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ゆるふわふぁんたじあ  作者: 天空桜
世界周遊~アウドニア王国編~
425/594

415話

元々キソース砂漠は銀級までの魔物しか出ない魔素点で、1000年程前から日中と夜間にそれぞれ活動する精霊が1体ずつ存在していた。

精霊の内の1体はキソースが日中40度以上の温度で日差しが強い事もあって炎と光属性を併せ持ち、そしてもう1体は夜間が暗く氷点下になる事から氷と闇を併せ持っている。

そして日中は赤い方の精霊が、夜間は青い方の精霊がそれぞれ交代しながら活動していた。


精霊達はキソースが弱めの魔素点とは言え、1000年もの長い年月を過ごした事もあってギリギリ上位精霊と呼べる強さを持っており、最近活発化する様になった原因として魔素点に異変が生じたと言う考えに行き着く。

異変が起きてから魔素点を警戒していた為にすぐ傍へ向かう事はなかったのだが、昨日の夕暮れ時の入れ替わるタイミングで試しにと言う事で赤い精霊が近寄ってみる事に。

すると魔素点から黒い触手の様なものが伸びて捕らえられてしまい、凛が今朝起きた時にナビから報告を受けたと言う流れとなる。


そして魔素点が触手越しに精霊へ魔素を与えながら強くしていると同時に、意識を乗っ取ろうとしているのか、赤い精霊の体の何ヵ所かには黒い入れ墨の様なものが浮かんでいた。




「魔素点に捕らえられたのが精霊(エネルギー体)だったから魔物(物体)のシャルル達と比べて抵抗力が高く、今はまだ少しの侵食で済んでる。けどこのまま放置した場合、明日の夕暮れ時には魔素点によって精霊は完全に乗っ取られ、同じく乗っ取られた者以外を敵と判断して襲い掛かる様になってしまうんだ。」


凛は紫水と手を繋いだ状態で、ナビから今朝伝えられた内容と併せて皆に伝える。


因みに火燐と雫は凛から伝えられた情報は既に知っており、自分に連なる精霊が増えるとして今回立候補していた。

それと、捕らえた精霊が光属性を持ち合わせている事も侵食が少ない理由として挙げられるが、反対に青い方の精霊が捕らえられた場合、相性の良さから今日中には侵食が終わっていたりする。


「…魔物を生み出す筈の魔素点が精霊を乗っ取ろうとしているなんてね。今も実際に見てる訳だけど、それでも信じられそうにないよ。」


「どうやらこの間、僕が目の前にあるのと良く似た魔素点を消滅させた事が原因でさ、今度はここの魔素点に自我を芽生えさせてしまったみたいなんだ。」


「凛様。魔素点に自我が芽生えると言うのはどういう意味なんだ?」


「うん。目の前で行っているみたいな感じで魔素点が自分に近付く存在を捕らえた後、自分の魔素を捕らえた相手に与えて強くすると同時に意識を少しづつ蝕んでいくんだ。そして完全に相手の意識を乗っ取って配下にしながら数を増やし、最終的には周辺にいる生物全てを根絶やしにするつもりの様だね。」


「…そう言えば、先程も何体かあの様な黒い模様をした魔物が何体か襲って来たな。」


「そうだね。それらもあの魔素点の配下って考えて貰って大丈夫だよ。」


「「成程。」」


アウラ、翔、流がそれぞれ凛に話し掛け、凛はそれぞれ3人の方を向きながら、以前ナビから聞いたドネグ湿原の魔素点についての情報を伝えていた。


凛達がパピルサグ達を倒した後からここへ来るまでに、黒い入れ墨が施されて強化されたベヒーモスキングやムシュフシュ、アークグリフォンやアンフィスバエナと遭遇していた。

いずれも凛達が倒してから入れ墨部分が剥がれて襲い掛かろうとしており、その都度無限収納を展開して中へ突っ込ませた後、特に得る情報もないと言う事で消滅させていたりする。




「…さて。このまま見てるって訳にもいかないし、ひとまずあの赤い精霊を助け出さないとだね。…ただいま。」


「早っ!?」


凛はそう言って次元移動(ディメンションムーブ)を使って瞬時に100メートル程離れた魔素点の横へ移動し、光の魔力を纏わせた状態の玄冬で触手を切断、その直後に赤い精霊を左腕で抱えて再び次元移動を使って皆の前へと戻って来た。

しかし凛が話してから一連の作業を終えるのに2秒も掛からなかった為、アウラはかなり驚いた様子となる。


「…!?」


ついでに青い方の精霊も驚いたらしく、無事に赤い精霊が魔素点から離れた事が分かると、少し慌てた様子で凛達の所へ向かうのだった。

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