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ゆるふわふぁんたじあ  作者: 天空桜
辺境都市サルーンを取り巻く者達編
176/594

172話

凛達は魔法で明かりを点けて洞窟を進むにつれ、ここがだんだんと斜め下へ下がって行く鍾乳洞である事が分かった。

明かりを点けた鍾乳洞の中は、通路だけでもトンネル位の広さがあった。

そして度々出る空間も学校の体育館位の広さがあり、通路や広い空間の大半が薄紫色をした鍾乳石、場所によっては青色の鍾乳石があったりした。


凛達は最初の広い空間に出る。

そこには金級中位の強さを持ち、全長2メートルはあるダークネ(暗闇)スバット(蝙蝠)3体をリーダーとする、銀級中位の強さで全長120センチ程のダーク()バット20体程と、銅級上位の強さで全長80センチ程のブラックバット70体程の群れに襲われた。

大きさの違いはあるものの、バット達は一様にして真っ黒の体をして長い牙と真っ赤な目を持っていた。


凛達は真っ先に広範囲で向かって来たブラックバット達を飛ぶ斬擊や各属性の初級魔法で迎撃したり、巨大化したライムが暴食で取り込んだりして殲滅させる。


「…凄いな。直ぐに魔法を放てる様になるだけじゃなく、威力も上がるのか。」


「便利なのですー♪」


ミゲルと梓も短剣型の火炎と水氷、メイス型の崩土を媒体として魔法を放っていた。




「渚ー。罔象みずはは振り回すよりも、他の皆みたいに魔法の媒体にした方が良いんじゃない?」


「やだ!折角凛様から罔象を貰ったんだし、私は振り回す方が好きだもん!」


「渚の攻撃方法って、基本的に魔法を放つか斬擊かの2択だもんね。」


「うん!」


凛はミゲルにソードブレイカーの説明を終えた後、渚が新しい武具を持っている梓の事を羨ましそうに見ているのに気が付いた。

凛は渚の元へ向かい、少し前から用意はしていたものの中々渡す機会が無かった新しい武器を渡す。

その武器は凛が罔象と名付けた水色の刀身を持つ大鎌で、水の神繋がりで用意した物だ。


渚は反省した後、自分からおねだりする事を控える様になった。

渚ははにかんで凛から罔象を受け取りつつ、内心では狂喜していた。


渚は凛に言われた様に、ブラックバット達へ向けて罔象を杖みたいに魔法の媒体として使う事も考えた。

しかし結局大鎌として使う事を選び、ブラックバットの殲滅が終わった後にダークバットを1体ずつ切り伏せていた。

渚は凛にそう言われ、楽しそうにダークバットを倒していく。




「「「………。」」」


琥珀、瑪瑙、紫水の3人は、鍾乳洞を歩いている時に凛から飆風の腕輪を貰った。

それを二の腕に着けて魔力を纏わせた事で、いつも以上に身体が軽くなる。

3人は感覚を掴みながら空中を飛んだり跳ねたりして、こちらもダークバットの数を減らす。

3人で4体のダークバットを倒した後、互いにぐっと親指を立てて頷き合っていた。




「前に進んだ人達のやる気が凄いわねー。私達も向かって行った方が良いのかしら?」


「それですと、勢い余って後ろにいる3体のリーダーも倒してしまう可能性があります。」

「あちらへと向かわれたミゲル様、梓様の為にも控えた方が宜しいかと。」


「そうなのよねー。まぁ私としては、凛の近くにいられるからこのままでも良いのだけれ、ど!」


棗、樹、柊の3人は、凛から貰った崩土の腕輪を手首に着け、後ろで控えている凛達の近くにいた。

ダークバットは渚と琥珀達の計4人で対処する事になり、その内の数体のダークバットが凛達の方へと向かって行った。

琥珀達が追いかけようとしたが凛の少し手前にいる棗が制し、棗は棘の付いた蔓を自身から伸ばしてダークバット達を倒して行く。


その後棗達はそうやり取りして、ここから動かない事を決める。




「(梓…だったか。こんなに愛くるしい見た目なのにドラゴンとは…。世の中分からんものだな。)…さて、ここから先は私達2人で頑張るとするか。」


「なのです!」


ミゲルは短剣型の火炎と水氷を逆手に、梓はメイス型の崩土をそれぞれ構えて30メートル程先で羽ばたいているダークネスバットへと向かって行った。

ダークネスバットはその大きさの割に素早いらしく、ダッシュしたミゲルよりも早く飛んだ。


直ぐにミゲルの目の前に来たダークネスバットの1体が、右の羽を後ろにやってミゲルをはたこうとする。


「うおっ!?」


ダークネスバットが意外に素早い事に驚いたミゲルは急いでしゃがみ、ダークネスバットの攻撃を避ける。

1体目のダークネスバットはそのまま素通りしたが、直ぐその後ろでは2体目のダークネスバットが口を大きく開け、ミゲルへ噛み付こうとしていた。


「危ないのです!」


そこへ大盾を構えた梓がミゲルの前に立ち、ガンッと音を立てて大盾をダークネスバットへと叩き付ける。


梓が大盾を前に構えた事で3体目のダークネスバットが隙が出来たと判断したのか、梓の右へと回り込んで攻めようとした。


「さっきは驚いたが、そう簡単にやらせる訳がないだろう?」


しかし体勢を整えたミゲルがそれぞれを袈裟、逆袈裟に振り上げて炎と氷の針をダークネスバットへと飛ばす。


ダークネスバットは予想外だったのかまともに受けてしまい、そのまま息絶えた。




ミゲルが3体目のダークネスバットを倒している間に、梓も大盾を叩き付けた後にズルズルと滑り落ちた2体目を倒していた。


自分以外がやられた事に気が付いた1体目のダークネスバットは慌てて逃げようとするが、ミゲルの放ったフレイムスピアによってあっさりと倒されるのだった。

この話を書いた後に、ミゲル達とダークネスバットの戦いがなんちゃってジェッ○スト○ーム○タックになってしまった事に気が付きました(苦笑)

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