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ゆるふわふぁんたじあ  作者: 天空桜
辺境都市サルーンを取り巻く者達編
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171話

「今後は藍火先輩達を止められる様に、私も強くなるのです!」


訓練の後半、ひたすら皆に撫でられて宥められていた梓が立ち直ってそう言った。


しかし凛を含めて周りから偉いねーと言われながら撫でられると、先程のキリッとした表情から一転してくすぐったそうにする。




「いやー楽しかったっすね!たまには本来の姿で戦うのも良いかも知れないっす!」


「とは言え、藍火は結局私に勝てなかったがな。」


「うぐっ!だって、猛の体硬過ぎっすもん。皆がいる場所で蒼凰そうおうを使う訳に行かないっすし…。それに、渚ももう少し頑張って欲しかったっす。」


「ちょ!私のせいなの!?藍火こそもっと頑張ってよ!!それに、私の動きに全く合わせる気が無かったでしょー!?」


訓練の後に藍火が楽しそうにそう言うも、猛が冷静に突っ込んだ。

藍火は言葉に詰まった後、じと目で渚を見てそう言う。

渚は目を見開いて叫び、藍火と2人でギャーギャー騒ぎながら浴室へと向かって行った。




「それじゃ、今日は洞窟でミゲルさんと梓を中心に魔物を討伐して行こうと思います。…とその前に、ミゲルさんにはアズリールソードブレイカーを2本と、火炎かえん水氷すいひょうの短剣を渡しますね。梓にはアズリールメイスとアズリールラージシールド(大盾)、それと崩土ほうどメイスを渡しておくね。」


凛は訓練が終わって直ぐに自室へと向かい、30分程作業をしていた。

その為いつもより少し遅い、午前8時半過ぎに凛達は死滅の森中層にある洞窟へとやって来た。

今回やって来た洞窟は、渚達や流達がいた湖から南東に200キロ程進んだ所にあった。


湖からは東か南へと進む事が主で洞窟に気が付かなかった事と、森羅万象でサーチの範囲が広がった事で洞窟の場所が分かった事、たまには違う所へ行ってみよう言う事になった。


今回のメンバーは凛、美羽、火燐達とライム、琥珀達、棗達、それとミゲルと梓の14人と1体だ。


凛は到着して直ぐにそう言って、4本の鞘に収まった状態の短剣をミゲルへ、黒がかった銀色のメイスと大盾を梓へと渡した。


ミゲルに渡した4本の短剣の内、2本は梓と同じ黒銀こくぎん色のソードブレイカーとなっている。

ソードブレイカーは普通の物に比べて少し厚みを持たせている為、相手の刃物武器を破壊しやすくなっている。


凛の言うアズリールとは、『アダ』マンタイトとミス『リル』を主とした合金の事だ。

凛は色々と考えた結果、アダマンタイトとミスリルの合金をアズリール合金と呼ぶ事にし、それを元にして作った武具をアズリールシリーズと呼ぶ事にした。


アズリールシリーズは元々頑丈に作られているのだが、魔力を纏わせるとより硬く軽くなる様に設定してある。

ミゲルと梓に渡したのはソードブレイカーとメイス、ラージシールドだが、他にもダガーやソード、ハンマー、ロッド等がある。




火炎、水氷、崩土、それと飆風ひょうふうは、火燐(炎神化・)達が(水神化・)進化(土神化・)した(風神化の)おかげで作れる様になった強い属性武器の事で、武器に魔力増幅効果を持たせてある。


凛は数日前に紅葉のはやてあくつ、暁の不動、篝の炎刀・ほむら等の改良を終わらせ、その後ベースとなる4つの属性武器を作った。

領地にいる者の殆どが扱えるのが1~2属性の為、ある程度強くなった者が得意としている属性の武器を1つ或いは2つを渡して行くつもりだ。


尚、凛は火炎、水氷、飆風、崩土については、現段階での各属性武器の総称と言う事にするのだそうだ。

属性武器は短剣やメイス以外にも片手剣や大剣、槍等もある。

例えば炎属性の片手剣なら火炎の剣か火炎剣と言った感じで呼ばれる様になる。




「これは!!…凛様、私(ごと)きがこの様な大変貴重な物を頂いても良いのだろうか?」


「ダメだったら最初からミゲルさんに渡さないよ。今後は銀級迄は量産品、金級でアズリールシリーズ、そして魔銀級になったら火炎等の属性武器を皆に渡していくつもりだよ。2人にはテストも兼ねて先に属性武器を渡したんだ。ミゲルさんは炎と水に適性があったんだよね?」


「それはそうだが…。成程、ありがたく頂くとするよ。ああ、美羽様に調べて貰った後に、火燐様と雫様に加護を頂いた事でかなり炎と水を扱える様になった。…凛様、このアズリールソードブレイカー?とやらは一体?」


「ああ、それじゃ洞窟を進みながら説明しようか。ソードブレイカーって言うのはね…。」


ミゲルは凛から受け取った4本の短剣が、鞘に収まっている状態でも凄い存在感を放っている事に驚いた。

そしておずおずとしながら凛へと訪ねた事で、凛は苦笑いを浮かべる。

凛はミゲルにそう言った事で、ミゲルは幾分か緊張が和らいだ様だ。


ミゲルは凛へ尋ねると、凛はミゲルと先頭を行く形で洞窟を進みながらソードブレイカーの使い方を説明し始める。


「やったのですー!私も武器が貰えたのですー♪」


「良いなぁ…。」


その間梓は凛から貰ったアズリールのメイスとラージシールド、それと崩土メイスを上に掲げ、嬉しそうに小躍りをしていた。


その様子を渚が羨ましそうに見ていたのだった。

アズリールは某ゲームがやたら強い兄妹の作品に出て来る天使とは全く関係ありません(苦笑)


火炎は焱や燚等で表記したかったのですが、常用漢字ではない為断念、、、

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