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ゆるふわふぁんたじあ  作者: 天空桜
辺境都市サルーンを取り巻く者達編
129/594

125話

「「おはようございます…。」」


「エルマ、イルマおはよう。無事に進化出来たんだね、おめでとう。」


「「ありがとうございます!」」


昼食が済んで少しした所でエルマとイルマが進化から目覚めた様だ。

2人ともまだ眠いのか少し寝間着(パジャマ)が乱れ、目をこすりながら2階から下りてきた。

互いに挨拶を行い、凛が労うと2人は嬉しかったのか一瞬だけシャキッとなって返事をする。


「…2人共眠そうに見えるけど大丈夫?」


「まだちょっと眠いかも…。」


「ごめんなさい…。」


「自分も眠いっす…。」


「藍火も起きたんだね、おはよう。」


「おはようございますっす…。」


「まあとりあえず3人共、洗面所へ行って顔を洗っておいで。」


「「「はい(っす)…。」」」


凛がエルマ達に尋ねるとまだ眠いらしい。

進化の為に丸2日近く寝ていたのだが、まだ足りなさそうにしている。


続けて起きた藍火は昨日の夜からの進化で目が覚めた様だが、こちらも未だに眠そうにしていた。

その為凛は3人に顔を洗って来る様に促す。


エルマ、イルマ、藍火の3人は古参の部類に入っているからか、美羽が進化したのを見てそろそろ進化しなければと少し躍起やっきになっていた。

そして一昨日揃って進化出来る事を知り、エルマとイルマは互いに手を取り合って喜んでいた。

藍火も昨日になって進化出来る様になり喜ぶ。


しかし今は、早く進化しないとと言ったプレッシャーから解放されたからか、少し燃え尽き症候群におちいってしまっている様だ。




エルマは進化して熾天使(セラフィム)となり身長と髪が少し伸びて、見た目も18歳位に成長して綺麗になった。

後、背中の翼が更に綺麗になり3対6枚に増えた。

今は背中の翼が引っ込んでいるのだが、翼を広げた姿を夕食に領地の皆が揃った時にお披露目をすると歓声が上がったり、中には感動したのか涙を浮かべる者もいた。


エルマはその様子を見て引き攣った表情になる。

しかし自分で確認しようにも翼が見えにくく何と無くしか翼が分からない為、確認しようと思い鏡を使って翼を広げた自分の姿を見た。


「いやいやいやいや!自分で言うのも何だけど、あたし感動して涙を流される程の人物じゃないですよ!?」


こう言って本人は嫌がっているが、黙っていればかなり綺麗なので神々(こうごう)しく見えなくもない。




イルマは悪魔公(デーモンロード)に進化した。

こちらもエルマと同じ様な見た目となっているが、背中の羽が縦、横共に伸びて凶悪なフォルムになった。

それを皆で確認してみようとエルマと同じタイミングで皆に披露するとざわめきが起きてしまう。

イルマはその事を不思議に思い、鏡の前に立って今の自分の姿を見てみる事にした。


「ふえぇぇ…。」


イルマは進化した自分の羽が怖く感じたのか涙を浮かべながら可愛らしくそう言い、直ぐに羽を引っ込めた。

その後余程の事が無い限り、背中の羽を広げて見せる事が無くなった。




そして藍火も昨日になって進化出来る事が分かり、昨日の夕食後から備えて休んだ。

エルマ達の直後に進化を終えた藍火は上位龍(アークドラゴン)蒼炎龍ブルーフレイムドラゴンから、古龍(エンシェントドラゴン)蒼紅炎龍ブループロミネンスドラゴンとなった。

本来ならば金級下位の火竜(ファイアドラゴン)から魔銀級下位の業火龍(インフェルノドラゴン)となる筈だったが、名付けの影響で亜種となる魔銀級中位の蒼紅炎龍となった。

藍火は龍の状態は見た目が少し大きく硬くなっており、人間の状態だと身長が少し伸びて見た目が18歳位になった。


ただ、エルマとイルマも進化して魔銀級中位となった為、3人は同じ位の強さと言える。

エルマとイルマはこれで進化が終わってしまった事もあり、尚更緊張感が抜けたのかも知れない。

藍火は緊張そのものが苦手な傾向にあるので、最近になって蓄積された物が進化によって一気に抜けた様だ。


3人は顔を洗って少し目が覚めたのか少し遅めの昼食を摂る。


因みにトルテは連れて来たハーピィクイーン達を案内しようとして、領地内を回っている所だ。




「マスター、ただいまー♪」


「…だぁー!邪魔が入った影響で、またあのベヒーモスに逃げられたぜ!!」


「火燐、どんまい。」


「う・る・せっ!良いよなー、雫と翡翠は進化出来る様になったんだからよー!」


「ともあれ賭けは私の勝ち。最下位の火燐は私にこの後プリンを渡さなければならない。」


「ぬぐっ!…よくよく考えたら炎属性で基本的に単体攻撃のオレって、元々不利だったんじゃね?(じっ)」


「………。(すっ)」


「あはは…火燐ちゃん、楓ちゃんごめんね?」


「私は気にしてません…。それに一気に進化して戦力が分散するより良いですし…。」


「ありがとー楓ちゃん!」


そこへ美羽、火燐、雫、翡翠、楓の5人が帰って来た。

美羽達以外の戦闘組は、先程帰って来たので凛やトルテ達と共に昼食を済ませている。


美羽はにこにこしながら右手を上げて、

火燐は悔しそうに口を少し尖らせた後渋い顔になり、

雫は少しどや顔で、

翡翠は右手を後頭部にやりながら苦笑いを浮かべた後、嬉しそうにしながら楓の右手を両手でがしっと掴み、

楓はにこっと笑いながらそれぞれ言った。

それと火燐は今頃になって気付いた様で雫の事を見るが、雫はあからさまに顔を背けて黙ってしまう。




話は午前11時過ぎに戻る


凛は屋敷のポータル越しに自動で発動するサーチにて、トルテが帰って来るのが分かった為先に帰宅した。

凛は後の事を美羽に任せたのだが、凛がいなくなって少しした頃に火燐が今いる現在地からサーチ内の離れた所にベヒーモスがいる事を掴んだ。


「おっ、ベヒーモスがいるじゃねぇか!この間のリベンジマッチと行こうじゃねぇかっ!!」


「あ、ちょっと火燐ちゃん!!紅葉ちゃんごめん、ボク達も火燐ちゃんの後を追うのでここを任せるね!」


「分かりました。皆様、気を付けて下さいね!」


「ありがとう!雫ちゃん、翡翠ちゃん、楓ちゃん、火燐ちゃんを追い掛けるよ!」


「うん。紅葉、ライムを宜しく。」

「急がないとだねっ!」

「はい…!」


火燐はベヒーモスがいる所へと突っ込んで行ったので、美羽は紅葉に残りを任せて雫達を連れて火燐を追い掛ける事に。

その際に雫はライムを紅葉へと預けた。

紅葉に預けられたライムは生活に慣れて来たのか体の一部をにゅっと伸ばし、雫が向かって行った方向へと手を振る様にして少しの間動かしていた。

紅葉はそんなライムが可愛く思えたのか、ライムを撫でていた。


紅葉は美羽達が火燐の元へ向かっている間に、念話で凛へと事情を伝えている。

凛は一瞬心配になったが美羽がいるから大丈夫だと判断し、そのままトルテを迎える構えを取った。




その後少しして美羽達は火燐に追い付いた。


「お、追い付いたな。あー…少しだけ距離を取っているが、ベヒーモスの周りに結構な金級、それと少しだが魔銀級の魔物もいるな。これなら一気にオレ達も進化に近付けるかも知れねぇぜ!」


「全く火燐ちゃんは…。とは言え、久しぶりにこのメンバーだし競争してみる?負けた人が買った人に今日の昼食のプリン1個ね♪」


「ちょ、待てよ!!美羽、お前が本気になったら誰も勝てねぇじゃねぇか!」


「(クスクス)大丈夫だよ♪ボクは倒さないで皆のフォローをするか、らっ!!」


「へへ、それなら期待に応えないと、なぁ!!」


火燐が左後ろをチラッと見て美羽達が来た事を確認し、走りながらサーチを使いニヤリと笑いながらそう言った。

どうやら火燐は美羽達が付いて来るだろうと思っていたので、途中から少し速度を落としていた様だ。


美羽はもぉー、と言いながらも、久しぶりにこの5人で戦闘に挑むので何か目的を与えようとルールを設けた。

火燐は慌てて止めようとするが、美羽は今回サポートに徹する様だ。

早速美羽が言い終わる前に金級の土竜アースドラゴンがこちらを攻撃しようとしたのでとん、と斜め前方に跳んで避けた。

その直後に美羽が参戦しない事を安堵した火燐が話しながら斬り伏せる。


それを皮切りに戦闘が始まったのだった。

本当は火竜からの進化を灼熱龍としたかったのですが、バーニングよりもインフェルノの方が響きが、、、(苦笑)


後、決して土竜からルビを取って読まないで下さいね?w

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