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龍を宿す者

長らく失踪して申し訳ありませんでしたぁぁぁぁ!!

暗い、暗い闇のなか、様々な思惑が交差するこの試験


そのなかでも一際目立つこの二人にも決着がつこうとしていた


「・・・・・・・・くっ、がは!!」


13回


聖盾(ホーリー・プロテクト)》を活用した決死の逃避行も、気づけばそこそこ数がたまっていた


もう数えるのも虚しくなりはじめるほど吹っ飛ばされたが───────もうそれも最後だ


「今ので・・・・・・・・最後」


この戦闘をなんとか釣り合わせていた私の切り札のひとつ───────《聖盾(ホーリー・プロテクト)》の”スクロール”が、たった今在庫切れになったからである


とはいえ何度も吹き飛ばされたお陰で、さすがに動きは見切った、もうさすがに単純な動きなら当たらない


とはいえ、それは相手にも言えること、この攻防で動きに慣れられた可能性はある


なので今は森に潜み、機をうかがうと同時に作戦を考え中だ


さて、だ。いま現在私には三つの選択肢がある、メリットデメリットも表記すると、こうだ


1:逃げる


メリット:特に思い付くものなし

 

デメリット:背を狙われる。オプロからの信頼の喪失の可能性。事態の好転がはかれる可能性が低いなどなどetc・・・・・・・


2:切り札part2


メリット:少なくとも逃走よりは勝率有り


デメリット:燃費が悪く不完全なので決めきれない可能性あり


3:切り札part3


メリット:勝率はpart2と遜色ない上に、種が割れにくい


デメリット:時間がかかる。不完全なので不発の可能性有り


といった感じだ


1は論外として、この中だと有力なのは3だろう


今のところ費用対効果は釣り合っているように感じる


考えている時間もない。これをやるなら一秒でも時間を稼ぐ必要があるからだ


隠れていた木へと足音が近づいてくる、でも集中は乱さない。切り札の発動を送らせるだけだから


心音が落ち着いたとき、私は呟くように唱えた


「龍気────────錬成」


それはありし日の()()と共に生み出した、究極の奥義の名であった


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

"龍気"────────そのエネルギーを発見。ひいては探求するに至ったのは、ひとつの興味からだったことを覚えている


龍という生物がいる。人とも魔獣とも、その発生源である野生動物とも違う。魔獣と野生動物を区切らないのであれば、この世界で3つ目の種族だ


龍は強い。当たり前だがもうデタラメに強い


龍のなかでの種族にもよるが、大体は何らかのブレスを吐き、魔法が効きにくく、魔力で強化した一撃をものともしない鱗と、鋼程度なら紙のように切り裂く爪をもつ


その龍にも階級があり、下級。中級。上級。最上級。この中でもっとも弱い下級の龍でも、気まぐれに町を滅ぼせるくらいの力をもつ


最上級に関しては最早──────いやここでは割愛しよう


そして、何より龍を語る上で外せないのが、その多種多様さだ


龍は一匹一匹の姿形、果ては能力に関してもバラバラなのだ。それこそ、人間のように千差万別。類似はしても、一致することはまずない


さて、ここで問題。何故、龍だけがそんなデタラメな生態をしてると思う?


龍だから。そう答えた君は私が魔王として君臨する前のやつらレベル──────つまり思考が凝り固まっている


昔はひどかった、魔獣が発生するのは人類の罪を浄化するためだから魔獣を殺すなという連中がいたり、魔法は貴族しか使えないとかのたまう連中もいた


だが連中が悪いわけではない。そいつらは頭の柔らかい時期にそういう教育を受け、頭を固くされてしまった。ただそれだけだ


まあ察しのいい人はわかるだろう─────そんな固定概念をもたず、この世界に新しい風を吹かすのが、私のような転生者、召喚者なのだ


これは比喩でも(おご)りでもない。現代の進んだ科学や知識、さらには魔力というものが存在しないからこその価値観と観点は、この世界で価千金の価値をもつ


で、そんなよく言えば賢者、悪く言えば世間知らずな考えの私はこう考えた───────実際龍ってなんであんな強いの?、と


魔力が理由でないことはわかっていた。無論龍の魔力は多い。下級でも大体今の私の十倍はある。だが、龍の技というのは、その量の魔力だけでは到底賄えない威力なのだ。これはすべての龍に当てはまる


何が言いたいか? つまり龍は何か別のエネルギーでこの強さを得ているんじゃね? と俺は考えたわけである


幸い私は交友関係に恵まれていた。龍の友達、いや────────家族がいたのである


たまに野生の龍のサンプルも手に入れながら、その友達の魔力や鱗などを採集させてもらい、ついに私は冒頭で話したエネルギー、"龍気"の発見、実用化に成功した


"龍気"を発見したことで、龍に対するさまざまな疑問が解けた。というのも"龍気"には二つの性質があった


1:魔力などのエネルギーの中和・吸収・阻害


2:意思との感応、感知


特性:1の効果はそのままだが、特性:2の効果は少し複雑で説明しがたい、だがあえて言葉を選ぶのなら──────"進化"を促す力。とでも言おうか


例えばキリン。キリンは最初からあの長大な首をもっていたわけではない。長い時、環境、そして、"こうなりたい"という強い思いが、その奇跡(進化)を起こした


私はそれを理解したときこうおもった。"龍の本質の生態は人とさほど変わらない"、と


人は、生まれたときの才能という差異があっても、全く同じ教育。経験をしたらだいたい同じ人間になる


人を形作るのは経験だ。そして龍はその経験による個性の形成を、精神ではなく肉体で表す


これが龍の強さの秘密だ


ならば───────これを人でやったらどうなるか?


なんてことはない───────人だからと、"龍気"はその奇跡をもたらすことを惜しまない


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「スゥゥゥ・・・・・フゥゥゥ────」


瞬間。顔の真横の空気が削られる。ノースの必殺の拳、当たれば体は弾け、かすっても呪いの力で動けなくなる


つい息を飲みそうになるが、我慢だ。なぜならこの呼吸が龍気を生み出す


龍気は魔獣における魔核にあたる部分、龍核によって産み出される。だが、龍核は魔力が固まった、言うなれば後天的臓器と違って、ある臓器が変質して生まれる


そしてその臓器とは心臓──────龍核は、心臓の魔力漬けのことだ


“龍気”の適正もこれに関連している。心臓に魔力の耐性が少しでもあると、魔力漬けにできないからだ


「スゥゥゥ・・・・・フゥゥゥ────」


だが、心臓を一度龍核化さしてしまえば、後は楽だ。燃料となる酸素や栄養素をぶちこめば、勝手に“龍気”を生産してくれる


「スゥゥゥ・・・・・フゥゥゥ────」


ビキ!!


あっ──────────()()


必殺の拳。触れれば終わりの一撃。だがそれも今はひどく遅く見える


そして迫る拳を、避けるでも受けるでもなく、無造作に()()


ノースが驚いた顔をする。その顔をじっくり拝みたい気持ちを抑える、即座にくる受け止めた腕にくる衝撃──────だがそこに呪いはない、衝撃だけならどうとでもなる


受け止めた衝撃をそのまま回転力に、回転力によって生まれる遠心力を拳に───────その拳を、相手(ノース)(ひじ)の関節部に


──────────パアン!!


空気が爆ぜる音ともに、ノースが逃げるように後ろへ引く───────だが、その視線は自分の腕、正確には(ひじ)に集中していた


折れる、とかではない。皮を、肉を突き抜け、関節が露出していた


茫然自失といった様子で、視線がこちらに移る


その視線の先、爬虫類のように縦長の瞳孔。鋭く伸びた爪と──────まるで、龍のような姿


『龍気顕性』────『龍魔反転』『龍化』


「待たせたな───────反撃の刻(リベンジタイム)だ」













出来れば次で終わらせたい・・・・・・

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