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ゆるふわふぁんたじあ  作者: 天空桜
更なる世界の発展&意外な者達との再会編
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478話

「ん?その口調…それにその姿。なんとなく見覚えがある様な…。」


「なんじゃ、忘れてしまったのかえ?…まぁお主と会った時はこの姿ではなかったからのぉ。妾だと分からなくても仕方なかろうて。」


「やっぱりシロだった!…って事は。」


シロは膝下までの長さをした白いワンピースを、シロの隣にいるクロは黒いワンピースを着用していた。

その為凛が2人…と言うよりもシロの方を向き、リルアースに来て初めて会った女性の事を思い、疑問を浮かべた表情で尋ねる。


するとシロは呆れた表情を浮かべて答え、やれやれと言いたげな表情で説明を行った。

凛は納得の表情になった後、シロの隣にいたクロへ視線を移す。




「はいなの!凛様、初めましてなの。僕は黒神、気軽にクロと呼んで欲しいの!」


「初めましてだね、クロ。前にマクスウェル様からクロの名前を聞いて、ずっと君に会いたいって思ってたんだ。」


「僕もなの!あの時(4ヵ月前)、勇気を出して凛様に会えば良かったってずっとずっと後悔してたの…。」


クロは待ってましたとばかりにたたたっと凛の元へ駆け寄った後、自身の胸の前に両手をやって犬の尻尾をぶんぶんと振ったり、両手を下ろしてイヌミミをぺたーっと伏せる様子が幻視出来る位、コロコロと態度を変えていた。

そして凛が落ち込んだ様子のクロの頭を撫でた事でクロが気持ち良さそうな表情となり、それを美羽達が羨ましそうに見ている。


「こほん。凛よ、妾から1つ頼みが…。」


「シロは黙ってるの!」


「…!ク、クロよ。お主、一体どうしたのじゃ。」


シロは咳払いをした後、(部下に頼むと嫌がられる事もあって)ガイウスに貸し出したベータ達の様な仕事の手伝い、或いは自分の代わりに仕事をしてくれるエクスマキナを用意して欲しいと頼もうとして、凛の元に進みながらそう伝えようとすり、。

しかし怒った様子で振り向いたクロに制されてしまい、シロはたじろぎながらそう話した。


「どうしたもこうしたもないの!僕はもうシロのお守りはごーめーんーなーのー!何でシロが何か問題を起こす度に僕達神々が尻拭いしなきゃいけないの?と言うか、シロがスー○ァミを壊しさえしなければ、もっと早く凛様と会えてたの!馬鹿なの?」


「お、おおぅ…。クロがかつてない程に怖いのじゃあ…。じゃがクロよ、あれは不可抗力でな…。」


「何が不可抗力だ!なの!仕事サボってゲームしてた癖に何ふざけた事言ってるの!!それに、どうせシロの事だから自分が遊ぶ為の手伝いを凛様に頼むつもりだったんでしょ!?なの!そんなしょうもない頼みで凛様の手を煩わせないの!!シロ、正座!」


「ア、ハイ。スミマセンデシタ…。」


クロはそう言ってシロに詰め寄り、シロは顔を引き攣らせながら言い訳をし始める。

しかしこれにクロはキレたらしく、『なの』を取って付けた様にしてシロを論破し、シロはしょんぼりとしながらその場で正座を行った。




「クロっておとなしい見た目をしてるけど、怒ったら怖いんだね…。」


「そうね…。私もあそこまで怒るクロちゃんを見たのは初めてだわ。」


「私もです…。」


それからクロはシロに怒号を浴びせて説教をし始め、シロはうう…と涙目で受けていた。

その様子を、里香の元へ戻った凛、里香、瑠璃がそれぞれ何とも言えない表情で呟く。


「(話の内容はここまで大きくないとは言え、怒った黒神様が説教する姿を儂はたまに見るがの。じゃが、3日もすれば白神様は説教を受けた事をケロッと忘れ、またしばらくしたら怒られるを繰り返しておる様じゃが…。シロ様は強かと言うか、懲りないお方じゃからなぁ。)」


しかしマクスウェルだけはその様な事を思い、複雑な表情を彼女達へ向けていた。




凛達が今いる部屋もそうだが、創造神である里香、神々の代表であるシロとクロ、それと精霊の代表であるマクスウェルは凛達が過ごしている様子を見る事が出来る。

しかしそれを凛達側で知っているのはナビだけで、ナビは里香から凛達に知らせない様にと頼み、ナビは生みの親である里香の頼みは断れなかったりする。


「…あ、そうそう。久しぶりに凛ちゃんの料理を食べさせて貰っても良いかしら?」


「勿論だよ。お米(白銀米)だけじゃなく、野菜やハーブや香辛料も育ててるからね。いつか食べて貰おうと思って、お姉ちゃん用にサフランライスのオムライスを作ってあるよ。」


その為、里香はあたかも思い出した様にして(ふりとも言う)凛の方を向いて尋ね、凛は無限収納から最上級の素材で作ったオムライスを取り出して里香に渡した。


「これよこれ!ありがとー凛ちゃん、楽しみにしてたのよー!それじゃ、料理のお礼を渡さないとよね。」


「お礼?」


「ええ、そうよ。ウンディーネ。」


「はっ。凛様、こちらです。」


里香は満面の笑みを浮かべて話したのを凛が首を傾げて答え、頷いてからウンディーネの方を向いて促す。

里香の近くに立ったウンディーネは先程までのおっとりお姉さん(のんびりモード)からキリッとした表情(仕事モード)に変え、(うやうや)しく里香に頭を下げた。


そして両手を上に掲げた直後、頭上に5つもの非常に大きな水の球が現れ、左から鮭、マグロ、イカ、タコの様なものが中に入っていた。


そして1番右に位置する水の球の中には、リュウグウノツカイに似た姿の魚の魔物が収められていた。

しかしリュウグウノツカイとは違うらしく、腕の様なものを2本生やし、人間で言う所の背中部分に元々あった背鰭(せびれ)とは別に鳥の様な大きな翼が、それと腰部分と膝部分に左右2枚づつ鰭が追加され、長い尾ひれを持っていたのだった。

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