幕間:世界情勢
一週間も待たせてすいません!!!
ちょっとテストで気力がないので、外の世界のことを描きました
《独立国家ギャリーア》
「そろそろ、あの時期か」
開口一番に元気そうに言ったのは、白髭を蓄えた老人だ
だが、その弾むような声とは裏腹に、自分を見つめる瞳には一切の光がなく、肌は死人並みに青白い
自分はは知っている、目の前の人物は主ではなく、引きこもりの主が用意した、自分の声を届けるための人形なのだと
だからこそ、自分の前にこれが来たときは心底驚き、心から不満を抱いたものだ
主が一言言ってくれれば、自分は四肢を失っても馳せ参じるというのに
だがそんな胸の内は決して漏らさない、そんなことを言ったら主を困らせてしまう。そのせいでもし、億が一にも自分が主に必要のないものだと思われたら?
考えるだけで、身が震え、冷や汗が吹き出そうになる
「そうでこざいます。ですがその前に、W3による、E3の対策会議がございます」
「あっ、確かにそれもあったなー、東の奴らは本当に面倒ばかり起こすからな。」
あくまでも平静を装い答えたが、主にこのような無用な雑務をさせる東のクソどもに、内心は体が煮えたぎるほど憤慨していた。
「主よ、必要とあれば私が・・・」
その憤怒にも似た感情を押さえきれず、つい口走ってしまった
だがその言葉が最後まで紡がれることはなかった
その言葉を言い終える前に主の雰囲気が一気に変化したのだ
そのあまりの気迫に冷や汗をかきながら押し黙ると、自分の敬愛する主が操る人形は、冷ややかな目を向けながら
「ほぅ?お前は自らの身勝手な判断で俺を、ひいてはこの国を危険に晒すっつーのか?」
返す言葉も見当たらずただ黙っているだけの自分に主はため息をつきながら
「お前も知らねぇ訳じゃねえだろ、W3、E3等というのはあくまで隠語、形式上俺らはA6、世界同盟なんだ、大義名分もなく喧嘩を吹っ掛ければ、わかるだろ?フェイス」
「ハッ、ハイ」
主の指摘を聴きながら自分、男────フェイスは先ほどの自分の失言を、身がちぎれ、焼き切れるほど後悔する
体は電気を流されたのかと言うほど震え、冷や汗が洪水のように垂れ流しになる。
この罪を少しでも、少しでも償うにはどうしたら?
「だが」
フェイスの頭に自殺の二文字がよぎったとき、いつもの優しい声で、顔で、主が言う
「俺のために怒りを見せたときは感動したぞ。それに免じて許してやるよ」
「あ、あああありがとうごさいます!!!!!!」
「それでも罰を与えねぇ訳にもいかねぇから、そこら辺は覚悟しとけ」
主の言葉に、フェイスは内心とんでもないと!! と叫びたい気分だった
(私の失言を許してくださっただけでなく、私が思い詰めないよう罰まで与えてくださるなど・・・)
感激のあまり体が引き裂けそうであったフェイスを、主は冷ややかに見つめるのだった
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《独裁国家ナジィ》
無駄を一切省いたような部屋では、異様な光景が広がっていた。
目隠しと猿ぐつわを付けられ、荒縄で縛られた大男が4人ほど、荒い息をしながら座っており
それを、その男達を軽々超える体躯を持つ男が見下ろしている
目が痛くなるほど光り輝く勲章を揺らしながら、男は世話しなく歩いていた
すると突然、ギョロリと目を男達に向け、それに気づいた男達の体が震える
「キサマら・・・!!、自分達が何をしたのか、わかっているのか?」
「・・・・ッ!!!・・・・ッ!!!」
男達が何かを叫ぶが、猿ぐつわのせいで何一つ聞こえない
だが例え聞こえてたとしても、この男にはなにも響かないだろう、そう思わせるほど、男の瞳は冷えきっていた
「お前ら下級軍人どもには、人権などないし、逃亡などもってのほか」
そう、この男達は目の前の男の厳しすぎる訓練に耐えかね、訓練場からの脱出を図り、捕まったのだ
そして脱走した軍人の運命は・・・・・・
「死、あるのみだ」
「・・・・・・・・ッッッ!!!!!」
狭く閉ざされた部屋に、声にならない悲鳴が響き渡った
「フゥ」
男は一息つきながら、最近の若者の軟弱ぶりを嘆く
「全くなぜこんなこともできないのか、これで脱走、規律違反、全て合わせて26組、こいつらも合わせて27組」
そう言いながら、さっきまでは手になかった勲章を見る
「こういうゴミも増えてきたし・・・ そろそろ処分せねばな。」
そう言いながら、男は近くにあった机にその勲章を捨てるようにおく。
そこには、数々の勲章が積み上げられていた
形も、使われている装飾も何もかもが違う、しいて言うなら、男が胸につける勲章とは明らかに輝きが違うことぐらいだろうか
そしてそこに積み上がった勲章の数は
脱走、規律違反をした軍人の数と同じ、108こだった
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《?????》
その者達とその者達が座す? 場所を表す言葉を表すならば、誰もがこの表現を使うだろう
異常
何故なら、まずその者達がいる場所だ
椅子が、机が、その他瓦礫やインテリアに至るまで全てが、宇宙空間に居るように浮いているのだ
だが、そんなことが些末に思えてしまうほど、浮く椅子や瓦礫に座る者達が、この部屋の異常さを引き立てていた
その者達を要点だけをまとめて表すならば
鎖に繋がれた星を周りに浮かべる鎧
肌に蚊を張り付けながら本を読む不健康そうな男
人の形をした折り紙を冠のように頭につけ「おっと」
「ここから先はダーメ」
あと歌集や小説を「だからダメだって」