無事でいられる保証はない
天使 Side
二人が消えた瞬間そこに別の気配が現れた。
神々しいまでの存在感に体が自然とひれ伏してしまう。
このような存在は、一人しか知らない。
この世界の神。
全天使たちの主であり絶対的な存在であるそのお方が、
この場に降臨された。
普段は気配を抑えて降臨してくださるし
割と温厚な方だが………
今は口を出すことはできぬほどのプレッシャーが体全体にのしかかる。
それほどまでに、今の神がお怒りであるのだ。
それほどまでに今回の二人の件は主にとって許せないのであろう。
主は自分の世界を大切にしている方だ
神自身がかなり過干渉する世界もあるが、
この世界は神の存在を重視はしているが、人間たちや生き物たちが自らの力で乗り越え進化していくことを望んでいるため、神の声を伝えることもない。
そのため、信仰心が力となる神にとっては弱体化してしまうのだが、
この主様はそれでも人々が自らの力で生きていくことに価値があると信じそれを貫いてきた。
まさかそのせいで、女神に干渉されているのに気づけずどうにかしようとしたが力が足りなかった。
女神の世界は、女神が過干渉しまくる世界のためかなりの信仰心があるのが今回最悪の結果となってしまった。
まぁ、あの女神は自分がチヤホヤされたい、綺麗な人間にを侍らしたいなど自分本位な考えしか持ってはいないがそれをうまく隠しているためずるがしこい。
一切、自分の信者たちのためなど考えていないだろうに………
だが、力だけならそこそこあるのだ。
そのため、主様だけではどうにもできなかった。
主様が慎重に何億年という長い年月をかけて育てた世界いわば子供のようなもの
その子供が悪意あるものに攻撃されて怒らないものはいないだろ。
そして、私自身もそんな優しく温厚な主様の大切なものを傷つけられたのだから怒っているのである。
今回は、創造神様に主様が直接事の顛末をつたえお力を借りることができたため何とか二人の魂をこの天界にとどめることができた。
本当にギリギリであったのだ。
あと少し、許可を取るのが遅れていたら二人の魂は輪廻にも帰れず”無”になっていただろう。
神の呪いはそれほどまでに重い。
普通は、神罰を与えなければならないレベルの罪人にかけるようなものなのだ。
それを、ホイホイかけていくなどどうかしている。
それは、置いておいて許可がスムーズにでたのは
創造神様が主様の師匠のような方だったので話を通しやすかったのもある。
主様は力は弱いが神歴は創造神様に続くくらいに長い。
仲の良い神や自分の弟子のような神たちも多くいるため協力をあおげたのである。
困っている神がいたら自分の力の及ぶ限り助けてもいらっしゃった。
まあ、そのせいでさらに弱体化されているのだが………
本当はすごい方なのだ
決して女神なんかに馬鹿にされていい方ではないのである。
主様は、付き合いのある神たちにも好かれ、弟子神たちには慕われている。
そもそも、普通に考えて力を与えてまでたすけてくれた恩人ともいえる主様を他の神たちが感謝していないわけないのだから。
主様は気づいてらっしゃらないが、過激派と呼ばれる方々も中にはいらしゃる
そういう方に限って力ある神が多い。
主様は報告しただけだが、果たしてほかの神が許すとは思えない
なぜなら、主様が悲しんでいるのだから。
あの方たちが許すはずはないのだから。
あの女神は手を出してはいけない方に手を出して果たして今後無事には世界を管理できまい。
ざまあみろだ!!
っとそんなことを考えていると落ち着かれたみたいで威圧感が消えた。
『あなたもあの二人の過去はみていましたね?』
そう問われ
見たものを思い浮かべる。