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ゆるふわふぁんたじあ  作者: 天空桜
世界周遊~シリウ神聖国編~
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313話

それから凛達はアーウィン達の元へと戻るのだが、(凛達は隣の運動場へ移動した為見ていなかった)アーウィンは先程離れた際には持っていなかった、見慣れない棒の様な物を凛以外の者達が持っている事に疑問を抱いていた。

凛がアーウィン達から尋ねられる前にライトソードを説明してから美羽達が色とりどりの光刃を出して見せ、強い者がライトソードを振るえばミスリルでも容易に切断出来る事を伝えた為、アーウィンとレイラに驚かれてしまう。




「雫…お前が曲がりなりにも剣に対して興味を示すなんてな。体術はあまり得意じゃなかっただろ。」


「…!これは杖の延長線的な物。決して剣ではないのだ。」


「ふーん?…まぁ良いか。凛、オレにもそのライトソードってやつをくれ。」


「はーい。」


そんな中、火燐は雫が持っていた事を意外に思ったのか、雫を少しからかう様にしてそう話した。

雫としては面白そうな武器だから凛に貰ったとは言いたくなかったからか、そう返事を行いながらさっと視線を反らす。


火燐はそう言ってにやりと笑っていたが、あまり突っ込み過ぎるとしっぺ返しが来ると判断した様だ。

半ば無理矢理話を変えた後に凛の方を向いて催促する様に言い、凛が返事をしながらライトソードを火燐へと渡す。


「へー…。」


そして火燐は早速受け取ったばかりのライトソードに赤い光刃を発生させ、右手1本で持ちながら感心する様にしてヴォンヴォンと音を立てながらライトソードを軽く振り回していた。


「それじゃあよ…こう言うのは…どうだっ!」


『おぉー!』


それからそう言いながら左手を上に掲げ、直径50センチ程の大きな火の玉を生成して軽く宙に浮かし、跳躍して火の玉を赤い光刃が出ている状態のライトソードで切断する。

火の玉は火燐によって真っ二つに切断され、そのまま霧散して消えていった事で周りから歓声が起こった。


「良いなこれ。込める魔力を減らせば、威力をかなり弱めるって事も出来るみてーだな。これなら今までみたいに、わざわざポールの隣へ行かなくても済みそうだわ。」


火燐は着地から立ち上がった後に威力を最低にまで弱めた事で、光刃の威力は空になったペットボトル程度の強度となった。

火燐はその状態のライトソードを、胸の高さに持ち上げた左の掌の上にぺしぺしと当て、感心する様にしてそう言う。


「そんな!火燐様、私の事をもっとぶって頂いても全然構わ…。」


「黙れ変態。(ボコンッ)」


「あふん。」


するとそこへ非常に残念そうな表情をしたポールが、火燐へ詰め寄りながらそう叫ぼうとしていた。


火燐は何言ってんだこいつと言いたそうな表情でポールの方を向き、そう言ってライトソードを上から振り下ろす。

ポールは火燐から出力最低のままのライトソードを叩き付けられた事でそう言って地面に倒れるのだが、その表情は恍惚を浮かべたものだった。


『………。』


その為凛を含めた周りの者達は何とも言えない表情となってしまい、オズボーン達以下の商国の者達は非常に残念な物を見てしまった、と言いたそうな表情でポールの事を見ていたりする。




「えーっと、先程は僕と美羽でライトソードを用いた軽い手合わせを行いましたが、これは僕達が毎朝欠かさずに行っている手合わせを元にしたから出来た事です。皆さんにとってあまり参考にならないと思いますので、今から少しでも事故を減らす為の助言をさせて頂く事にしますね。ステラ、リュファス、ちょっと前に出て貰って良いかな?」


「「? はい。」」


「まずはお手本として、2人にライトソードの手合わせをして頂こうと思います。それじゃステラとリュファスは剣道をするみたいな感じで、1メートル位の距離で向かい合う形で立って貰って良いかな?」


「剣道…?あっ、そう言う事か。こんな感じで構えるって意味ですね。」


「…成程な。」


凛は場の空気を変えようとしたのか、そう言ってリュファスとステラを前へ出る様に促す。

しかし2人はいきなり凛から名前を呼ばれた為か疑問を浮かべた表情で返事を行い、凛に言われるがまま前に出て来た。


そして凛は2人にそう尋ねると、ステラは凛から出た剣道と言う単語を聞いてピンと来た様だ。

ステラはライトソードを両手で持ちながら剣道の構えを行うと、リュファスが納得した様子でそう言いながらステラと同じ構えを取る。


「分かって貰えた様だね。その状態でライトソードの刃を出せば刃同士が重なる状態になるから、最初に切っ先を当てれば互いの出力が適正かを判断出来るって事だね。それじゃ試しに、2人は魔力を注いで刃を出した後に切っ先を当ててみてくれるかな?」


「「はい。」」


「…この様に、この時点で片方の威力が高い事が分かります。ここで調整を行えば、手合わせ中に起こるであろう事故を格段に減らせると言う事ですね。」


凛にそう言われた事で2人は緑色と白色の光刃を出して切っ先をぶつけるのだが、ステラは(まだあまり魔力の扱いに慣れていない)リュファスよりも多くライトソードに魔力を注ぎ過ぎた影響か、リュファスのライトソードの切っ先がステラに塗り潰される形となった。

凛は皆の方を向き、左手でステラ達を指し示す様にしてそう言った事で、周りを含めた皆が納得の表情になる。


それからステラはライトソードの出力を下げて威力が同程度になった事を確認し、改めてリュファスとの手合わせを行う事に。


5分後


「はっ、はっ、てりゃあっ、ていっ!」


「よっ、ほっ、ほいっ、それっと。」


リュファスと(赤色と緑色の光刃を出した双剣姿の)ステラの2人は、リュファスが攻めてステラが双剣で受けると言った感じで手合わせを行っていた。


リナリーやイルマ、タリア達もライトソードを凛から受け取り、ステラ達に倣う形で運動場内にてライトソードの練習を行う事に。

リナリーとイルマと言った魔法をメインとして戦う者も、エルマやジークフリート(たまにステラと交代)が相手となってライトソードを用いての手合わせを行っていた。

その為運動場の何ヵ所かではキィンキィンと金属同士がぶつかる音ではなく、ヴォンヴォンやチュインと言った音が響いていた。


しかし周りの者達は、ライトソードの光刃部分の色が人によって異なったり、動き等が幻想的に思えた様だ。

凛、美羽、火燐、雫以外の者達がライトソードの練習をしている風景に、釘付けとなっている様子を見せる者も少なくなかったりする。




その後、凛、美羽、雫、朔夜、段蔵、レオン達、火燐達はアーウィン達を領地の各地に案内している内に夕方となった為、ポータルを使ってそれぞれを王都や聖都に帰した。

そして夕方からはリュファスの歓迎会とルルとヤイナのお祝いを兼ね、ルークとルルの祖父のロイドを招いて屋敷内で盛り上がる事になるのだった。

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