表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゆるふわふぁんたじあ  作者: 天空桜
世界周遊~ダライド帝国編~
386/594

377話

話は翡翠が凛から指示を受けた後に戻る


翡翠達は凛からの指示を受けてオーバ山に入り、そのまま道なりに真っ直ぐ1キロ程進むと、採掘を行っている現場と思われるかなり広い箇所へ出る。

そこでは作業員やブンドールの私兵達が、体に損傷を受けたりしながら魔物達と戦っている所だった。


魔物達は採掘現場の左奥からやや右の所にある高さ8メートル程の大きな穴から今も次々とやって来ている為、魔物達と戦っている人達は肉体的だけでなく、精神的な疲労の色が濃い様に見える。


作業員達が戦っている魔物で大きい個体は銀級の強さを持つランドドラゴン以外に、体長5メートル程の大きさのラージディオネア(ハエト)マスキプラ(リソウ)や、同じ位の背丈のドラゴン()ブラッ()ドツリー()が存在しており、どちらも地面の上に根を這わせる形で移動を行っている。

そしてラージディオネアマスキプラは複数ある頭で作業員達を補食する為に腕の様な蔓を伸ばして捕まえようとし、ドラゴンブラッドツリーはブロッコリーの様に見えなくもない体をしならせる、或いはヒュドラの様な根を向かわせる等して攻撃を行っていた。


それと、人間と同じ位か少し小さな個体として銅級のベラドンナからの派生であるイービル(邪悪な)バターカップ(キンポウゲ)やイービルミモザ(眠り草)、イービルウルフズベイン(トリカブト)が存在し、他にもロックスライムやアシッドスライム、金級のフルドラの姿もちらほら見えていた。

イービルバターカップやイービルミモザ、イービルウルフズベインはいずれも頭や手足に花や蔓を生やすと言った特徴を持っており、見た目が人間の女性の見た目をしたベラドンナとは違った様子を見せる。


イービルバターカップは腕の様に伸びた先にある葉っぱから毒性を凝縮した液体を飛ばして当たった者に麻痺を引き起こし、イービルミモザは額から上にある花から花粉の様な物を飛ばして深い眠りに誘い、ウルフズベインは腕の様な蔓の先にあるギザギザ状の葉っぱで傷を負った者に毒状態を引き起こす行動を取っていた。


オーバを取り仕切る代表の指示で内部に200人程のブンドールの私兵の精鋭を送った事で現在はどうにか戦えてはいるが、魔物達が一向に止まない為に1人、また1人と倒れていく状態だった。


翡翠達が来た時にはイービルバターカップ達が麻痺等で弱らせた後にアシッドスライムやフルドラ達の攻撃を受けたからか、軽く二桁を越えた作業員達や私兵達が壁の傍で踞っていた。


採掘現場に入ってすぐの所で作業員の何人かがポーション等を使い、現在進行形で負傷者の手当てを行っているのだが、そんな彼らの元へ次々と負傷者が運ばれて来るからか全然追い付いていなかったりする。




「危なかったー!結構ギリギリの状態だけど、今から回復を行えばまだ間に合うはず!金花ちゃんと銀花ちゃんは怪我をした人達の治療をお願いね。棗ちゃん、樹くん、柊くんはあたしと一緒に魔物を退治しに行くよっ!」


「「分かった…!」」

「任せて頂戴!」

「「分かりました。」」


凛は皆に指示を出して金花達が返事をした後、それぞれが目的に向かって走り出した。


ザンッ


「はぁ…はぁ…。全く終わる気がしねぇ。()っ、俺らがやられるのも時間の問題だな…。」


「すみませーん!」


「…!」


「後の魔物達はあたし達が引き継ぎます!(ドゴーン)…危険ですから、貴方達は後ろに下がってて下さいね!」


1番先頭にいた作業員の男性がイービルウルフズベインを斬り伏せた後、酷く疲れた様子で(アシッドスライムの酸が当たった事で火傷の様になった)左手を擦るのを交えながらそう呟くと、後ろから翡翠の声が聞こえた為に驚いた表情となる。

翡翠は男性の前に立って話をするのだが、その間に翡翠の後ろから攻撃を仕掛けて来ようとしたラージディオネアマスキプラを樹が左方向へ蹴り飛ばす。


「俺達が苦労してる相手を蹴り飛ばしちゃったよ…。つか、あんた達こそこいつらの危険性が分かって…。」


「2人は話をしてるの、邪魔をしないで頂戴。」


男性は樹が大きな魔物を蹴り飛ばす様子を見て、何とも言えない表情になった後に真面目な様子となって話そうとする。

そこへ今度はフルドラが翡翠に攻撃を仕掛けようとしたのだが、近くにいた棗がそう言って地面から蔓を生やし、フルドラを横へ真っ二つにして倒した。


「あたし達なら大丈夫です。さぁ早く避難…じゃなかった。向こうで仲間が治療を行ってますので、皆さんも治療を受けて下さいねー!それじゃ!」


「あ、ああ。分かった…。(簡単に魔物を真っ二つにしたみたいだが…あれは蔓か?それにいきなり弓を出したかと思えば、ウインドアローの様な物で攻撃…いたた。なんだか安心したら左腕が痛く感じて来たな。仕方ない、お言葉に甘えて回復しに行かせて貰うとするか…。)」


翡翠がそう話した後に無限収納からフェイルノートを出し、前に進み始めると男性は困った様子で返事を返す。

それから翡翠はウインドアローを放って攻撃し始めた為、男性は少しの間翡翠達が戦う様子を見ながらその様な事を考え、左腕を押さえながら翠達の元へ向かって行った。


翡翠達は周りからの視線がある為、テンペストアローを使わない等でいつもよりも大分控え目にした戦い方(と言っても一撃毎に魔物を倒しているが)を行い、20分程時間を掛けて魔物達の殲滅を終える。

そこから翡翠達は穴から向こうへ走って行った後、更に40分程時間を掛けて魔物達を片付けて戻り、棗が土魔法を用いて穴を一旦塞ぐ事となった。


翡翠達は作業を終えて金花達の所へ向かうのだが、その頃には金花達も薬液精製を用いたりアースハイヒールでの回復が一段落ついた所だった為、作業員や私兵達を外に避難させた後に凛の元へ戻るのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ