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ゆるふわふぁんたじあ  作者: 天空桜
辺境都市サルーンを取り巻く者達編
132/594

128話

「軽く自分の事を教えたら取り敢えずは分かって貰えたみたいっす。後は主様にお任せするっすよ。」


「分かった、ありがとう藍火。(えっと…あの子と何を話したのか分からないんだけど、改めて仲間になってくれると言う事で良いのかな?)」


「(勿論なのです!私も藍火先輩の様に強くなりたいので、是非お願いするのです。)」


人の形態になった藍火からそう言われた凛は、藍火にお礼を言った後にランドドラゴンの方を向いて念話を行う。

ランドドラゴンは先程までと違い、やる気に満ちあふれているのかキリッとした表情になっている。


「(ありがとう。名前を知っていると言う事は、藍火が元ワイバーンだって分かって貰えたんだね。君にも人化スキルと名前を与えようと思うんだけど良いかな?)」


「(最後のは良く分からないけど、はいなのです!)」


「(良い返事だね。んー…そうだな、君は他のランドドラゴンに比べて少し小柄だったそうだから、あずさって名前にしようか。僕の住んでいた所に、梓と言う木を用いた梓弓(あずさゆみ)ってのがあるんだ。そこから強さとしなやかさを持って、困難にも負けない人になってほしいって意味も込めて付けさせて貰うね。)」


「(はい…な…の………。)」


「ナビ、梓は寝ちゃったみたいなので人化スキル管理も併せてお願いね。」


《畏まりました。》


「ありがとう。」


凛とランドドラゴンは念話越しに話を行い、ランドドラゴン改め梓は名付けの影響によって眠りにき、ドォォンと音を立てて横に倒れる。

しかし屋敷の前で梓が横に倒れたとは言え、小さな学校の校庭位の広さがあるので建物に被害等は無かった。

凛はその様子を見た後に、少し見上げながらナビへお願いをし、ナビは了承したので凛はお礼を言うのだった。




「マスター、それじゃ眠っちゃった梓ちゃんを名付け部屋へと運んじゃおっか。」


「建てた僕が言うのも何だけど、あの建物にもうちょっと良い名前はないものか…。」


「それじゃ…畳部屋?」


「それもちょっと…。」


凛達はその後美羽、藍火、楓、紫水に協力して貰い、屋敷の近くに新たに設けた倉庫の様な建物…通称名付け部屋へと梓を運んだ。

運ぶ前に美羽が言った事に対して凛が苦笑いを浮かべながら言う場面もあった。


その建物は学校にある様な一般的な体育館を2回り大きくした物で、森林龍(フォレストドラゴン)やベヒーモスの様に体の大きな魔物をこれから仲間にする機会があるかも知れないと思い、凛は屋敷を建てた後に用意した。


開閉が少し大変ではあるが、当然入口も大きくしてあるので梓も余裕で入れる事が出来るし、端の方に勝手口の様な普通の扉も用意してある。

床部分は凛の私室みたく畳の様な物を敷いてあるので、意外と領地の人達のウケが良かったりする。




「(マスターにお客様です。何でも、同じ故郷かも知れない方と仰る方がお目見えになられました。)」


「(!! 分かった、直ぐ行くよ。ベータ(2番機)はそのままその人の相手をしていて。)」


「(畏まりました。)」


凛達が梓を名付け部屋へと運んで少しした頃に、ホズミ商会本部(仮)にいるベータから念話での連絡が入る。


今迄はサルーンの北側に商会があった。

しかし、ホズミ商会に用があって行きたいのだが少し遠いので中心部にも用意して欲しいとの要望が客や住民、それと商会会員から結構上がった。

その為商店から徒歩1分位の所にある、小さな役場位の大きさの物件を購入した後に本部(仮)として建て直し、今迄の建物を支所と言う事にした。


その新たな本部(仮)に同じ故郷…日本人かも知れない人がやって来たと連絡が入ったので、屋敷にいた凛は皆にサルーンへ向かうと伝え、凛は美羽と一緒にサルーンへと向かう。




「お待たせ致しました、僕が代表の凛です。」


「…いえ、こちらこそ急にお邪魔してごめんなさい。僕はステラと言います。…代表なのにお若いんですね。それと、()()()()日本人だった。」


凛がホズミ商会本部(仮)の中にある応接室へと入り挨拶を行う。

応接室の中にいたのはベータとは別に、年の頃は15歳位。

見た目は黒髪ショートの髪型で小柄な女の子と言った感じだが、髪色と同じ黒い猫耳と黒い尻尾を生やし、膝丈位の少しぼろぼろなワンピースの様な服を纏った猫の獣人がいた。


凛が応接室へと入った際に猫の獣人…ステラは凛を見た印象として、役場程の大きさとは言え商会の代表に見えなかったらしい。

その為うにゃ?と言いたそうな少し疑問を持った様な顔をしていた。

しかしステラは直ぐに佇まいを正し、謝罪を行い頭を下げた。


そして頭を上げたステラは、凛の事をじっと見た後に断定する様にしてそう言うのだった。

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