表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゆるふわふぁんたじあ  作者: 天空桜
世界周遊~ダライド帝国編~
381/594

372話

火燐はサラマンダーをリビング横にある休憩所や名付け部屋…ではなく、魔力の制御が甘い為に屋敷が燃える可能性があると言う事で訓練部屋に置いた。

そしてすぐに凛達の所に戻り、今度は1人で攻略して来るからと言って走り出し、少し進んだ所で炎神化を発動してソルヴェーの中へ飛んで行った。




「…お、そうだ。折角だし、ポール達だけじゃなくルーク達の分も(火鉱石を)取っておくか。それに、今までじっとしていた分以上に狩りを楽しまないとな!」


火燐は入ってすぐ、そう言って頼まれていたポール達の分ついでに、第1領地の鍛冶場にいるルークの分の火鉱石も採取しようとした様だ。

ソルヴェー内部の壁や天井に生えている火鉱石を採取しつつ、内部にいる魔物の討伐を行う事に。


それからの火燐は炎神化を用いて一切の手加減を行わずにソルヴェーの攻略を行い、火燐のエネルギーに連動してなのかソルヴェーが一気に活発化する事となった。

火口では噴火が起きた事で辺りに溶岩を飛ばし続け、火山の中では溶岩の流れが更に激しくなった事でソルヴェー全体がずっと揺れていた。


しかし火燐はお構いなしとばかりにソルヴェーの中を飛び回っており、横道に逸れる等して別なコースへ向かい、そこにいた魔物達を殲滅していった。

そして壁や天井に生えていた火鉱石を沢山入手した後に外へ移動し、噴火の影響で結構な量となった火鉱石を採取する。


やがて火燐はソルヴェーでの目的は済んだとばかりに帝都にある商業ギルド本部へポータルで向かい、念話を使って別な所にいるポールを呼び寄せる事にした。

しかしポールからは30分程時間が掛かると言う内容の返事が返って来た為、火燐は建物の中ではなく外で待つ事にした。


するとそこへギルド本部の職員が依頼したのだろう、殺しを生業(なりわい)とする者達から襲撃を受けるのだが、火燐はそれを難なく返り討ちにしていった。




それから火燐は襲って来た者達を持ち上げては商業ギルド本部のエントランスホールに運んで積み上げていった為、何事かと思ったギルド職員達が次々に集まって来た。

そして火燐は出来上がったちょっとした人間タワー(ただし立った状態ではなく倒れた状態のだが)の1番上にどっかりと座り、近くにいたギルド職員へ今すぐにギルドマスターを呼ぶ様に指示を出す。


「はっ、はっ。火燐様、お待たせ致しました!」


「…来たか。火鉱石の取引を行おうと思ってここに来たんだが、ポールが来るまで時間が少し掛かるそうだ。だからポールが来るまでの間、オレがここにいるとお前らに気を遣わせると思って、外で待つ事にしたんだよ。そしたらすぐにこいつらから襲撃を受けてな。オレは今回初めてこの建物から出た…つまり帝都でも初めて出たのにも関わらず襲われた。意味は分かるな?」


指示を受けたギルドマスターは慌てた様子で火燐の所へ向かうと、積み上げられた20人程の人間のタワーの上で、火燐による(座っている者達への視線を交えての)追及が始まる。


「…。(不味い。不味い不味い!誰がやったかは分からんが、ほとんど商業ギルド本部の人間が仕向けたと言っているものではないか!この娘はポール様の大のお気に入りだ、ポール様は間違いなくこの娘の意見を受け入れる事になるだろう。しかもこの娘は非常に怒っている様に見える。下手な事を言えば更に怒り出す恐れがあるし、一体どうすれば…。)」


「…オレは別に怒ってる訳じゃねえんだぜ。」


「…え?」


ギルドマスターは火燐からの追及を受け、俯きながら冷や汗をだらだらとかいてその様な事を考えていた。


しかし火燐は最初からサーチで金に目が(くら)んだギルド職員が自分を襲う様に仕向けた事が分かっていた為、最初から深く追及する気はなかった様だ。

人間タワーから飛び下りた後にそう伝えた為、ギルドマスターは間の抜けた表情でそう呟いてしまう。




「ただよぉ、オレはこうも思うんだ。最近になってホズミ商会が帝都のあちこちに店を建てたが、その店の従業員ってのはオレの関係者になるんだよ。その関係者に対し、危害を与えるかも知れない商業ギルドなんて…いっその事燃やしてしまっても良いんじゃねぇかって。なぁ?」


「…!?も、ももももも申し訳ございませんでしたー!!今後2度とこの様な事が起きない様に致しますので、それだけはどうかご勘弁をー!」


「…次はねぇぞ。」


火燐は真顔で話していたのだが、話の最後辺りで右手を肩の高さまで挙げ、直径2メートル程の炎の玉を生成する。

これにギルドマスターはかなり慌てた様子となって土下座で謝罪を行い、周りにいた者達も馬鹿でかい炎の玉を見て恐れ戦いていた。


火燐はそう呟いた後に炎の玉を消滅させるのだが、そこに用事を済ませたポールがやって来た。

ポールは火燐達の様子を見て何があったのかを尋ね、火燐が何でもないと言った後に移動を始めた為、ポールやギルドマスターが慌てた様子で後ろを付いて行く。


その後、火燐を決して怒らせてはならないとの事が帝都で急速に広まっていった為、ホズミ商会の者達に横柄な態度を取る者達が減る事になるのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ