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ゆるふわふぁんたじあ  作者: 天空桜
世界周遊~ダライド帝国編~
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359話

凛達はアレックス達と同じ頃からゼノン達帝国組を領地内に案内していたのだが、2時間程でアレックス達が訓練から戻って来た。

凛とアレックスは軽く話を行い、場所をアレックス達が手を加えた詰所へ移して話し合いを行う事となった。


ただしナルだけは練習を頑張った影響でなのかふらふらとしており、皆の視線が自分に向かった事でにへらと笑いながら親指を立てた(サムズアップした)後、満足したのかふらふらとした足取りでこの場から離れて行った。

凛達やゼノン達はその様子を何とも言えない表情で見送る事に。




「…こほん。親父。一昨日は獣国王都には商店が既にある事を伝えたが、今後は聖国にも出す予定だ。流石にVIP宿は破滅する奴が出る可能性が高いから建てねぇだろうが、ジラルドを凛に任せたらサルーンみたいな感じになると思うぜ。」


「そう、か。…凛様、因みにだがダグラスを治める気はあるか?」


「んー、ないですね。帝都とジラルドのどちらを選ぶかと言われましたら(今は誰も住んでいない)ジラルドになります。ですがジラルドは帝都に近いですし、あまり店を多くすると帝都に影響がありますからね。仮に僕がジラルドを治める事になったとしましても、サルーン程多くの店を構えないつもりです。」


アレックスは仕切り直そうと思い、咳払いを交えてゼノンへ向けてそう話す。

ゼノンはアレックスから説明を受け、自分ではなく凛に治めて貰った方が帝国が栄えるのではと判断したのか、(表情も含めて)割と本気で凛に尋ねた。


凛はゼノンから尋ねられたものの、貴族が割とやりたい放題と言う事も含めた帝都の治安の悪さや、今現在も人々が住んでいる中で色々と作り変えるのに時間や手間が掛かると判断した様だ。

軽く考える素振りを見せ、苦笑いの表情を浮かべてそう返事を返した。


ゼノンは最初凛の事を呼び捨てにしていたのだが、この2日間でレオンやフィリップが何度も凛を様付けで呼んでいるのを聞いていた。

それと凛のいない所でレオンやアーウィンが凛達が行った数々の武勇伝を話した事もあって、ゼノン達皇族や重鎮達の顔が次第に青ざめていった。

その為ゼノンは凛(と言うよりも周りにいる火燐達)に気を遣ったのか、今日からはレオンと同じく様付けで呼ぶ様になる。


「残念だ…。これから帝国の者だけで話し合おうと思う。凛様、すまないが少し待って貰えるだろうか?」


「勿論良いですよ。あ、最悪、どちらも断って頂いても構わ…。」


『それはない(です)。』


「そうですか…。」


ゼノンは残念そうな表情でそう言った後に立ち上がると、凛はそう言って頷く。

しかし凛としては領地にある物やサービスをゼノン達に知って貰うと言う目的は達成した事、それと自分も移動して来た人達の手助けをしたいと言う思いがあった。

その為、アレックスには悪いが最悪ゼノンから帝都とジラルドに手を加える事を断られても構わないつもりで話そうとしていた。


しかしゼノンを含めた帝国の者達は、今更何もなしで帝都に戻ると言う考えは一切ない様だ。

ゼノン達全員からきっぱりとそう言われてしまった為、凛は苦笑いの表情を浮かべてそう呟いていた。


それから5分程話し合った結果、ジラルドは凛に一任、帝都には可能な限り店を構えて欲しいと言う事になった。

それと、参考がてら獣国王都にある商店の様子を見に行きたいと言う事になった為、それにフィリップやアーウィンが乗っかる形となる。




ゼノン達帝国組は初めて凛の領地へ来た際、人や亜人だけでなく獣人もそれなりにいた為か色々な様子を浮かべながら驚いたのだが、昨日一昨日と過ごす内に少しだけ獣人に慣れていた。

しかしレオン達が住まう城に移動した後に王都へ出ると当然ながら獣人しかいない為、ゼノン達帝国組は獣人の多さに圧倒される事に。


ゼノン達が呆けている内にレオン達や凛達が歩き出した(ポールと火燐は商業ギルド本部へ挨拶に向かって行った)為、少し遅れる形で後ろを付いて行った。


「凄い列が出来ておるな…。」


「そうですね…。」


「まだ今の所、商店も粉もの屋も1店舗ずつしかないからな。だから少しでも円滑に進ませる為にって事で、どっちも店の中でいられる時間に制限を設けてある。それでも時間が足らないからどうしてもと言う場合は、店から出た後にもう1度並び直させる様にしてるぜ。」


『成程…。』


商店に近付くと物凄い長蛇の列が出来ているのが分かった為、複雑な表情のゼノンと隣にいたオリビアがそれぞれ呟いた。

その呟きをレオンが拾って返事を返すと、ゼノン達帝国組やフィリップ達が頷く。


その後、凛達は30分程商店を見た後に軽く粉もの屋の様子を見て、第1領地へと戻るのだった。

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