476話
「あ、そうだった。お姉ちゃん、このスーファ○って地球にあったものと同じ…って訳じゃなさそうだね。」
「ええ。こっちの世界で創ったものよ。今プレイしたマ○カー以外にも、勿論聖○2や星○カービィとかも内蔵されてるわ。あ、後ド○クエ5と桃○とド○ポン、それに人○ゲームも入れてあるわよ。」
「え、何それ普通に欲しい…って、よく用意出来たね。」
「…と言うよりもこれが限界だったのよ。本当はS○itchとか○レステとかも再現したかったんだけど…。」
凛は少し感動した様子で里香に話し掛け、里香は考える素振りや笑顔を交えて答えた後、共に複雑な表情で話した。
「…今僕も試しに創造出来るかをナビに尋ねてみたんだけど、さっきの2つどころか○ーファミすら出来ませんって言われちゃった…。うん、やっぱりお姉ちゃんは凄いよ。」
「ありがとう。けどそのス○ファミは最近用意した3台目でね。用意するのにかなりの時間とリソースを必要とするの。だからくれぐれも壊さない様にして頂戴ね?」
「3台目…って事は、遊び過ぎが故障の原因になったとか?」
「それが違うのよ凛ちゃん。どちらも対戦で熱くなり過ぎた事が原因で壊されたの。…そうよね、イフリート?」
「ぐぬ…確かに昔、1台目を破壊したのは我だ。だが最近の2台目は我ではないぞ?」
「一応は、でしょ。けど、壊したシロちゃんを焚き付けたのは間違いなく貴方よね?」
「…面目ない。」
その後も2人は話を続け、その余波がイフリートに向いた事でビクリと体を強張らせ、最終的にイフリートは体を小さくしてしまった。
1台目は800年程前、イフリートがマリ○カー○でシルフに逆転されて負けた事が頭に来たらしく、コントローラーを思いっきり本体に叩き付けた事で破壊。
2台目は2ヶ月前に○鉄で遊んでいた所、イフリートがシロをシルフの元に誘導させた事が切っ掛けでシルフが悲惨な目にあい、キレたシルフが最下位争いをしていたシロと取っ組み合いの喧嘩を始め、最終的にシロが本体を踏んで破壊する結果となった。
凛は里香からその様に説明を受け、テレビゲームに熱中するシロや大精霊達…なんてシュールな光景なんだ、と思っていたりする。
なお、シロがゲームをやっている時は本来の子供の姿だが、凛が想像したのは初めて会った大人の姿だったりする。
「あ、そう言えばシロとクロはここに来てないんだね。」
「ええ。シロちゃんは2ヵ月前にス○ファミを壊した罰として謹慎処分、悪いけどクロちゃんは連帯責任として一緒に罰を受けて貰ってるわ。本当ならイフリートがシロちゃんと受ける筈だったのを、イフリートがいないと世界に支障が出るかも知れないって事でクロちゃんが代わりに受けてくれたのよ。と言っても、クロちゃんの下にいる上位神と下位神達が物凄く忙しそうにしてるけどね。」
「おかげで我は黒神様に大きな借りが出来てしまってな。我はゲームを控え、その代わり火燐達にゲームを頑張って貰う事にしたのだ。」
「それでシロ達はここに来てなかったんだね…。」
3人は会話を行った後、火燐がソルヴェー火山内を回った時(372話で炎神化を使ったタイミング)にイフリートと会い、それが切っ掛けで漁業都市アゼルから南に進んだ所(現在地とも言う)でウンディーネ、オーバ山の隠し通路の奥にノーム、ドルイクレア渓谷から降りた先にある所にいるシルフとそれぞれ会っていたとの説明を受ける。
凛達が探索した時はその場に顕現していなかったのと、イフリート達と直接繋がりがある火燐達にしか認識させなかったと言う事もあり、凛と美羽はそこにイフリート達がいるのを知らなかった為か驚いていた。
それから10日経った1週間程前、ウンディーネにここへ呼ばれる形で火燐達は久しぶりに4体と会う。
そして前回会った時は話をしただけで終わり、今の実力を知りたいと言われて自分達の成長ぶりを見て貰う事に。
手合わせ後、イフリートから凛を負かせる位にゲームの腕前を上げろとの指示を受けた為、火燐達は朝から夕方までひたすらマリ○ーをして実力をつけていたと話を締めくくった。
「イフリート様達から取り敢えず合格を貰えたから凛に挑んだってのに…まさかこうも惨敗するなんて思いもしなかったぜ。」
「なんだか懐かしい気持ちになって、僕もはしゃいでたみたいだ。火燐、ごめんよ。」
「まぁ、オレ達も結構楽しめた訳だし、結果的に良いって事にするさ。」
火燐と凛は苦笑いで話し、火燐は肩を竦めながら返事を返した。
「…さて。それでは凛様、儂らも1つ手合わせをしようかの。」
「話の流れでそう来ると思ってました。今の僕がどこまで通用するかは分かりませんが…マクスウェル様の胸を借りるつもりで頑張らせて頂きますね。」
「ふぉふぉふぉ。そうか、宜しく頼むぞい。」
「それじゃ私は部屋の拡張と、周りに被害がいかない様にバリアを張らせて貰うわね。」
そこへマクスウェルが凛に話し掛けた事で凛はやる気となり、マクスウェルは朗らかに笑いながら話す。
そして里香がそう言って30畳程あった部屋を3倍位に引き延ばし、2人は互いに自分の武器を手に取った。
凛は玄冬で居合いの構えを、マクスウェルは真っ直ぐ立ったまま仕込み杖の下を左手、刀となる持ち手部分を右手で掴む。
凛は前に踏み込んで、マクスウェルとの手合わせを始めるのだった。