表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゆるふわふぁんたじあ  作者: 天空桜
世界周遊~獣国マーレシス編~
223/594

218話

一方その頃


「ゴーガン殿も大分強くなって来たし、もう少ししたらミゲルの様に神輝金級へなれる(聖人へ進化出来る)のかも知れないな。」


「そうだね。ここの所毎日猛君が森の散策に付き合ってくれているおかげだよ。そう言えば昨日、茜君達も古龍へ進化したんだったかな?」


「(この人間…ゴーガンとか言ったっけ。火燐様よりも大分弱い筈なのに逆らえないもの(オーラ)があるから、なんか緊張するし苦手なんだよなー。)…あ、はい。あたしは業火龍(インフェルノドラゴン)で風華が嵐龍(ストームドラゴン)、雷華が雷電龍サンダーボルトドラゴンへと進化しました。」


「(何だか茜君に警戒されちゃってるみたいだね。)…そうなんだ。それじゃ茜君達も神龍へ進化したいだろうし、今日は少し進んだ所へ進んでみるかい?」


「そうだな。普段は使わないが、いざとなれば凛様のブーストエナジーもあるし、今日は中層深部へ進んでみる事にしよう。」


訓練後に猛がそう言うとゴーガンは猛へ言った後に後ろを向き、今日から一緒に向かう様になった茜、風華、雷華へと向けてそう言った。

茜は一瞬だけしかめっ面になるが、普通の表情へと戻って内心そう思った後にゴーガンへと伝える。

ゴーガンは内心そう思ったものの終始表情を変えずに猛へと尋ね、猛がそう言って一行は中層深部へと向かう。




「ああ、そうだった。さっきあまり使わないと言っておいて何だが、茜達はブーストエナジーを飲んで構わないぞ。」


「えっ?(こほん)…猛様、あたし達はブーストエナジーを使って良いんですか?」


「ああ。先程、凛様から許可を貰っていたのを忘れていたんだ、済まないな。私は昨日迄ゴーガン殿と2人で狩りをしていたのだが、ゴーガン殿は強くなる事を特に急いでる訳では無いのだ。しかし茜達は違う。早く強くなってから、魔物形態(本来の姿)で私達と戦いたいのだろう?それに茜達が今日の狩りで神龍へ進化してくれれば、私達も美羽様達みたいに死滅の森深層へと向かう事が出来る様になる筈だ。私とていつまでも朔夜に負けっぱなしは嫌だからな、深層へ行きたいと言う欲がある。」


「「「「深層…!」」」」


「そうだ。そう思うと、これからが楽しくなってくるだろう?」


「そうだね!」


「「「はい!」」」


目的の場所へと着いた後、今度は猛が後ろにいる茜達へ向けてそう言った。


茜達は昨日迄戦闘組の誰かと一緒に行動していたがそれ迄ブーストエナジーを飲まずに散策を行っていた為、今日の散策もブーストエナジー無しで散策を行うと思っていた。

しかし猛がそう言った事が予想外だったからか、茜は猛の方を向いて素っ頓狂な声を上げてしまう。

茜は恥ずかしくなったのか少し顔を赤くして咳払いを行った後に猛へと尋ね、猛は頷いて答える。


猛以外の4人(特にゴーガン)はそれぞれ嬉しそうに言うと、猛はニヤリと笑いながら頷く。

猛はそのまま皆へ尋ね、4人はそれぞれ元気良く返事を行う。




その後茜はサイダー、風華はミックスフルーツ、雷華は苺味のブーストエナジーをそれぞれ飲む。

ブーストエナジーを飲み終わった後、茜は昨晩凛から貰った火炎の戦鎚(ハンマー)、それと風華は飆風の杖、雷華は霹靂(へきれき)斧槍(ハルバード)をそれぞれ構え、猛とゴーガンの前を歩き始める。


「そぉ…、れっ!」


茜は行動を開始して直ぐにこちらへ真っ直ぐ突っ込んで来る、ちょっとしたカプロスの群れに襲われた。

散開した後に茜の方へ来たカプロスの突進を避けた反動でくるっと1回転し、勢いをつけて真っ赤な炎を上げた戦鎚をカプロスのお尻部分へと向けて軽く掬い上げる様にしてかち上げる。

カプロスはお尻らへんにジュウ、と音を立ててピンボールの様に前方の斜め上へと真っ直ぐ吹き飛び、森の木に顔面からドゴォッと音を立てて叩き付けられた。

その後、カプロスよりも森の木の方が頑丈だった為かカプロスはズルズルと滑り落ちて行った。


「行けっ、エアプレス!…かーらーのーウインドエッジー!」


風華は自身の元へ突進して来るカプロス2体の内、右側のカプロスへ向けて飆風の杖を構える。

そして風系中級魔法エアプレスを放つと、まるでカプロスへ向けてボディーブローでも喰らわせたかの様に、左側から強烈な風圧を腹部に当ててカプロスを吹き飛ばした。


そしてそのまま直ぐ近くにいるカプロスへと激突させてカプロス達が怯んだ所へ、風華は続けて風系中級魔法ウインドエッジを放つ。

風華によって放たれた風の刃はカプロス達を切り裂いていき、やがて2体纏めて倒れていった。


「はあっ!そぉ、れっ!ふっ!」


雷華は雷を纏わせながら、霹靂の斧槍の先端の右側にあるハンマーの部分で左方向から遠心力を込めた一撃を頭にぶつける。

直ぐに別な個体がこちらへ来る事を読んで軽く跳び上がり、くるっと1回転した後に先端の左側にある斧の部分で脳天唐竹割りを行う。

そして着地後直ぐに後ろを向いて鋭い付きを放つ等して、雷華は次々にカプロスを倒していった。




「おー、飛んだ飛んだ。うん!ブーストエナジーを飲んだからか体が軽いな!風華達も調子が良いみたいだし、あたしもこのままの勢いで魔物を倒して行くぞー!!」


茜は左手を眉の(ゴルフ)下に当てて(でもし)遠くを見る(たかの)様な仕草を取り、先程攻撃した事で数十メートル飛んで行ったカプロスを見る。

その後、茜は自分と同様にカプロスを余裕で相手をしている風華と雷華を見た後に体の方向を変え、戦鎚を振り回しながら残ったカプロスへと向かって行くのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ