持ったライトブリンガーをぎゅっと握り、翡翠もやる気の表情で頷いた。
「…あーあ、凛の奴、まーたやらかしてるみてぇだな。」
「ん。凛だから仕方ない。」
「だな。」
また、別な角度では(本人達に言うと怒るが)なんだかんだで仲が良くて組んだ火燐と雫が呆れた様子で話し、
「…おいおい、あれは凛の影響か?何だあのふざけた攻撃はよ。」
「くくっくくっ。ありゃ間違いなく凛だな。だがまぁ、目立つって意味では、これ以上ない位の攻撃方法になるんじゃねぇか?」
「いーなー。あたしもお兄ちゃんに頼んでこう、拳の先からあんな感じの攻撃を…。」
「「それは止めとけ。」」
『(こくこく)』
更に別な角度から見たユリウスが驚きを露にし、アレックスが笑いながら答える。
すると羨ましがったナルがジェスチャーを交えて話すのだが、それをアレックスとユリウスに否定され、パトリシア達も同意する様にして何度も頷いた。
「ほう。凛め、面白い試みをやっておる様じゃな。どれ、妾も…。」
凛から結構離れた所にて、朔夜は空を飛びながら地上と空中の魔物を倒しつつ凛の様子を見ていた。
そして凛の攻撃が終わった後、そう言って右手に持った宵闇の先から5メートル程の真っ黒なビームを出現させる。
「ふむ。長時間戦う事を想定するのであれば、この位の長さが最適…と言う所かの。」
朔夜は満足げな様子で射程の伸びた宵闇を見た後に降下し、やがて地面に降り立った。
そして、地上の敵を任せていた段蔵とは別方向に向かい、早速展開したばかりの黒い刃を用い、自らへ向け飛び掛かって来たキマイラロードを軽々と両断するのだった。




