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ゆるふわふぁんたじあ  作者: 天空桜
世界周遊~獣国マーレシス編~
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252話

凛達が訓練部屋に入って10分が経とうとした頃、朔夜からレオンが決闘の結果について聞きたがっているから獣国王都に来て欲しいとの念話が凛の元に届いた。

どうやら朔夜は凛の様に使い捨てのポータルでは無く、城の一部屋を借りてその部屋の中にポータルを設置して昨晩は帰って来た様だ。


そして朔夜は決闘を見終えた後、借りた部屋に設置したポータルを通って王城にやって来ていた。

凛はポータルの行き先に獣国の王城が追加された事をこの時に知って驚いた後、一先ず美羽達に後の事を任せて移動する事に。


凛はシエルを連れて王城へ向かうと、設置されたポータルの前で朔夜と段蔵が待っていた。

朔夜は凛を謁見の間へ案内するとそのままタリアの横に向かい、歩きながら物質変換・闇を使って玉座の様な物を造り出した後、何事も無かったかの様に座る。

凛はえっ?と言いたそうな表情で朔夜を見るが、決闘の結果について早く聞きたいレオンに促された事で説明を始める。




「ほぉ~!帝国のブンドール侯爵の兵士の強さは俺も耳にした事があるが、それを無傷で一方的に倒すなんてすげぇな!」


「以前レオパルドからお話は聞いておりましたが、凛様達はかなりお強いのですね。」


「そうなのじゃ。凛はとても強いのじゃ。」


「朔夜…普通にタリア様の横に座っちゃってるけど、いくらなんでもレオン様達と馴染み過ぎじゃない?」


「妾とタリアは友人同士故、構わぬのじゃ。」


「凛様、朔夜様が仰る通り私の隣に座られても全然問題はございませんよ。」


「まぁタリア様が迷惑でなければ良いか…。それと、ステラは向こうで見ないと思ったらどうしてサラ様達の所に?キュレア達が探してたよ。」


「えっとね…早い話がアレクを見送った後、急に朔夜さんに引っ張られたと思ったらここ(王城)へ連れて来られたんだ。そして何故かは分からないんだけど、サラ様達に懐かれちゃったみたいなんだよね…。」


「「………。」」


「娘達は一目でステラ様を気に入られた様でして…。」


「そうなんだ…。」


凛からの説明を受けた後、レオンは満足そうに頷いてそう話す。

そこへタリアと朔夜が続けてそう言った事で、凛は何と言って良いのか分からない表情で朔夜へ尋ねる。

しかし朔夜からぴしゃりとそう答えられ、タリアもけろりとした表情で肯定されてしまう。


凛は複雑な表情でそう言った後、タリアの右側で左右の両側からサラとシーラに抱き付かれている状態のステラを見てそう言った。

ステラは苦笑いを浮かべてそう言った事で、凛は更に複雑な表情となってそう言った。


ステラは黒猫の獣人の為か髪色が真っ黒なのだが、今のところ凛の領地で真っ黒の髪色をしているのは凛、ステラ、それと朔夜達だけだったりする。

朔夜は同じ髪色のステラに親近感を覚えたのか、夕食後にステラ達の部屋へ向かう等してコミュニケーションを取っていた。


朔夜は自身の見立てでステラがサラ達に気に入られると思い、ステラを王城へ引っ張って連れて来た様だ。

朔夜はステラを引っ張ったまま謁見の間へ向かうと、レオンやタリアが家臣と話をしている所だった。

レオン達は朔夜が来た事を喜ぶが、朔夜は決闘の話や連れて来たステラの事には触れず真っ直ぐタリアへと向かい、ステラやレオン達を置いて軽く話を始める。


そして案の定と言うか、同じく謁見の間にいたサラとシーラはステラが同じ猫科の獣人で優しそうな雰囲気を持つお姉さんと言う事に惹かれたのか、恐る恐るながらもゆっくりとステラの元へ向かって行った様だ。




「ひんやり…。」


「「気持ち良い…。」」


「そうだね。」


「(なんだか変な感じだねぇ…。)」


「リズが困った表情を見せるなんて珍しいね。」


「ワフッ?(本当だね?)」


「(あたし達は今迄、戦うか怖がられるかクロエ達みたいに撫でられるかだけだったからねぇ。ここ迄されるのは初めてだよ。)」


「「(………。)」」


その後、凛が話したリズ(ゲリ)ノア(キャスパリーグ)に興味を示したのか、レオネルがとことこと凛の所に向かって昊やリズ達に会いたいと言って来た。


凛はクロエに念話で連絡を取り、クロエから了承を得た事で城の中庭に大きなポータルを設置して昊も一緒に迎えに行った。

そして中庭の中央にクロエが座り、クロエを囲う様に昊とリズとノアが座る。

レオネルはリズに抱き付いた状態で、サラとシーラはノアの滑らかな毛並みを撫でながらそれぞれそう言い、ステラはノアの頭を撫でて相槌を打つ。


リズは困った表情でそう言うと、クロエと昊がそう答える。

リズは左の脇腹部分に抱き付いてるレオネルを見ながらそう言った。


そして以前から昊に触りたがっていたレオパルドは一心不乱に昊を撫で回し、ノアは我関せずと言った感じで横になったまま暫くの間動かなかった。




「…しかしサラ達があそこ迄ステラに懐くとは思わなかったぜ。ステラが来てくれて良かったのかもな。」


「そうですね。凛様が連れて来られたクロエ様達と一緒に、中庭へ向かわれた事が良い息抜きとなるでしょう。」


「そうだな…。」


「レオン様申し訳ありません!酒場でガルシア様が暴れております。私達ではどうしようも無くて…。」


「何?またガルシアが暴れているのか。あいつも懲りない奴だな…。」


凛達はステラ達が中庭へ向かった後も話を続けていた。

話の途中でレオンが顎に右手を乗せながらそう言うと、タリアがにこりと笑って答える。

そしてレオンが続けで言おうとした所へ、慌てた様子の兵士がやって来てそう伝える。


レオンは兵士からの報告を受けた後に困った表情でそう言い、やれやれと言った感じで立ち上がるのだった。

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