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ゆるふわふぁんたじあ  作者: 天空桜
世界周遊~シリウ神聖国編~
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284話

「まあまあ。ポールさんの気持ちは分かりましたし、今日からポールさん達も領地の出入りを許可しますね。たった今火燐から拳骨を貰う形になってはしまいましたが、商国が僕達よりも立場が下になったからと言って、ポールさんを含めた商国の扱いを雑にすると言う事は決して致しませんのでご安心下さい。」


「ありがとうございます!」


「…どうやらポールさんのお供の方々も来られた様ですし、皆さんで一緒に領地にあるスイーツ店へ向かう事にしましょうか。…おっと、危ない危ない。隊長さんの事を忘れる所でした。」


凛は苦笑いの表情でポールを宥めると、ポールは感激した様子で答える。

そこへ少し離れた場所にて、ポールの部下のオズボーンや商人達がこちらへ向けて走って来るのが見えた為、凛は皆の方を向いてそう話す。


ポールはホズミ商会との契約中にナビから魔素を得た事で身体能力が上がり、今は銅級冒険者に近いものとなった。

その為見た目に反して駅伝選手みたいに速く走れる様になった事でオズボーン達を突き放し、先に凛達の元へとやって来たりする。

火燐は途中迄オズボーン達の傍を走っていたのだが、ポールが凛の元へ着こうとする事がサーチを通じて分かった為、オズボーン達にこのまま真っ直ぐ走る事を伝えてポータルで移動する事にした。


そして凛は未だに縛られたまま放置されている隊長の方を向いてそう言い、美羽にお茶等の片付けを頼んで隊長の元へと向かう事にした。

その後凛は隊長を縛っていた紫水の糸を回収し、クリーンの魔法を掛けて衣服を綺麗にする。


隊長は凛に揺さぶられた事で目を覚まして立ち上がるのだが、凛達に関する説明を殆ど聞いていなかったものの先程の巨大な鳥の魔物()が近くにいるのではないかと辺りを警戒する。

そして(ブルーシートから出て)こちらを見ている部下達や(翼を引っ込めた)エルマ達、それと身なりの良い男性(ポール)が跪いてるのを見て、少し様子を見る事にした様だ。

隊長は凛と一緒に皆の所へ戻り、凛はオズボーン達にポールに力の一部を与えた事や、これからは領地を行き来して良い事を伝える。




「…隊長。隊長は気絶していたから分からないでしょうが、どうやらあの方は異端どころではなく、女神様の弟様である事が分かりました…。」


「…!」


「隊長…お願いですから今は騒がないで下さい。と言うか、我々はあんな化け物達を従えてる様な方に対し、今後一切刃を向ける気は起きないと思います…。」


「そうか…。それでも、与えられた任務の為にあいつを捕縛すると言ったら?」


「隊長…あんた正気か?先程隊長の直ぐ近くで巨大な鳥の魔物がワイバーンが倒したのを見ていましたよね?そんな相手を従えてる様な方に対し、我々は命を無駄に失いたくはありませんよ。ですので、やるなら隊長お一人でお願いします。」


「…そうだよな。俺もさっきの魔物()を相手にしろと言われたら、間違いなく戦わずに全力で逃げる事を選ぶ…。」


その間に凛と話していた兵士が隊長の元へ向かい、凛が創造神の弟である事を小声で伝える。

隊長は馬鹿なと叫びそうになるが、それを先に部下が手で隊長の口元を抑えた事で未然に防ぐ。

その後に部下が伝えた事で隊長は一先ず落ち着くのだが、任務を遂行する為か隊長は部下に小声でそう尋ねる。

部下は顔を青ざめたり真顔でそう言うと、隊長も先程は逃げたくても逃げられずに気絶する事になったからか、複雑な表情でそう答える。


その後も凛達の話が終わる迄、2人のひそひそ話は続いていた。




「先程ポールさんにも説明しましたが、ここスイーツ店以外にも今日から色々と商品の追加をしております。…が、女神騎士団の皆さんは言われても分からない物だらけですよね。これから少しずつ説明をしていきますね。」


『………。』


「凛様!このアイスクリームやかき氷と言う冷たい食べ物や、フォンダンショコラ(?)と言う温かい食べ物も私は出せるのですか?」


「はい。ここよりも品質が少し落ちますが、出来上がった状態の物が出せますよ。」


「おお!それは楽しみです!」


「ここ以外にも、新しく追加した物が沢山あります。それとサルーンには無かった宝石店も後で見て回りますので、そこも参考になさって下さい。」


「分かりました!」


その後凛達一行はポータルで屋敷の敷地内へと移動し、歩いてスイーツ店へとやって来た。


凛はポータルを設置し、手本として先にポータルを潜って移動するのだが、兵達はいきなり凛が消えた(と思っている)為びくびくとしていた。

そこを火燐にせっつかれた事で次々に移動してはポータルの出口で倒れ込み、屋敷の外で待っていた凛に笑われた事で兵士達は恥ずかしそうにしていた。


因みに、馬達は段蔵が馬車ごとアウズンブラ達がいる部屋へと送り、迎えが来る迄馬達をのんびりさせる事にした様だ。


凛は皆が椅子に座った事を確認した後にそう言い、今度は兵達の方を向いて苦笑いの表情を浮かべてそう言った。

凛達はテーブルを3つ繋げて座り、凛達と兵達(一緒に来た商人の内の2人もこちら側)が向かい合う様な形となっている。


凛達の列の真ん中辺りに座っているポールが左手を挙げながら右にいる凛へ向けてそう尋ねると、凛は頷いて答える。

ポールはその事で嬉しそうに言うと凛がそう説明し、ポールは更に嬉しそうにする。


その後凛達は1時間程スイーツ店にいる(ポールは早速フォンダンショコラを頼んでいた)のだが、ポール達やエリオットは近い物を喫茶店で食べた事はあるものの、兵士達はここ迄甘い物を食べた事が無かった。

ポール達やエリオット達は色々とスイーツの種類がある事や美味しさに感動するのだが、一方で火燐と朔夜の食べっぷりにドン引きするのだった。

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