夜ごはん
「っっっ?!…」
本部で待っていたのは、衝撃だった。
通常補給に戻って来る時には戦闘員1人につき1人担当がつく。そして、それをまとめるリーダーが居るのだが。
なぜ、僕が驚く事になったかと言うとなんと…
なんと結がリーダーとして指揮をとっていたのだ。
「おい、結ちょっとやめろその場を離れてくれ!お願いします。頼みます!よろしくお願いします!何か起きてしまう前にっ!」
「なんで?」
なんだと…自分の特性を知らない…だと…
「いいからそこを離れろ!」
「…やだ。」
「なにっ…」
「いいからこっち来て。他の人は、準備室B.C.D.Eに入ってください。」
「いや、だから…ちょっとまて…うぁぁぁぁ…」
結に引きずり込まれるように準備室Aに連れ込まれた。
♢
「フゥ…」
結がわざとらしくため息をついた。
「おい、なんで結がリーダーやってるんだ。」
「祐に夜ごはんつくってあげようかなーと思って、ここにあるよ。」
ふーん…
「…………?!」
マジかよ。
僕が今まで見た結の料理とは…
ヘドロ状だったり…
金属みたいな硬さだったり…
まぁ食べ物とは、言えない物だった。
そして僕は、無理矢理食べさせられて毎回のように倒れて入院してたな。
ところが結が指をさした先にあったのは、なんとちゃんとしたディナーだった。
いやいやいや。
ちょっとまて。
それでも、ちょっとまて。
「なんでバイキング式なんだよ!」
見た感じ30種類ぐらいの食べ物が並んでいた。
「えーと、久しぶりに私の料理食べさせたいなーとおもいまして。そしたら作り過ぎちゃって。」
いや、作り過ぎだろ。一つの料理につき山のようにあったぞ。そして、なんでそのテンションなんだ。俺が出る前の事が無かった様なテンションだな。
「多いだろ!」
「食べて…くれないの…?」
結がわざとらしく暗くなっていた。
「っ…食べればいいんだろ。」
こうして、僕の第2の戦いがはじまった。」
♢
「やめて…もう限界…」
「いや、もうちょっといけるでしょ〜」
結がさらに唐揚げを差し出してくる。
「もう…無理…」
「えーまだこんなに、残っているじゃーん。」
「僕は、精いっぱいがんばった。1キロは、食べた。」
残っているのは、その10倍ぐらいある。どうやったらその山のような、食べ物を消費出来ると思ったんだ?
まったく…
「無理なもんは、無理。いまから作戦会議だからついてくるなよ。」
「うん…わかった。」