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ゆるふわふぁんたじあ  作者: 天空桜
辺境都市サルーンを取り巻く者達編
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168話 42日目

2日後の42日目


「ミゲルさんに僕の加護を与えておくね。色々と役に立つと思うよ。」


「…これは!そうか、成程。トーマス達が強いのは凛様の加護が含まれていたからだったのだな。」


凛は昨日の朝食後にミゲルを呼び、ミゲルに凛の加護を与えた。

凛は加護の効果として強くなりやすい等がある事を伝える。

ミゲルは凛の加護を与えられて直ぐに分かったのか、納得した様にして言った。


その後ミゲル達10人は纏まって行動し、領地周辺の魔物の間引きを行う。

その際にサルーンから死滅の森へ入った冒険者達がいる事が分かると、ポータルを使いミゲル達は冒険者達の近くに移動する。

そしてミゲル達は冒険者達にこのまま真っ直ぐ領地へと向かわない様、やんわりと方向転換をする事を促していた。




「凛様。今日は凛様から頂いた加護(サーチ)を使い、30分毎にサルーンの様子を見ていたんだ。するとサルーン内のあちこちで、赤で表示された同業者と思われる者達が集まっては離れていく様子が見えた。恐らくなんだが、近い内に何かが起きるかも知れない。」


「そうなんだ?全然気が付かなかったよ。ミゲルさん情報ありがとう。」


ミゲルは昨晩の夕食後に凛の部屋を訪ねてそう言うと、凛はそう言って思案顔になる。


「いや、ここに置かせて頂く以上、少しでも役に立たなければな。…それでなんだが、今後は私達が怪しいと思われる(赤で表示された)者達の相手をして行きたいと思っている。」


「ありがたい申し出だけど…、それだとミゲルさん達が危険過ぎるよ。」


「しかし…。それでも凛様達やアルファ(1番機)様達の手をわずらわせる事は、自分が納得出来ないんだ。私がサルーンで見た時は部下と同じ位か、それ以下の強さの者達ばかりだった。私は凛様の加護を頂いたし、私達はステラ様やクスィー(14番機)投擲とうてき術を少し学ばせて貰った。それだけでも2、30人位なら充分に渡り合えると思っているのだが…。」


「んー…、それでも心配だなぁ。実は僕達、朝食の前にも訓練しているんだ。良ければ明日、ミゲルさんも参加してみる?」


ミゲルがそう伝えると凛は心配な表情になりながら話す。

ミゲルは少し必死になりながら説明を加えるも、それでも心配な凛はミゲルにそう訪ねた。


その後も凛とミゲルは話し合い、翌日の早朝訓練にミゲルが参加する事になった。




翌日の午前4時前、ミゲルは準備を済ませ早朝訓練に向かおうと自分の部屋を出る。


すると部屋を出て直ぐに、たまたま早く起きて用を済ませたトーマスとばったり会ってしまう。

トーマスは家の中にも関わらず、今から戦闘しに行く様な黒い衣装姿のミゲルを不審に思った。


「ミゲル、その格好でどこに向かおうとしてるんだ?(サーチの)反応を見るに、他の人達は自分の部屋にいるみたいだしな。」


「あ、いや、えっとだな…。」


トーマスがミゲルに近寄って問い詰めると、ミゲルはトーマスに近寄られた事で恥ずかしくなったのかしどろもどろになる。

トーマスはミゲルを問い詰めた結果、ミゲルはこれから早朝訓練に向かうと言う情報を得る。


トーマスは自分も早朝訓練に参加したいと思ったのか急いで自室に戻って準備を行い、ミゲルと共に訓練部屋へと向かう事に。




「凛様おはよう。ついさっきミゲルに会って、今日から早朝訓練に参加するって聞いてな。俺も参加しても良いか?」


「トーマスさんおはよう。4時を過ぎたのにミゲルさん来ないなと思ったら、トーマスさんに会っていたんだね。やる気のある人は大歓迎だよ!ミゲルさんも宜しくね。」


「会ったと言うか会ってしまったと言うか…。こちらこそ宜しく頼む。」


凛達はミゲルがトーマスに会う少し前から訓練を始めていたのと訓練に集中していた為、ミゲルがトーマスに会った事に気付いていなかった。


トーマスが凛に挨拶して要件を伝えると、凛も挨拶を返す。

凛はニコニコしながら言うと、ミゲルは複雑な表情で言った。


そうしてこの日からミゲルとトーマスが早朝訓練に参加する事になった。




ドゴォォォォン


その直後、火燐が爆炎斬を放ち強硬石の鎧の的全部を粉々に吹き飛ばした。

爆炎斬は直径2メートル程の爆発ではあるが、威力が超級魔法位に迄上がっていた。


「火燐ちゃんその技強くなった?ボクじゃ火燐ちゃん程の威力は出せないからなー、少し羨ましいかも。」


「いや、確かにクトゥグアに進化して爆炎斬の威力が上がったけどよ…。いくらオレ達が強い技を仕掛けようが、美羽や凛みたいに時間を止められたらどうしようも出来ねぇよ。オレからすれば何でも出来るお前らの方がよっぽど羨ましいぜ。」


的に爆炎斬を放った直後、バックステップで距離を取った火燐の元へと来た美羽がそう言った。

しかし火燐は凛と美羽は短時間なら時間を止める事が出来る事と、見える範囲なら瞬間移動出来る事を知っている。

その為、何言ってんだこいつと言いたそうな表情で美羽に返事をした。


「「………。」」


強硬石の鎧の的が非常に硬い事をトーマスとミゲルは知っていたが、普通の訓練の時では強硬石の的が粉々になるのを見た事が無かった。

その為美羽と火燐、それと粉々になった的を見て呆然とするのだった。

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