表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゆるふわふぁんたじあ  作者: 天空桜
辺境都市サルーンを取り巻く者達編
192/594

188話

「(もしかして…エルフにダークエルフ!?どちらも数が少なくて人前で見る事は珍しいって聞いていたが、流石凛さんと言うか…。しかし、2人とも綺麗な上にでっけぇな!)」


ルーカスは美羽と一緒にこちらへと向かって来る女性2人(特に胸)を見て、驚いた表情で内心そう思っていた。

もしここに(少し控え目な)イライザがいたら、ルーカスは確実に魔法でぶっ飛ばされていたかも知れない。


「3人共慌てなくて良かったのに。ヤイナさんって、真面目そうな印象とは反対で話をするのが好きですよね。」


「我々ダークエルフは口数が少ない者が多いからな…。私もリーリア程では無いが、里では変わり者扱いされていたよ。だからこそリーリアとは何十年振りにあったからか、中々話が尽きなくてな。」


「もぉ~。これからは一緒なんだから、慌てて話す必要は無いって言ってるのに~。」


「済まない…。つい楽しくなってしまってな…。」


凛とリーリアは苦笑いを浮かべて言い、ヤイナと呼ばれるダークエルフの女性は恥ずかしそうにしてそう言った。




ヤイナは二十歳位の見た目で身長が170センチ程、痩せているのに肉付きが良いリーリアとは対称的に引き締まった体をしている。

そして腰までの銀髪を一本に束ね、背中には大剣を背負っている。

ヤイナはリーリアよりも若干控え目な位ではあるが、非常に大きな胸の持ち主だ。

しかしそれでいて背中の大剣を扱い易くする為なのか、本人やリーリアは気にしていない様だが軽装な上に肌の露出がかなり多い。


リーリアとヤイナの2人は走る度に胸も釣られて動く為、ルーカスだけで無く近くにいた凛以外の男性の視線をそれぞれ一点に集めていた。




ヤイナは昨日の夕方に西門から入り、そこで待っていたリーリアと合流する。


「里にあるのよりも立派な世界樹があると思って近付いて見れば…、やはりお前の相棒の精霊だったのだな。リーリアよ、探したぞ。」


「ヤイナちゃん久しぶり~。近くにヤイナちゃんがいる事が分かったから~、風の精霊さんに頼んで迎えに行って貰ってたの~。」


「~♪」


「全く…数十年振りに会うと言うのに、お前は変わらないのだな。」


「あ~!でも私~、こう見えてエンシェントエルフになったのよ~?」


「…は?」


ヤイナはリーリアの風の精霊と一緒だったからか、すんなりと門を通る事が出来た。

そしてヤイナの視線の先ではリーリアが手を振っていた事で安心したのか、友と久しぶりに会うような優しい表情でそう言った。


リーリアはヤイナの元へ行き、ヤイナの両手を取って話すとヤイナは笑って答える。

風の精霊はヤイナの右肩に腰掛ける形で座り始めた。

しかし続けてリーリアがそう言った事で、ヤイナは呆然となる。

リーリアは右手をヤイナの左手に繋いだ状態で屋敷迄案内し、その間里を出てからの事を話していた。




「…なんと言うか、お前も色々とあったのだな。一先ずリーリア、お前が無事で良かった。いきなり里からいなくなったとは言え、お前にもしもの事があったら里長に何を言われるか分かったものではないからな…。」


「お爺様に~?書き置きは残して来たのに大袈裟ねぇ~。」


「いや、前日迄いたのに次の日いきなりいなくなったら、皆が心配するのも当然だと思うのだが…。ましてや里長の娘であるお前が、だからな。」


「ん~?」


凛の屋敷の前にてヤイナは少し俯いてそう言った。

リーリアは左手の人差し指を顎に当て、可愛らしく首を傾げて言うとヤイナは困った表情で言う。

しかし当のリーリアは心配するヤイナの事を全く気にしていないのか、そう言ってニコニコと笑っていた。




実はリーリアはエルフの集落の里長の孫娘…つまりはお姫様みたいなものだ。

リーリアは転生した影響もあるのか、自分が少々特別であると言う事を全く自覚していなかった。

その為集落の大人達は常にひやひやとしていた。


或いは天然なリーリアなりに気を遣った結果、心配する大人達を余所(よそ)に集落から出て旅をすると言う事になったのかも知れない。

ヤイナも心配した者の1人で、リーリアの護衛であり友人でもあった。

その為リーリアが出て行った事をとても心配し、半ば無理矢理里長を説得してリーリアを探しに向かう。


しかしヤイナは少し方向音痴な所があり、リーリアとは違う方向を探し続けていた。

そして領地から少し離れた西にいた所を偶々(たまたま)リーリアがサーチで見付け、風の妖精に頼んで迎えに行かせたと言う訳だ。


ヤイナはリーリアに屋敷へと招かれ、自身とリーリアの素性を説明する。

凛達はリーリアがまさかお姫様だとは思っていなかったらしく、ヤイナの説明を受けて非常に驚いていた。


ヤイナはリーリアの護衛と言うだけあってかなり強く、金級中位の腕前を持っていた。

ヤイナは先程の訓練の際に、同じく大剣を使う火燐と相手をしていた。

そして火燐とヤイナはお互いに相手の事を気に入ったのか、訓練の後に握手をして楽しそうに話をする場面が見られる。


凛、リーリア、ヤイナの3人はルーカスや周りの人達の視線を浴びる中、軽く打ち合わせを始める。

そして凛はリーリアとヤイナの2人に、稽古の指南役を頼むのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ