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ゆるふわふぁんたじあ  作者: 天空桜
世界周遊~ダライド帝国編~
384/594

375話

「うん、分かった。ありがとう、ナビ。」


《恐悦至極。》


「皆ー、オーバ山に魔物が溢れたんだって。前に約束した通り、(みどり)、金花、銀花、(なつめ)(いつき)(しゅう)は連れて行くとして、他にオーバ山へ一緒に行きたい人ー。」


『はい!』


「…やっぱり多いか。それじゃ、隣の人とじゃんけんを行って…今回は4人になるまで絞ろうか。」


凛はナビへ返事をした後にそう言って促すと、美羽達は勿論の事、篝達やトーマス達の様な配下の者達も多数手を挙げていた。

そしてその中には何故かナナやガイウス、ゴーガン、レオン、フィリップ、ゼノンが元気良く挙手する等して含まれていたのだが、凛は見なかった事にしてじゃんけんで残った4人を連れて行く事を告げる。




凛はソルヴェー火山から帰宅した後にアレックスへオーバ山はどんな所かを尋ねると、アレックスはそこそこの魔物が出るだけの鉱山だと答えた。

しかしポールが商業ギルド関連でオーバ山に1番近い街へ向かった際、何やら採掘場の奥には魔物が大量にいる様に感じたと話す。


凛は屋敷や帝国城からだと(距離的に)オーバ山を調べる事が出来なかった為、その場で月の目を使い、オーバ山を上から見てみる事に。

そこへ更にロゼがアスピドケロンへ進化した事で得た、自身や対象を透明にする効果がある『透化』スキルを併せると、採掘場の奥には凛達が戦った経験を持つ魔物以外に植物のシルエットを持った魔物が多くいる事が分かった。


その事を皆に伝えると金花と銀花が乗り気になり、そこから翠、棗、樹、柊も行きたいとなった。

美羽達は当然自分達も行くつもりだったのだが、そこへジークフリートが探索に行くメンバーが大体固定されているのではないかとの指摘を受ける。

凛は納得し、それならば試しに行きたい者へじゃんけんをする権利を与えると言う事で、オーバ山に動きがあった日に翠達以外で行くメンバーを決める事となった。


「やったのですー♪」


「へへー、やったぜー!」


「まさか勝ってしまうとは…。」


「やーりいっ♪」


それから15分程じゃんけんで決めた結果、梓、ルル、丞、翡翠が一緒に行く事となり、負けた者達は揃って落ち込んだ様子を浮かべていた。


それから凛はメンバーが決まった後、すぐにオーバ山へ救出に向かうとして翠達と共にポータルで帝都から300キロ程離れた森へ向かい、再度ポータルで残りの300キロ程を移動する様にしてオーバ山のすぐ近くへ向かって行った。




「あー…負けちゃったよー…。」


「まぁ今回は翡翠が一緒にいる事だし、美羽はアレクとステラに(霊峰)エルミールの案内でもして来たらどうだ?こないだみたいに厚着しても良いし、雫に寒さを防ぐ障壁を展開して貰えば良いだろ。」


「それもそだね。…ってな訳で雫ちゃん、一緒にエルミールへ行こー♪」


「…実はちょっと、この後に予定が…。」


「ないよね?前回訪れた時は厚着したかった事や面倒がって障壁を展開しなかった事は忘れるからさ、これからエルミールに向かう為の準備を宜しくね♪」


「…おのれ火燐め。」


「~♪」


美羽は凛と一緒に行けなかったからか、相当落ち込んだ様子となっていた。

そこへ火燐が声を掛けた事で、美羽は(ソルヴェー火山へ訪れた際に話に出た)エルミールへ向かう事に意識が向いた様だ。

美羽は頷いた後、雫の元へ向かって一緒に向かう様に促す。


雫はばつが悪そうにしながら断ろうとしたのだが、美羽に両肩をがっしり掴まれながら否定されていた。

そして美羽から真顔で強制的に予定を立てられ、最後は笑顔となって話し終えた後に離れて行ってしまう。

雫はそう言ってキッと睨み付ける様にして火燐へ視線をやるが、火燐はどこ吹く風とばかりに口笛を吹きながらやり過ごしていた。


因みに、この日の火燐の朝食はボルカニックイールを使った、うな重5人前となっていたりする。




「あのー火燐様ー、因みにオイラは…?」


そこへ名付けにより大精霊へと進化(見た目は変わっていない)したサラマンダーが、恐る恐ると言った感じで火燐の元へとやって来た。


「あ?お前は俺が鍛えるに決まってるじゃねぇか。セルシウスが来た時の状態と比べても、全体的にお前はまだまだ(あめ)ぇんだよ。朝飯食ったってんなら今から訓練に行くぞ。」


「ギャーー!やっぱりかーー!」


火燐はそう言いながら軽く睨む様な上目遣いでサラマンダーを見上げ、椅子から立ち上がった後にサラマンダーを髪をがっと掴んだ。

それから引き摺って歩き出した為、サラマンダーは悲鳴を上げながら火燐と共にダイニングから出て行った。


『………。』


周りにいた者達はその様子を呆然としながら見ており、話に出たセルシウスは褒められた気がした為どこか嬉しそうな、それでいて自分のせいでサラマンダーを巻き込んだ気がして申し訳なさそうな表情で見送るのだった。

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