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ゆるふわふぁんたじあ  作者: 天空桜
更なる世界の発展&意外な者達との再会編
486/594

473話

やがてアイスストームの効果が切れた事でただの青空に戻り、上空からスラ子が悲鳴を上げながら真っ直ぐ落ちて来た。

そしてスラ子は落下の勢いそのままに激しく地面に叩き付けられ、ドベシャァァッと豪快な音を立てる。


その衝撃でスラ子は楕円形ではなく(ドラ○エの)は○れメタルの様に形を広げ、ギリギリ生きてはいるのかピクピクと体を動かしていた。


「…雫、これはちょっとやり過ぎじゃない?」


「ん。カッとなってやった。反省や後悔どころか、やりきった達成感しかない。」


「いや、どや顔は良いから。まぁある意味絶妙と言えば絶妙なんだけどさ…。」


「もっと褒めても良いのよ?」


「褒めないよ。…って言うか、さっきから全然話が進まないんだよね。それに人が集まって来たから(スラ子を)回復させに行ってくる。」


「…残念。」


雫の元へ向かった凛がそう話し、雫は満足そうな表情で頷いた後に(薄い)胸を張って答えた。

凛は苦笑いの表情で言い、雫はやや疑問を浮かべた様子で答え、凛は困った表情で話した後にスラ子の元へ向かう。

その後ろを、少し残念そうにした雫が追って行った。




「うう…酷い目にあったわ。」


「いや、ありゃお前の自業自得が招いただけの結果じゃねぇか。」


「私悪くないもん!だったらあんたが…。」


「あ?」


「…! へへーんだ、ばーかばーか!」


「…凛、そいつを寄越せ。どうやら雫のお仕置きだけじゃ足りなかったらしい。」


スラ子は凛から回復して貰い、少しふらふら(実際はぷるっ、ぷるっ)しながら呟くと、火燐が呆れた様子で突っ込みを入れる。

しかしスラ子は納得いかないらしく、今度は火燐へ悪口を言おうとするも火燐から凄まれた事で怖くなっ(ビビっ)た様だ。急いで凛の足元に隠れた後、まるで子供の様に火燐を挑発した。


これに火燐は頭に来たのか怖い笑顔を浮かべ、右手を前へやりながら凛にそう促す。


「まぁまぁ、どちらも落ち着いて。それで、君は僕に何の用事があってここへ来たのかな?」


「そうだった!ウンディーネ様から凛を呼ぶ様にって言われてたんだったわ!」


「ウンディーネ様が?」


「うん!詳しい事は…この転移魔方陣の向こうにいるウンディーネ様から聞いて頂戴。」


凛はどちらも宥めた後、いい加減話を進める為にスラ子へ尋ねてみる事にした。

スラ子は(これも自業自得だが)火燐からどう逃げようかと考えていた所で、凛から声を掛けられてはっとなり、飛び退いてそう答えた。

そして凛と軽く話しながら地面に魔方陣を発動させ、凛へ移動する様に促す。


それから凛達は屋敷の周囲から自分達へ向けられる視線を他所に、次々に魔方陣の上に乗っては転移を行い、最後にスラ子が乗って転移したのを最後に魔方陣は消失した。




凛達が移動した先は海の底にある建物の中なのか、凛から見て左方向に巨大なアクリル板の様な透明の壁があった。

その壁の向こうの海水はかなり透明度の高いらしく、大小様々な魚や魔物、それに珊瑚等が見える。

そして建物内には水が満たされている…事もなく、室内を水が通っていたり橋の様なものはあるものの、空気で満たされていた。

部屋の構造は城の謁見の間の様な造りで、外と同様に色鮮やかな珊瑚等が置かれている。


「ここは…海底?昔話にある竜宮城も、こんな感じだったりするのかな。」


「…ここは海底で合っております。」


「…!」


「…ですが、ここはあくまでも(わたくし)が住まう、と言うだけの建物にしか過ぎません。」


凛は辺りを見回してそう呟いた所、自分達以外は誰もいないのに女性らしき声が室内に響いた。

凛は驚いた後、更にきょろきょろと見回すと再び声が響いた為、誰も座っていない玉座に視線を向ける。


「…ですので、貴方様が思い描くような竜宮城等では決してありませんよ…凛様?うふふふ♪」


すると先程まで玉座には誰も座っていなかったのに、青みがかって半透明の人魚の様な姿をしたウンディーネがすぅっと現れ、女の子座りの様にヒレ状の下半身部分を曲げた状態で座っていた。


そして話の最後、凛の名前を呼びながら左目を閉じてウインクを行い、口元に左手をやりながら笑うのだった。

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