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ゆるふわふぁんたじあ  作者: 天空桜
辺境都市サルーンを取り巻く者達編
185/594

181話

「ミゲルさん達お疲れ様。怪我とかは無かった?」


「ありがとう。凛様から頂いた服のおかげで多少の傷で済んだよ。」


「? (エクストラヒール)少し歩き方が変だったから念の為に回復しておくね。皆は本当に大丈夫?」


「! …済まない。」


『俺(私)達は隊長と違って、本当に怪我とかしてないので大丈夫です!』


ミゲルから戦闘が終わったとの念話が凛へと届けられた。


凛は美羽、火燐、雫、翡翠、楓と一緒にミゲルの近くに設置したポータルで直ぐに移動し、ミゲルへと尋ねる。

既にミゲルはジェフを倒した後にクリフ達の元へと向かっており、凛と一緒に再びジェフの元へと向かおうとしながら答える。


凛はミゲルの歩き方が少しぎこちなく感じた為、どこかの骨が折れているのではないかと思った様だ。

ミゲルの全身を包む様にエクストラヒールを掛け、後ろを振り向いてクリフ達へと尋ねる。


ミゲルは全身の打撲が凛の回復魔法で治った事が分かり、凛に回復のお礼を言う。

クリフ達は完勝に近い勝ち方をしていた為、慌てる様にして否定する。


凛の領地へと襲撃しようとした者達は、いきなりやって来た凛達やミゲル達の様子を見て呆然としていた。




「ミゲルさん、この人は?」


「…私が組織にいた時の上司に当たる人物だ。一応説得はしたのだが、聞いて貰え無かっただけで無く戦闘の途中で組織内で薬と呼ばれる物を飲んだんだ。それ()は身体能力を大幅に上げてはくれるが、服用して1時間後に死んでしまう代物(しろもの)でな。私は部下達に危険が及ぶと思い、ブーストエナジーを飲んでこの者を殺した。…凛様からブーストエナジーを頂かなかったら、私の方が危なかったかも知れないな。」


「…そうだったんだ。」


凛とミゲルはジェフの元に着き、凛は倒れているジェフの事についてミゲルへと尋ねる。

ミゲルは頭巾を外しで悲しそうな表情で言い、凛は複雑な表情で答える。


その後、凛はミゲルに(紅葉の死霊魔術(ネクロマンシー)やクロエの不死の軍勢の説明をして)ジェフの遺体をどうするかを尋ねる。

ミゲルは少しの間悩んだが、ジェフの強さよりも領地の人々に迷惑が掛かる方が強いと判断した様だ。


「(遺体を)近くに埋めてくる。」


ミゲルはそう言ってジェフの遺体を抱えて離れて行った。




凛は少しの間ミゲルを見た後に美羽達やクリフ達がいる所へと戻った。

美羽達は凛とミゲルが離れている間に倒れている者達を回復しており、美羽達やクリフ達を含めた皆の視線が凛へと集まる。


「あちらにいた方は残念ながら亡くなってしまわれましたが、僕は貴方達に危害を加える気はありません。今後僕達や僕達の領地を攻撃しないと約束出来る方は手を挙げて下さい。その方はこのままサルーンへ帰って頂いて大丈夫ですよ。」


凛がそう言うと襲撃しようとしていた者達は互いの顔を見合う。

そして1分程経った所で1人の者が恐る恐る手を上げた。


「はい、分かりました。約束はちゃんと守って下さいね?」


「(ぶんぶんぶんぶん)」


「大丈夫そうですね。では、気を付けてお帰り下さい。」


凛は軽く頷いた後に尋ねると、挙手した者は何度も頷く。

凛は左手をすっと前に差し出して、帰る様に促す。

挙手した者は半信半疑だったのか、サルーンへと向かいながら何度かこちらを振り向いていた。




それを切欠にして一斉に手が挙がる。

凛は全て了承し、次々にサルーンへと帰していく。

挙手した者は全員帰したのだが、何人かの男女は手を挙げずに座ったままだった。


そこを戻って来たミゲルが何故手を挙げないのかをその者達に尋ねる。

どうやらその者達はミゲル達とは違う裏の組織ではあるものの、ミゲル達の強さや殺さずに無力化した事に憧れを持ったそうだ。


それと戻ったら雇い主に酷い罰を受ける事や、元々人殺しに忌避感があった為サルーンには戻りたくないとの事。

そして奴隷でも構わないので一緒に連れて行って欲しいとまで言われてしまった為、凛の一存でミゲルの部下と言う事で彼らに奴隷紋を付け、新たに迎える事にした。


因みに、サルーンへと帰った者の中には凛との約束を守る気は全く無いのに便乗して帰っている者がいた。

凛が襲撃しようとした者達に提案した時から、サーチが使える者は展開して赤で表示された者が何名かいる事が分かっていた。

特に火燐と雫は赤で表示された者達は近い内に再びやって来るだろうと判断し、ナビに頼んでマーキングを付けて貰う事に。


そして後日。

その者達は結局最後まで別の色へと変わる事無く、再び行動しようとしてサルーンを出る。

そして少し進んだ所で火燐や雫が現れ、断罪(と言ってもきついお仕置き)を下すのだった。

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