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金木犀が降ってきたら

作者: 柚木海

金木犀の香りを探す


君との時間に流れてきた香り。


秋に包まれた君の影には僕はもういないと聞いた時

きっと同じ大きさで咲く金木犀のように

僕は君に何も伝えれなかった。


ただただこの甘い匂いを忘れないでと

願うばかり。


またね、とさよなら言う君に

うなずけない僕にくれた君との約束


金木犀が咲く頃また逢いましょう


甘い優しいこの香り

沢山咲いて君を包んで


すべてが他の誰かに包まれる前に


金木犀が降る前に君いに逢いたい


金木犀が降ってきたら僕は

記憶の中の君から消えてしまう


金木犀が降る前に君に伝えたい


僕を消さないでと。


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