216話
1週間程前に誤字報告して下さった方がいたのですが、先程気付いて内容をよく読まないまま反映させて読み直したらガイウスが店の跡継ぎみたいになってました(苦笑)
誤解を与えてしまった様で申し訳ない…。
その後慌てて1時間ちょいかけて105話の修正を取り敢えず行いました。
それとは別に登場人物紹介での雷華の雷龍の所をサンダードラゴンからライトニングドラゴンにと言った事等も修正してます。
それとコスプレですが、最初は美羽の方をらまーずさんのめでぃかる☆どりーむ的なのにしようとも考えましたが雫を女医にした方が面白そうと言う理由で変更しましたw
「凛、お前…。いくら見た目が可愛いからって、そんな趣味が…。」
「ありませんからね!?と言うか僕、こんな感じに服を用意されては着せられてる被害者ですから!!」
「そうか。まぁ、それはそれで見てみたい気も…。」
「…え?」
「………。(ニヤッ)」
『(あの服(に付いてるポケット)の中は一体どうなっているんだろう…。)』
『(凛様、今回はあの様なお召し物なのですね。是非とも拝見したい…!)』
アレックスは意外そうな表情で凛へ向けて言うと、凛は全力で否定する。
アレックスは好奇心もあってかそう呟いてしまい、凛は少し引いた表情で尋ねる。
雫はアレックスをこちら側に引き込めるかも知れないと思ったのか、少しだけ黒い笑みを浮かべて両ポケットの中に衣装を戻した。
周りで凛達の様子を見ている人達は、雫が白衣のポケットから衣装を取り出しては直すのを見て不思議がっていた。
クロエを除く紅葉達5人はと言うと、凛がアレックスへ弁解している間に雫が両手に持った衣装を見た後に凛の方を向いて、その様な事を考えていた。
「(ごほん)…済まん、何でもない。取り敢えず2人共何かノリノリみたいだし、ここは任せて向こうへ戻ろうぜ。」
「…そうですね。それじゃ皆、ここは任せるね。」
『はい!』
「はーい♪」
「ん。」
アレックスは咳払いをした後にそう言い、凛は気を取り直してそう伝える。
紅葉達、美羽、雫がそれぞれ返事をしたのを確認し、凛とアレックスは領地へと戻る。
その後、美羽と雫に治療して貰おうとして(主に男性が)限界以上に紅葉達との手合わせを頑張る様になり、別な意味で運動場が賑わう事になる。
「あ、アレク。お帰りなさい。」
「アレク様、お帰りなさいですわ。」
「2人共腹も少し引っ込んでるし、さっきよりは元気になったみてぇだな。」
「ええ…。」
「面目ございませんわ…。」
「マジで2人共頼むぜ?俺や凛達はこれから決闘に向けての準備をしなきゃならねぇから、これからはあまり余裕がねぇんだよ。」
「「決闘(ですの)?」」
凛達はスイーツ店の休憩室へと戻ると、パトリシアとアイシャの2人がそう挨拶を行う。
2人は未だに少しお腹は出ているものの、体調は女の子座りが出来る位に迄回復した様だ。
アレックスが軽く笑顔でそう言うと、2人は少しだけ悲しそうな表情で答える。
アレックスは真面目な表情となってそう言うと2人が尋ねて来た為、アレックスは皆にサルーンでの顛末を話す。
「「成程…。」」
「…ああ、そうそう。ついでだから伝えとくぜ。ステラは今でこそ女の姿をしているが、元々は男だったんだ。」
「「男!?」」
「そうだ。お前等は何か勘違いをしてるみたいだが、ステラとはお前等と知り合う前からの付き合いでな。今では性別や種族を越えた親友なんだよ。だから、こいつの事を苛めるのは止めてやってくれねぇかな?」
「そ、そうだったのね…。(だからお兄様が友人の方と話すみたいに、2人共男同士で話す感じで接していたのね。私はてっきり、ステラがアレクに媚びを売っているとばかり…。)」
「承知しましたわ…。(くっ…、亜人風情がアレク様と友人?そんなの納得が行きませんわ!)」
「………。(アレクが説明してくれた事でパトリシア王女殿下は理解して貰えたみたいだけど、アイシャ様には逆効果だったみたいだね。うーん…。結果的にプラスになった様な、マイナスになった様な…。)」
アレックスは追加でそう説明すると、パトリシアとアイシャは揃って驚く。
アレックスはステラの方をちらりと見て言うと、パトリシアは反省した様だ。
しかしアイシャはそう言って軽く頭を下げたものの、ステラを元人間だとは思わず内心そう思いながら苛立っていた。
ステラは野生の勘が働いたのかアイシャの苛立ちを感じてしまい、休憩室の天井を見上げながら悩む事になる。
「それでは僕はエルフの里へ戻りますね。」
「ああ。色々と済まなかったな。」
「いえいえ。向こうが一段落ついたらまたここに戻って来ますね。」
「分かった。」
「………。(今エルフの里と仰いましたわよね?獣国にあると聞いておりますし、今日中に行ける距離では無い筈…。そう言えば先程、サルーンへ向かうと言ってこの部屋を出られましたわよね。ですがまだ30分と少ししか経ってないのに、もうサルーンを往復して戻って来たのでしょうか?…これは少し調べてみる必要がありそうですわね。)」
凛とアレックスは軽い感じでやり取りを行い、凛は休憩室から出て行った。
アイシャは内心そう思い、凛の事を調べようと決意する。
しかし、凛の関係者がサルーンからそう時間が経っていないのにいつの間にか凛の領地にいる事迄は突き止めたものの、関係者以外は見れない様にしてるのもあってか移動手段迄は特定する事が出来なかった。
アイシャは自身が持つ情報網をいくら使っても分からなかった為に後で悔しがる事になる。
「遅くなりましたけど戻りました…って、エルフとダークエルフの皆さん寝ちゃってるんだね。リーリアさんやヤイナさんまで寝てる…。」
「凛がいなくなった後に酒も振る舞ったからな。皆美味い美味い言いながら食べたり飲んだりしていたぜ。」
「皆かなり盛り上がっておったぞ。」
「どっちも恐らく初めてだっただろうし楽しくなっちゃったんだね。あ、片付けを済ませてくれていたんだね、ありがとう。折角皆さんが眠っている所を起こすのも悪いし、風邪を引かない様に毛布を掛けたら僕達は帰ろっか。」
「そうだな。」
「じゃの。」
凛はリアムの家へと戻ると、火燐達や朔夜達以外は幸せそうな表情で眠っていた。
火燐と朔夜が凛へ説明を行い、凛がそう言うと皆が頷く。
凛達は里の皆に毛布を掛け終わると、そのまま領地へと戻る。
凛達はその後美羽達を迎えに行きがてら午後5時迄紅葉達の手伝いを行い、ステラ達を迎えに行く。
その頃にはパトリシア達は大分体調が回復したのもあって、そのまま皆でスイーツ店を出て解散となった。
凛達は屋敷へと帰り、アウズンブラ達の歓迎会の準備をした後にアウズンブラ達を迎えに行くと、揃って幸せそうに寝ていた。
凛は少し悪いと思いながらもアウズンブラ達を起こした後、歓迎会にて美羽達や朔夜達以外の者達がまだ食べて無かったカトブレパスの肉の残りを全て出す。
皆はカトブレパスの肉を美味しく食べ、自己紹介したアウズンブラ達と仲良くなってこの日を終えるのだった。