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ゆるふわふぁんたじあ  作者: 天空桜
死滅の森開拓&サルーン都市化計画編
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112話

「………(紅葉とか言う者も相当見た目が良いと思っておったが、この者は更に上の様じゃな。そして何より、今迄に見た中で最も強い!ルルを預ければもしかしたら…)。初めまして、儂はロイドと言う。凛殿と言ったか、ルルの事を宜しくお頼み申す。」


ロイドはわずかではあるが凛を見て考えた後、キリッとした表情で凛へ挨拶を返し頭を下げた。


その後凛とロイドは軽く話し合う。

紅葉達はそんな凛の様子をみながら、いつも一緒にいる筈の美羽がいない事を疑問に思った様だ。


その中で凛が自分が男である事を伝えるとロイドは驚いた。

ロイドは信じられ無かった為に周りを見渡して確認しようとするが、ルルを含めた一同が頷いたので信じるしか無かった様だ。


凛はルルに自分の配下になってからやりたい事をロイドと話し合って決めて欲しいと伝える。


すると2人は話し合いを始めたので凛はそこから一旦離れ、紅葉達の元へと向かう。




「美羽がベヒーモスを倒した事で進化出来る様になったんだ。そのまま屋敷へ帰ってから少し早目の夕食を済ませた所で紅葉から連絡が来たので、美羽に風呂を済ませた後に部屋へ戻って休む様に伝えてこちらへ来たんだよ。」


「左様でございましたか。それは大変喜ばしい事ですね!」


「そうだね。美羽が無事進化出来たらお祝いしないとだね。」


「私達も是非参加したく存じます。」


凛が説明すると紅葉も嬉しいのか、自分達も美羽のお祝いに参加したいと言った。

暁達を見ると紅葉と同意なのか頷いたので、凛はそうだね…と考える素振りを見せる。


「気持ちはありがたいけど、ここで直ぐにポータルで帰るってなると不自然に思われるよ。王都を出てから少し離れた所で移動するってのは有りだとは思うけど、ゴーガンさんやオズワルドさん達を置いて行く訳にはいかないからなぁ。そう言えばオズワルドさん達は…ってここから直ぐ近くにいるみたい。今も他の人達を連れてこっちに向かってるね。…っと、向こうは僕がここにいる事を知らないんだった。ゴーガンさん、一旦僕は隣の部屋に移動しますね。」


「うん、分かった。」


凛は少しロイドとルルへ目配せしてからゴーガンへそう言った後、ポータルが設置されている隣の部屋へと移動し、扉に背中を預けて体育座りをしながら待機する構えを取った。




「やはりこちらでしたか。紅葉様…と仰いましたね、こちらのオズワルドからこの袋の様な物は貴女様から頂いたと伺っておりますが、相違ありませんか?」


「はい、間違いございません。そちらの小さな袋は私がオズワルド様にお渡し致しました。」


「……はぁ~。紅葉様はこの袋が今迄の常識をくつがえす物だとお分かり頂いた()()、オズワルドに渡して私達に見せたと仰るのですか?」


「はい。その通りでございます。」


『(ざわっ)』


商業ギルド本部の代表を先頭に、オズワルドを含む複数人がロイドの作業部屋へと入って来た。


部屋に入った後も慌てたままオズワルドへ袋を渡したかの確認を紅葉へ行い、紅葉はそれを肯定する。


代表は盛大に溜め息をついた後、少し真面目な雰囲気(本人はそう思っているだけで、一緒に来たオズワルド達は雰囲気に呑まれて大分緊張している)で再度紅葉に尋ねる。

これも紅葉が肯定した事で商業ギルド側がざわついた。


因みに、サルーンを出てから王都迄一緒にいた商人はここ王都に住んでる家がある様だ。

商業ギルドでの用事が終わるとさっさと帰宅したのだった。


「…分かってやっておられるのでしたら、この袋や中身の価値についてもご存知なのですよね?でしたら、紅葉様は何故この様な真似をなされたのですか?」


「一言で言えば皆様に知って貰う為、でございますね。」


『はい?』


「(普通、やっぱりそう言う反応になりますよね…。)」




代表は理解出来ないと言った表情で紅葉へと尋ねるが返って来た答えが予想外だった為、オズワルドを除いた商業ギルド側の人達は頓狂とんきょうな声を上げる。




紅葉達が王都へ訪問した際に商業ギルド本部に空間収納付きの小さな袋を渡した事で、サルーン以上に商業ギルド内が騒然となる。

限定した物しか入らないのは難点だが、それでも成人男性が抱えきれない量をこの小さな袋に纏めて入れられるのは大きな利点だ。


中身を含めた一式をギルド員同士で話し合うが、未知の存在の為に当然答えが決まる事は無かった。

このままここにいてもそれほど意味は無いと踏んだ代表は先程オズワルドに紅葉から渡されたと言っていた事を思い出し、紅葉を探すべく移動を始めた。

オズワルドや商業ギルド本部の偉い人達も慌てて代表に付いて行く。


そして鍛冶ギルドで紅葉を見付ける。

代表は紅葉へ騒然となる事を見越した上でこちらへ知らせようとしたのかを尋ね、紅葉は何事も無いかの様に肯定する。

オズワルドを通じて自分達へ見せたり口にさせた理由が予想もしていなかった言葉だった為、オズワルド以外のギルド員は唖然としてしまった。



オズワルドは自分以外のギルド員の反応を見て、初めて聞いた時は似たような反応だったが自分も多少免疫が付いたんだな…と内心そう思うのだった。

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