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ゆるふわふぁんたじあ  作者: 天空桜
世界周遊~アウドニア王国編~
409/594

399話

「皆さん、急な呼び出しに応じて頂きありがとうございます。まずはお話をさせて頂きますので、椅子に座られて楽になさって下さい。勿論、皆さんを案内してくれたリュファスもです。」


『分かりました。』


凛は跪いている状態のゼノン達や、凛に言われてゼノン達をダイニングまで連れて来た案内役のリュファスへ椅子に座る様に促し、5人は返事をして凛の近くへ座る事に。




「…皆さんも廊下でパトリシア王女殿下の話を聞かれていたと思います。帝国は身分が低くても実力が認められればある程度評価されますが、王国はいくら実力があっても身分が低いとまともに話を聞いて貰えない様ですね。」


「そうだ。帝国にいる貴族は、身分が低くても実力が高い者を護衛として多く雇うのは良くあるな。それと、マリアの様に魔銀級の強さとなれば、帝国から騎士爵位を与える事にしている。だからと言う訳ではないが、先代や先々代の当主は強かったや、今は現役を退いたが元は凄腕の冒険者だったと言う貴族も少なくない。しかし王国は沢山雇うと出費が増えると言う事や、貴族でない者に家の中を自由に行き来させたくないからとして最低限しか雇わないと聞く。」


「帝都は治療が済んだ後に暴れて治療費を踏み倒す方が非常に多いとして撤退した様ですが、王都は主に貴族の方からねちねちと文句を言われ、精神的に疲れると聞いております。」


『(えっ、帝都に女神教教会がないのってそんな理由?)』


「くかかかか!帝国の中でも、特に帝都は血気盛んな者が多いからな!」


凛、ゼノン、フィリップの順で話を行うのだが、ここで各国の首都の中で唯一帝都にだけ女神教教会がない理由が判明した為、フィリップ以外の全員が内心そう思った事でゼノンに視線が集まる。


しかし当のゼノン本人は帝都に女神教教会がなくなって久しいと言うのに全く悪びれておらず、高笑いを浮かべながらご機嫌な様子でそう話していたりする。




「そこでです。皆さんで王都にある王城へ向かい、各国の代表と言う立場を拝借して国王達と直接交渉を行おうかと思いまして。」


「くかかかか。それは良いな。自分が1番偉いと思い込んでる国王に一泡吹かせるって考え、俺は賛同するぜ。」


「だな。」


「そうですね。」


「凛様、参りましょう。」


「僕は一泡吹かせるって考えはないんですけどね…。」


凛がそう伝えると、ゼノンが悪戯っぽい笑みを浮かべ、レオンは左目と閉じながらニヤリと笑い、フィリップとポールは笑顔でそれぞれ答えた為、凛は苦笑いの表情を浮かべて話す。

どうやら、ゼノン達は王都にいる国王の事があまり好きではない様だ。


王国では身分こそが全てと言う意識が強く、少しでも自分にとって利益になりそうな事があれば、他の貴族を蹴落としても手に入れて自分の地位を上げようとする傾向にある。

その為、王国にいる冒険者達は待遇に不満を感じ、実力が高ければある程度認められる帝国へ向かう様になるのだが、それが元で王国の冒険者を勧誘している等と文句を言って来たりする。


因みに、マリアもユリウスも一応帝国貴族と言う立場ではあるが、得た給金の全てをマリアはティナの薬代で、ユリウスは極貧層にいた者達の食事代で消えていたりする。


「ここにいるのって各国の代表達よね。その中心にいる凛って一体…。」


「ん?ああ、そういやパティは知らなかったんだっけか。凛は創造神様の弟でな。親父達以外にも…例えば大精霊なら3体従えてたりするんだぜ。」


「えーーーーーーっ!?」


それからゼノン達は凛を宥めながら談笑を始めるのだが、少し離れた位置にいるパトリシアやライアン達は各国の代表達がいきなり集まって来た事や、凛を敬う様子を見て付いて行けなくなってしまった様だ。

ライアン達はゼノン達が現れてからひたすら呆然としており、パトリシアは目を見開いてそう呟く。


しかし隣にいるアレックスからあっけらかんとした様子で説明を受けた為、パトリシアは大声で叫んだ事で皆の注目を浴びてしまい、恥ずかしそうにして俯いてしまう。


その後、凛達は打ち合わせや準備を行ってからロイドがいる鍛冶ギルド本部のポータルを介し、王都の入口から少し手前の位置へと移動するのだった。

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