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ゆるふわふぁんたじあ  作者: 天空桜
辺境都市サルーンを取り巻く者達編
158/594

154話

ルーカス達が領地を出て30分後


その間凛と美羽はウタル達の元へ向かい、一緒に作物の収穫をしていた。


その後サーチを使ってルーカス達が充分に離れた事を確認した凛は、土魔法で領地の最北端を起点として領地を囲う様に10メートル程の高い塀を建て始める。

凛は反時計回り、美羽は時計回りでそれぞれ進み、やがて塀を完成させる。


そして東西南北とその間の計8ヶ所だけを通れる様にし、通れる所の前にそれぞれ『この先私有地につき関係者以外立ち入り禁止』と書いた看板を立てる。

今回は防衛では無く、入口を絞る事と看板の存在に気付かせて遠ざけさせる事を主な目的としている為、塀の厚さは2メートル程とした。




凛は今回ルーカス達が領地へと入って来た事で今後も同様の事が起きるだろうと判断した。

ルーカス達は話して分かる人達だったから良いが、冒険者と言う者は人の話を聞かないでやりたい事をやる者の方が多い。


凛は少しでも見知らぬ人達を領地の中へ入れない様に、或いは入ったとしても一度に沢山入っては来れない様にしようと領地の周りを塀で囲う事を決める。

今回は塀をそこまで厚くしなかった事に加え、軽く空を飛んで作業を行った事と少し作業に慣れた事もあってか1時間程で凛と美羽は作業を終える。

作業を終わらせた2人はウタル達の様子を見に戻るのだった。




「商店や喫茶店、それにホズミ商会なる建物を破壊しようとしたが監視の目があって出来なかっただと!?お前達、やる気があるのか!!」


「申し訳ありません。」


「破壊が駄目なら従業員を捕まえて脅せば…」


「先日もご報告した通り、部下が実行しようとしたのですが奴等は正確に我等の存在を認識していた為断念致しました。それに何やら街の警備が強化されている様子。他の同業者も動けずにいる様ですし、ここは我等も同じ様に静観すべきと愚考ぐこう致します。」


「ぐぐぐ…。」


一方その頃、マルクトはカーヴァン伯爵に献上する為にあの手この手でアイテム袋を購入者以外の者でも使える様にしようとするが、中上手く行っていない様だ。


昨日商店の外でトーマスが作業をしていると、ナビから暗殺者に狙われていると報告があった。

トーマスは直ぐにサーチを展開し、作業をしながら暗殺者の方へと意識を向けていつ暗殺者が来ても対応出来る構えでいた。

その事が暗殺者側に伝わったらしく、例え別方向へ回り込んだとしても正確に暗殺者達の場所を把握していると判断された様だ。

暗殺者達は断念したのか、トーマスからゆっくりと離れて行った。


その報告を聞いたマルクトは、歯を食い縛りながら唸る事しか出来なかった。




仮に暗殺者がトーマスを襲ったとしても、金級の強さを持つ暗殺者の隊長以外でなら複数人でも良い勝負が出来る位にトーマスは上達していた。

襲われて直ぐにトーマスが油断して殺される等さえしなければ、その間に応援であるオミクロン(15番機)達が駆け付けて相手を捕縛する流れとなっている。


つい先日もどこかの貴族の付き人が、深夜に商店の壁を破壊しようとして炎系中級魔法のフレイムスピアを放つも、壁は傷1つ無く綺麗なままだった。

その付き人は更に魔法を放つべく魔法の詠唱を始めようとするが、ナビの指示により(凛へは態々《わざわざ》知らせるまでもないとナビに判断された為)わざと付き人を泳がせていたオミクロン達が付き人を取り囲んだ。

付き人は急いで逃げようとするも呆気無くオミクロン達に捕まり、魔法を発動してから取り押さえられる迄(わず)か30秒程と言う超スピード逮捕をやってのけた。

付き人は捕まりたくないので取り押さえられた後も必死に抵抗するが、華奢きゃしゃな見た目に反して力があるオミクロン達に敵う筈が無く、全く身動きが取れないまま詰所へと連行されて行った。


又、トーマスやニーナ達以外の従業員でサルーンに住んでいる者達に対し害を与えようとした者がいたが、こちらも事前にサーチを展開して分かっていたオミクロン達が防ぎ、持っている凶器等が決め手となりこちらも即時逮捕となった。


これにより商店及び喫茶店を破壊、或いは従業員を害しようとする者はいなくなる。


他にも万引きまがいの事をしようとした者がいた。

しかし会計に備えてあるスキャナーの様な物で商品の後ろにあるバーコードの様な物を通さないと、開封出来なかったりアイテム袋へと収納出来ない仕様となっている。

更に不正を行うとオミクロン達へと連絡が行く仕組みになっている為、店を出て数分で詰所へ連行されて行く者も少なくない。




オミクロン、それにパイ(16番機)ロー(17番機)の3体は、雫がアイテム袋の販売の手伝いを行った後に凛へ報告した事で用意する事になった。

オミクロン達はアルファ達と同じ強さで、クラシックタイプのメイド服に身を包んで警棒の様な物と紫水の糸を編んで作った捕獲用ネットを用いて警備にあたる。

普段はホズミ商会の中にいるが、派遣と言う形で有事の際にサルーンの警備と協力する事となった。


「凛殿!オミクロン殿達のお陰でサルーンの犯罪率が激減しました!ありがとうございます!」


オミクロン達が警備に加わる事でサルーンの警備が強化され、犯罪そのものが抑えられる様になった。

その結果凛はアルフォンスから非常に感謝される事になるのだった。

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