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ゆるふわふぁんたじあ  作者: 天空桜
辺境都市サルーンを取り巻く者達編
191/594

187話 49日目

2日後の49日


午前8時過ぎ


「流石凛さんの配下だけあって全然歯が立たないな…。けど俺「そろそろ時間だぞ!早く変われー!」…え?もう終わりの時間な(10分経つ)のか!?」


領地の南側に用意した運動場にて、虎狼の牙のリーダーことルーカスはアーサーに稽古をつけて貰っていた。

稽古が始まって暫く経った頃に、ルーカスはアーサーから一旦距離を取る。


ルーカスは楽しくなって来たのか、アーサーを見てへへっと笑う。

対するアーサーは無言のまま、ルーカスの事を見ていた。


ルーカスは続けてそう言おうとしている時に、並んでる列の先頭から野次が飛んで来た事で非常に吃驚してしまう。




一昨日運動場を解放した際に、イプシロン(5番機)やアーサー達を見た目だけが良くて武器が(練習用の為)見窄(みすぼ)らしいと冒険者達に判断される。

冒険者の1人がアーサーに軽く痛い目を見せようと挑むが直ぐに敗れた事で1人、また1人とアーサーへと挑む様になる。

終いにはそれぞれが1人で複数人の相手を行い、4人共無傷で挑んで来た者全員を倒してしまう。


その事が切欠で稽古を頼む者が続出する様になり、昨日今日と稽古を開始する午前8時には既に運動場の前に行列が出来てしまっていた。


昨日は30人程だったが今日は50人を越えており、運動場を見ている者(ギャラリー)が多数いる事でまだ増えそうな気配がした。

昨日はまだ1人当たり30分ずつの時間を充てる事が出来ていたが、今日は全員に細かく教える事が出来そうに無い為1人当たりの稽古の時間を10分とさせて貰った。

並んでいた者達はそれを伝えられて不満そうな表情を浮かべるが、列の後ろを見る等して4人では仕方ないと思ったのか渋々了承する。


ルーカスは午前6時から並んでおり、比較的早く稽古の順番が回って来た。

しかし10分と言う時間があっという間に過ぎてしまった事がショックだったのか、運動場の近くに設けたベンチに腰掛けてボーッと運動場の方を見ていた。




「あれ?ルーカスさん?」


「ルーカスさーんやっほー♪」


「…! 凛さんに美羽さん!」


そこへ運動場の西側から魔法と弓の練習用の簡単な施設を設置し終え、ルーカスの近くを通り掛かった凛と美羽が声を掛ける。

ルーカスははっとなり、慌てて返事をする。


「凛さん達は領地の巡回をしてたのか?」


「巡回もなんだけど、あそこに魔法や弓の練習をする為の的を設置してたんだ。勿論的もそうなんだけど、壁や天井も頑丈にしてあるから多少放つ事が不慣れだとか、始めたばかりで的から多少外れたとしても大丈夫な様にしてあるよ。」


「ほー、成程な。それならカインやイライザも喜んで練習する様になりそうだ。イライザはたまに魔法を外す事があるからな…。」


「そうなんだ?それなら丁度良かったのかもね。そう言えば、ルーカスさん元気無い様に見えたけど何かあったのかな?」


「ルーカスさん大丈夫?」


「んー、何かあったって程でも無いんだけどな…。」


ルーカスは凛や美羽と軽く話を行った後、少し恥ずかしそうにして稽古を受ける人が多くて10分で終わってしまった事を凛へ伝える。




「あー、やっぱりか。ルーカスさんに気が付く迄、運動場に並んでる人が多いなって思ってたんだよ。運動場の面積と教える人を増やした方が良さそうだね。」


「それはありがたいが…、出来そうなのか?」


「他の建物もそうなんだけど、何か問題が起きても直ぐに対処出来る様に運動場の近くに他の建物を建てないでおいたんだ。あ、美羽。僕はちゃちゃっと運動場を広くしておくから、美羽はその間に練習場に戻ってリーリアさん達を呼んで来て貰えるかな?」


「はーい♪」


凛は少し複雑そうな表情で運動場、そして行列に並んでる人達を見てそう言った。

ルーカスはうかがう様にして凛へ尋ね、凛と美羽はそう言った後にルーカスをここで待って貰う様に伝え、それぞれ離れて行った。




5分後


「あれ?美羽達よりも僕の方が早かったんだね。」


「ああ、うん。まだ美羽さんは戻って来てないな。」


「そうなんだ。直ぐに来ると思うから、このまま僕も待ってる事にするよ。」


凛は運動場の隣に第2運動場を設置し終え、ルーカスの元へと戻る。

凛はてっきり自分よりも距離が近い美羽が先に戻っていると思っていた為、少しだけ驚いた表情でそう言った。

ルーカスが答えると凛はそう言ってルーカスの隣に座り、美羽を待つ間2人で雑談をし始めた。




更に10分後


「マスターごめーん!リーリアさんとヤイナさんで話が盛り上がっちゃって遅くなってしまったよー!」


「凛君~、ごめんねぇ~?」


「凛殿、済まない…!」


美羽、リーリア、そしてリーリアよりも少し背が高く、褐色の肌をして少しだけ耳が短くなり引き締まった体をした銀髪の女性がそれぞれパタパタと走りながら、申し訳無さそうにしてそう言うのだった。

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