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ゆるふわふぁんたじあ  作者: 天空桜
世界周遊~獣国マーレシス編~
241/594

236話 57日目

2日後の57日目の午前8時頃

エルフの里、リアム宅にて


「おはようございまーす。」


「おはようなのじゃ。」


「「おはよう。」」


「あれ?今日はポータルを使わないで来たんだ?」


「おはようございます。今日は少し大きな仲間と一緒に来たからさ、いつもの感覚で出るとリアムさんの家を壊しちゃうかもって思ったんだ。だから今回は家の外にポータルの出口を設置して、家の入口から来させて貰ったって所かな。レオパルド様、王都へ行ってエルフの里へ戻って来るとしても、後1週間位は掛かると思っていたよ。」


「ポータルの出口を変えるなんて事が出来るんだね…。凛君達を王城に招待しようと思ってさ、これでも急いで来たんだよ。」


「…僕はこれでも一応一般人なんだけど、王城へ招待されても大丈夫なのかな?」


「僕は別としても、王女や皇子と普通に話せる一般人なんていないよ。僕が早く家族に伝えたかったのもあるんだけどさ、王城に戻って家族へ凛君の事を簡単にだけど話したら皆凛君に興味を持ったみたい。是非会わせてくれと言う事になったんだ。だから殆どここ(エルフの里)からそのまま行って帰って(とんぼ返りして)来ただけに近いって訳。僕だけなら今から休み無しで行ったとしても、明日の午後には王都に着くんだ。だから皆で行けば、明後日の午後には着くんじゃないかな?」


「んー…けど僕達、明日の朝から予定(決闘)があるんだよね。でも獣国の王族の方々を待たせるって言うのも問題になるだろうしなぁ…。」


凛達はいつもの様にリアムの家の中では無く、外から入口の扉を経て中へと入って来た。

凛と朔夜は挨拶をし、段蔵は黙ってリアム達へ向けて会釈を行う。

それに対してリアム、それと王都から戻って来たのか少しだけ疲れた様子のレオパルドが挨拶を返す。


リアムはいつもの様にポータルを使って室内に来ると思っていた為、不思議に思ったのか凛へと尋ねた。

凛がそう答えると、レオパルドはそう言って難しそうな表情になる。

しかし直ぐに笑顔になってそう伝えると、凛は苦笑いで答える。


レオパルドの中で凛達を招待するのは確定事項らしく、笑顔のままではあるがそう言って凛達を案内しようとする。

凛はぐいぐい来るレオパルドや獣国の王族に悪いと思い、そう言って考える素振りを見せる。


獣国マーレシス王都モラードは、凛達がいるエルフの里から1000キロ程離れた所にある。

レオパルドはその距離を片道1日と少しで走り切ったにも関わらず手前にある街でそこそこの睡眠を取ったからか、先程リアムの家に着いた時もそこ迄疲れた様子を見せなかった。




「…今日はご挨拶だけと言う目的で、レオパルド様のご家族にお会いする事にするよ。」


「おお、ありがとう!けど、明日の用事とやらは大丈夫なのかい?」


「うん。ポータルを使って直ぐに移動出来るから大丈夫だよ。それでも流石に王都の中に出る訳にはいかないから、王都の近く迄って事になるけど。今、(月の目を使って)確認したら大体の場所が分かったしね。」


「…凛君のポータル、便利過ぎない?」


「ははは…。」


凛は一通り考えが纏まったのか、レオパルドの方を向いてそう言った。

レオパルドは喜ぶが、直ぐに凛の様子を窺う様な表情で尋ねると、凛は問題無いとばかりに答える。


しかしレオパルドはポータルで凛の領地に向かった経験がある為か、自分がそこそこ苦労して移動した距離を簡単に移動出来る事に気付いた様だ。

レオパルドは引き攣った笑みでそう言うと凛の苦笑いで肯定されたと思い、その場に崩れ落ちてしまった。

そしてそのやり取りで気疲れしてしまったのか、レオパルドを午前中の間寝させる事になった。




「おお!凄く格好良い!昊君の頭の上にはカーバンクル…じゃなかった、シエルちゃんがいるんだね。」


「そうなんだよ。2体共同じ様な名前だからか仲良くなったみたいでさ。」


「良いなぁ。シエルちゃんが羨ましいよ。僕もフェンリルって種族は初めて見るからさ、実際に触ってみたいなぁ…。」


「(のんびりした所だねー。)」


「(そうね。凛のおかげで私も銀級上位の強さになれたし、昊もいるから落ち着いて周りを見渡せるわ。あ、あそこの空いてる所で日向ぼっことかしたら気持ち良さそう…。)」


シエルと昊は同じ空繋がりの名前だからか、一昨日の夕食後から仲良くなった様だ。

シエルは凛、菫、ジークフリートと一緒にいる時は人間の姿だが、昊と一緒にいる時は魔物の姿で昊の頭の上に乗る様になる。


リアムはレオパルドを休ませてから外に出た後、凛から説明された昊やシエルを少し離れた所から見て感動していた。

凛が説明すると、リアムは昊に触りたいと思ったのかシエルの事を羨ましそうに見ている。


そして昊とシエルはそんなやり取りを行いながら、エルフの里を回って行くのだった。

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