第六章⑩
コプリ広場の中心から噴出したファンダメンタル・ピュア・ゴールドは、今まで見たことのない虹の色を作り出していた。
そしてそのゴールドを、マイコは浴びた。
星屑のように落ちてくるゴールドを。
紅華は浴びた。
襟にそって交差した胸元の黒く太いラインが、金色に光り輝く。
無限に近い、エネルギアが、紅華に充填された。
そして、紅華から、一度蒼葉を経由し、マイコの中に、エネルギアが流れ込んできた。
そう、本来はこうやって、紅華を中心に循環するのだ。
マイコ自身のエネルギアは必要ない。
マイコは、その流れ込んでくる膨大なものをコントロールすればいい。
難解だ。
予想以上に、膨大だ。
しかし、マイコには可能。
しかし。
マイコは、未来のことを考えてしまって。
苦笑い。
コレは。
コノ、長年に及ぶ、伊予宇和島の計画は。
この『紅華計画』は。
紅華の完成によって……。
……いや、まだ、分からない。
これからの世界。
何が起こるかなんて分からない。
分からないことだらけじゃないか。
判断を下すのは、時期尚早。
紅華は産まれたばかりなのだ。
紅華の可能性は、無限だ。
幾通りの可能性を秘めている。
不可能を可能にする、炎の華。
それが、紅華だ。
だから。
しばらく余韻に浸っていても。
いいよね?