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ゆるふわふぁんたじあ  作者: 天空桜
世界周遊~獣国マーレシス編~
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245話

「おい!貴様等、これは一体どう言う事だ!!」


「あ、いらっしゃってたんですね。ブンドール侯爵がこちらへいらっしゃる迄に時間が掛かると判断しまして、少し早いですが昼食を摂らせて頂いてる所でした。」


「(来る迄に時間が掛かるから昼食を、だと?まるで私達の事を見て来た様な口振りだな。…まぁいい。)…それでは始めようか。それと先程から気になっていたのだが、貴様の頭の上に乗っているその変わった生き物は何だ?」


「分かりました。この子は僕がシエルと名付けたカーバンクルです。…それでは僕達は失礼しますね。」


「あ、凛ー!待ってー。」


「あ、おい菫!待つのだ。」


「(あれがカーバンクルだと!?名前しか聞いた事が無かったが、まさか実在しているとはな…。ふふ、あれも高く売れそうだ。)…分かった。」


ブンドール侯爵はお供のカスメール子爵とウーバウ男爵の2人を連れ、かなり怒った様子で凛の元へ向かいそう叫んだ。

凛はガイウス達と談笑をしている所だったが、ブンドール侯爵が叫んだ事でそう答える。


ブンドール侯爵はそう思いながら更に追及しようとしたが、凛の頭の上に乗っているシエルに意識が向いた事で怒りが少し和らいだ様だ。

凛に尋ねた後に得た返答で非常に珍しい個体であるカーバンクルだと知り、会釈をして離れて行く凛と菫やジークフリート達を見てニヤリと笑って言いながら自分も離れる。


シエルは凛の近くが最も安全だと理解したのか、凛の頭の上を定位置に決めた様だ。




「今回の決闘は私、帝国第3皇子アレックス・ダライドが立会人を務めさせて貰う。双方、準備は良いか?」


「問題無い。」


「こちらも大丈夫です。」


凛とブンドール侯爵達貴族はサルーンの近くへ移動した後、20メートル程距離を取る。

そしてアレックスが中間に立ってそう言うとブンドール侯爵はニヤリと笑いながら言い、凛は頷いて答える。


シエルはこのまま凛の頭の上に乗りたがっていたが、決闘の開始の時だけでと言う事で今は菫に抱かれている。

そして美羽、雫、翡翠、楓に代わる代わる撫でられて気持ち良さそうにしており、火凛を含む周りの者達が羨ましそうにその光景を眺めていた。


「…それでは決闘、始め!」


『おぉぉぉぉ!』


「さて…始めるか。後ろから紅葉様が援護して下さるし皆も大丈夫だとは思うが、あまり無理はしない様にな。」


「「「はい!」」」


「分かったわ。」


そしてアレックスの合図を切欠に、ブンドール侯爵が連れて来た3000人以上の兵士達が声を挙げて一斉に走り始める。


今回の決闘では暁、旭、月夜、小夜、クロエの5人がそれぞれ間隔を空けて前線に立ち、少し離れた後方で紅葉が魔法でフォローをすると言う魚鱗の陣形に近い構えで戦いを行う様だ。

暁が練習用の大太刀を抜いてそう言うと、旭達も返事をしてそれぞれ武器を構える。




「くらえっ!ぐげっ!」


「くそっ!手前(てめ)ぇ…、おごっ!」


「…無駄口を叩く暇がある位ならさっさと掛かってこい。」


「野郎…ふざけやがって!」


「おい!こっちだ!皆で先にあいつを倒すぞ!」


「(そうだ、俺が少しでも多く惹き付けて倒していけば旭達や紅葉様への負担が軽く…!)」


『うわぁぁぁぁ!』


先頭にいた兵士が暁へ縦に斬りかかると、暁は横に半歩ずれてかわした後に大太刀を横に薙いで相手の胴に当てて吹き飛ばした。

それを見た別の兵士がそう言いながら暁の方を向こうとするが、大太刀で頭を上から強打されて地面に倒れる。


暁は溜め息をつき、やれやれと言った態度を取った後にそう言う。

すると近くにいた兵士達はその様子を見て怒ったのか、そう言って一斉に暁の方へと向かう。

暁は武器を構えながらそう考えていると、後ろから強烈な風が吹いてきた。


その風は暁が強烈に感じただけで済んだ様だが、暁の近くにいた兵士達50人程が悲鳴を上げて纏めて後方へ吹き飛ばされる程の凄い風だった様だ。


「暁。頑張るのは良い事ですが、1人で背負い込み過ぎるのは貴方の悪い癖ですよ?」


「そうよ、皆で頑張るって話し合って決めたじゃない。それに、貴方だけ良い格好はさせないわよ?」


「ちぇ…、俺は少し楽が出来ると思ってたんだけどな。」


「旭、そう言ってる割に(練習用の)小太刀から紫色の電気が出てる。いくらこれから頑張るからって、普通の人にそれは危ないよ?」


「あ、やばっ。」


「ふふっ、何だかんだで皆やる気だよねー。」


暁は後ろを振り向くと、少し怒った様子の紅葉が閉じた状態の颯を前に突き出したままそう言った。

紅葉は暁に自覚させる意味を込めて少し風を当てた様だが、颯を使って風をコントロールした事で隣にいる旭と月夜には全く風を感じさせないでいた。


紅葉が起こした突風のおかげで余裕が出来たのか、暁の左隣にいる月夜が槍を右肩に乗せてニヤッと笑いながらそう言い、続けて暁の右隣にいる旭が少し不貞腐れる様にしてそう言う。

しかし旭はそう言いながらもやる気があるのか、2本の小太刀に少し紫色の電気が走っているのが見える。

旭の隣にいる小夜が指摘すると、旭は慌てた様子で紫色の電気を引っ込める。


月夜の隣にいるクロエは暁達の様子を見て、笑顔でそう言うのだった。

草草草草○←クロエ

草草草草草○←月夜

草草○←紅葉○←暁

草草草草草○←旭

草草草草○←小夜


草=草原


こう言った陣形のつもりで編成を組んでます。

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