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【あとがき】
最後までお付き合いいただき、誠にありがとうございました。
本作『滅』は、これにて完結となります。
「法で裁けぬ悪」という、現実でも抱えざるを得ない葛藤を、人知れず消し去る影の存在。そんなダークヒーローを描きたいと思い、この物語を綴ってきました。
主人公である『滅』は、正義の味方ではありません。
彼は妹を消してしまったという消えない罪を抱え、その贖罪として他者の罪を焼き続けています。誰にも知られず、誰の記憶にも残らない。それは救いであると同時に、世界で最も孤独な刑罰なのかもしれません。
物語の最後、彼は再び雑踏へと消えていきました。
もし、あなたの周りで「理不尽な悪」が消え、誰もその犯人を覚えていないとしたら……それは、今もどこかで彼が、青い炎を灯しているからかもしれません。
皆様の心に、少しでもこの「影の存在」が残れば幸いです。
執筆にあたり、応援してくださった読者の皆様に心より感謝申し上げます。
また別の物語でお会いできることを願って。




