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ゆるふわふぁんたじあ  作者: 天空桜
世界周遊~ダライド帝国編~
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392話

堕天使(フォーリンエンジェル)?」


「ああ。あたしも元はエルマと同じ中級天使だったんだ。エルマは上司から力を落とされて追い出されたとは言え、きっちりと手順を踏んだから天使のままだったみたいだね。けどあたしは真夜中にこっそりと集落を出たのがいけなかったんだろう。次の日の朝に見た時は、翼の色が白から灰色へ変わっていたんだよ。」


「自分から出るか追い出されるかで種族が変わるって中々ですね…。」


「まぁね。けど集落にはいい加減飽き飽きした所だったし、この国にいる人達は天使じゃなくなったあたしでも敬ってくれるからね。初めは自分が天使だとかそうでなくなったとかで悩んでいた時期もあったけど、途中からそんなのどうでも良くなったんだ。それからあたしはこの国を起点として、エルマ達がどこに行ったのかって情報を探し回っててさ。そしたら最近、ここ聖都で白い髪と黒い髪で非常に似た顔をした女の子を見た事があるって聞いたんだ。そんで(女神騎士団本部の門番から)今日来てるって聞いて、中に入ってみたらエルマ達がいたって訳だね。なんで教会じゃなくて騎士団なんだって事にも驚いたけど、それ以上に騎士達を圧倒する位に強くなっててビックリしたんだよ。」


「成程…。」


凛は疑問を浮かべた表情でアウラと話を始め、納得の表情となって頷く。


アウラは手順を踏まずに天使族の集落を出た事で堕天扱いとなってしまったが、堕天使は天使や悪魔と同じく下級、中級、上級とあり、金級の大天使や大悪魔の強さが堕天使となる。

そして堕天使が魔銀級の暗黒天使(ダークエンジェル)へ進化すると、翼が大きくなって色も灰色から漆黒となり、熾天使(セラフィム)悪魔公(デーモンロード)と同じ強さになる様だ。


因みに、エルマとイルマはほとんど同じ見た目だが、アウラは全然似ていなかったりする。




「それはそれとして…ジ~クぅ~?」


「…!」


「あんたってば、集落にいた時からだと全然想像出来ない位に偉くなったみたいじゃないの~。ん~?」


「いや、あの、それはだな…。」


「エルマ達がいなくなった後、少ししてあんたまでいなくなったからあたしは退屈で退屈でしょうがなかったんだからね?だからあたしも集落を出る事にしたんだよ。」


「それを僕に言われてもだな…。」


アウラはそれまでの様子から一変し、話の途中から悪戯っぽい笑みとなる。

そして視線を凛からジークフリートに移すとジークフリートはビクッと体を強張らせ、アウラは悪戯っぽい笑みを浮かべたままジークフリートの元へ向かった。


アウラはジークフリートの周りをぐるぐると回りながら話すとジークフリートは気をつけの構えを取り、少し上を向いて困った様にして返事を行う。

アウラはジークフリートの正面に立ち、少し責める様にしてジークフリートにそう話すと、ジークフリートは明後日の方を向きながら更に困った様子で返事を返していた。


どうやらジークフリートは面倒見の良いエルマや優しいイルマと違い、悪戯心が満載のアウラを苦手としている様だ。




「まぁまぁアウラちゃん。こうやって皆無事に揃う事が出来たから良かったじゃない。」


「アウラさんはエルマ達の知り合いだったんだね。」


「うん。あたしとイルマちゃんがよく一緒にいたんだけど、そこへ後からジークやアウラちゃんが合流するって流れが多かったかな。」


「ある日いきなりエルマが集落から追放されたって聞いてね。あたしはエルマ程頻繁にイルマと会っていなかったから上司にはバレなかったんだけど、エルマ達から事情を聞いた今では、あの時一緒に出ていればって後悔してるよ。」


「アウラさんは優しいんですね。」


「やさっ…!ま、まぁ、あたしがジークを含めて1番歳上になるからね、年長者なら皆の事に気を配るのは当然だよ。」


エルマがそう言いながらアウラの元に近付いて背中に右手を置き、凛が笑顔でエルマに話し掛ける。

エルマも笑顔となって返事を行うと、アウラはエルマ達がオーク達に暴行を受けそうになったと言う話を聞いたのか、悲しそうな表情で話す。


凛は笑顔のままでアウラにそう伝えると、アウラは褒められ慣れていない事もあって、顔を真っ赤にしながらそっぽを向きながら返事を行う。


その後、ジークフリートがアウラが困っている様子を見て珍しさから笑いを堪えているのがアウラにバレた為、ムキになったアウラがジークフリートにちょっかいを出す等して軽く一悶着あったりする。

それから凛達は談笑を行い、アウラも凛に付いて行く事になるのだった。

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