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ゆるふわふぁんたじあ  作者: 天空桜
世界周遊~シリウ神聖国編~
302/594

295話

パキキキキキキキキキキキキキキキキィィィィィ…ン


「うわっ!」


「止めてくれー!」


「ほ、ほら…武器を捨てる。だから許し…(パキィン)ひいっ!」


「な、何なの…これは……?」


甲高い音が聞こえた直後、次々に持っている剣が斬られていった事で、騎士達は驚いて剣を投げ捨てたり、逃げ回る様になっていた。

そして騎士の1人がまだ斬られていない状態の剣を投げた際に地面へと刺さり、そう言って許しを乞おうとしている時に剣が斬られた事で、悲鳴を上げて尻餅をついてしまう。


レイラは驚いた表情でそれらの様子を見ていた。




凛の分身体が現れてからの女神騎士団本部は、ある意味阿鼻叫喚の地獄絵図となった。


騎士達は凛の分身達が消えたと思った瞬間、(騎士達にはそう思っただけで、実際は凛の分身達が超高速で動き回っている事によって)次々に構えていた剣等の()()()()が悉く破壊され始めていった。

騎士の一部が慌てて剣を鞘に収めたり、その場から逃げ出したりしても同様に武器が破壊された。

そして中にはパニックになった魔法騎士がでたらめな方向へ向けて初級や中級の魔法を放つ事もあったのだが、すぐに玄冬に魔力を纏わせた凛によって魔法が消失され、それによって魔法騎士が呆けている内に杖が破壊される事となる。


ただしアーウィンと一緒に来たレイラの様に、凛達に対して特に戦闘の意志がなかった者に関しては、武器の破壊を行わなかったりする。

その為レイラは事態に追い付けず、騎士達が大パニックになっている中で呆然とするしか出来なかった。




「マスター♪」


「結局、凛が全部美味しい所を持っていってしまったのぉ。妾はつまらぬのじゃー。」


「そう?もっと凛が早くしてくれても良かった位。」


「いや…皆もっと穏便にいこうよ。これじゃあたしが天使だって言っても、誰からも信じて貰えないよ…。」


「ははは…。」


そこへ、凛の分身達による影響で騎士達が自分達へ攻める所ではなくなったからか、美羽達が凛の元へと歩いてやって来た。

そして美羽は手を振りながら元気良く、朔夜は不満そうに、雫は淡々とした様子で、エルマとイルマは苦笑いの表情を浮かべながらそれぞれそう言っていた。


因みに段蔵は美羽達から少し遅れ、馬達と一緒にやって来たりする。


「皆お疲れ様。それなら…丁度場所は空いてるみたいだし、朔夜だけ龍に戻ってみる?」


「そうじゃの。ひょっとしたら妾の元へ向かって来る、気骨のある者がおるやも知れぬ。」


『!?』


「君達は先程から一体何を言って…何だ、あの途轍(とてつ)もなく禍々しいドラゴンは!?」


凛が自分の元へ向かって来る美羽達を労った後、現在凛がいる地点から少し南の所に朔夜が龍に戻っても大丈夫そうなスペースがあった為、朔夜へそう言って促す。

朔夜はそう返事しながら嬉々として空いてるスペースへと向かい、黒い繭で自身を覆った後に龍形態へと戻る。


しかし朔夜の思惑は見事に外れ、騎士達は絶望の表情となって腰を抜かす等して更にパニック状態になってしまう。

アーウィンは朔夜が移動を始める前にそう言って凛に尋ねようとするも、言い終える前に走り終えた朔夜が巨大で禍々しい姿のドラゴンとなった事に驚く。




「(あれ程に禍々しいドラゴンは今までに見た事がない。しかし攻撃を仕掛けようにも、私の剣は先程破壊されて…。)」


「彼女は僕が朔夜と名付けたドラゴンでして、邪神龍アジ・ダハーカと言うドラゴンです。」


「…!君が、名付けた…?」


「はい。ジーク、悪いんだけど、空へ飛んで龍の姿になって貰って良いかな?」


「うむ、分かった。(バサッ)はっ!」


それから10秒程経ち、アーウィンがどうしようか悩んでいる所へ凛がそう声を掛ける。

アーウィンは凛の言葉で我に返ったのか、少し複雑な表情で凛の方を向いて尋ねる。

凛は頷いた後にジークフリートの方を向いてそう頼むと、ジークフリートは頷いて返事し、背中に翼を出現させて真上へと跳んだ。


「お、おお…!」


「そして彼はジークフリートと名付けた、聖神龍バハムートと言うドラゴンです。騎士団長さん、これで少しは話を聞いて貰える気になりましたか?」


「君達…(こほん)いや失礼、貴方達は一体…?」


「僕の名前は凛。女神様こと創造神様の弟で、姉から管理者としてこの世界を任された者です。」


そしてジークフリートが空中で龍の姿になった事でアーウィンは感動した様子となり、周りにいた騎士達はジークフリートの姿を見て一斉に土下座をしたり、お祈りをし始めると言った行為を取る様になる。


凛は感動しているアーウィンにそう言った後に尋ねると、アーウィンは咳払いを交えて凛に尋ね返す。

そして凛はアーウィンにそう言って自己紹介を行うのだった。

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