生まれ変わって
夜九時半。仕事が終わり、コンビニで飯を買って帰宅途中。
パーァ!!「え?」ドゴーン!
俺は宙に浮いた。痛みはないというより感覚が…ない?病院か、少し寒いな。俺死ぬんだな
いい人生だったとは言えないなぁ。最後くらい良い死に方が良かっ…ピコン…ピ…コン……ピーーー
「∃μΖμ∧∴φ∇∏∠μ!!」
「∀∀∋Λ∂∂Λ」
茶髪ロングの美人だ
「∆⊂∃∠Ν∷∨Ε」
顔立ちの良い茶髪イケメン。クッソ羨ましい
「∋Λ∂∂∷∨∩」
おい触んなイケメン。俺は怪我人だぞ。
俺は手を振り払おうとした。届かない。
手が小さい?
「うぁぁ?うぇぇぇーー!」
生まれ変わって三年。
ここの世界で俺はディーク•グレーシアというらしい。それなりに歩けるようにはなってこの世界の言語も覚えてきた。外国語と何ら変わりない。話は変わるがこの世界には、魔術と呼ばれるものが存在する。あの漫画とかのやつだ。ということはこの世界には色んな種族がいるっていうこと。ぐふふふ、あぁ楽しみだぜ!幸いこの家は裕福な方で本が沢山ある。
「確かここにあ、あった」
魔術というのは三種類あるらしい。無詠唱魔術、詠唱魔術、魔法陣。無詠唱魔術は発生が早い代わりに威力が弱くなる。詠唱魔術は発生が遅い代わり威力が強い。魔法陣は魔力を持たない人でも使用できるようになっている。イイね!魔力量は使用すればするほど上がるそうだ。極稀に生まれつき魔力量がとても多い人が生まれてくるそうだ。そして禁忌と呼ばれる魔術が存在する。闇魔術、転移魔術、そして死の魔術。うーわ恐ろしいね。
「みんなー!ごはんよー!」
「今行きまーす。」
この世界のごはんは日本ほどではないが、美味しい。
「いただきまーす!」
父さんは剣士だ貴族の護衛をしていたんだとか、母さんはなんだろう。魔術が上手だからそのへんだろう。まぁふつーの家庭だな!
「ごちそうさまでした。」
よし魔術のお勉強をしよう。
初期の魔術を使ってみようと思う。
「最初は詠唱魔術の方が良いらしい。」
「よし。」
「清浄の水よ、我が意志に応えよ。流れを凝縮し、鋭き刃と化せ。アクアランス」
俺が出した水魔術はふにゃふにゃだった。壁に当たって弾けた。水だ。
「すげー!!すげー!!できた!できた!」
「ディークあなた魔術に興味があるの?」
「母さん?」
「魔術っていうのはただ魔力を極めればいいわけじゃないわ。」
「どういうこと?」
「調節が必要なのよ。」
魔力の調節。さっぱりわからん。やれと言われてできるほど俺は優秀じゃないな。
「力を抜いて、」力を抜いて。「感じる」
目の前の壁に水の槍が刺さった。水は弾けた。「これが無詠唱?」
「そうよ。それが無詠唱魔術だよ。」すごい
「母さんってなんで魔術が詳しいの?」
「それは昔魔術の先生してたのよ!」
先生。この世界にも学校があるのか。
「気になる?」
「いいえ気になりません。」嘘である。