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別れる戦場

遅れてまじですいません!!

ノースとクダヴァーは激戦の中、戦場が変化したことに気づいていた


目の前で唖然としている三位、雪崩れ込む三位以下の受験者


だが、二人の思考は三位に対するある策略に染まっていた


“分断”。圧縮された時間の中で、初めて二人の思惑が合致する


「《氷縛(アイス・バインド)》」


クダヴァーが短く魔法を詠唱すると、地面から透き通った水色の氷蔓がラテュロス達五人を絡めとろうとする


だがラテュロスにかかろうとする火の粉を許すほど、テルスは甘くない


「《引斥リトロン》」


氷の(ツル)が全員の足に届く瞬間、テルスの詠唱により放たれた光球が、すべてのツルを根本から圧砕した


クダヴァーら見慣れぬ魔法に度肝を抜かれた様子で、手を空中で静止させたまま動かない


「テルス!! このまま・・・・・・・!!」


「このまま────────なんだ?」


その声と共に、ラテュロスの顔をスイカを握り込めそうな程大きな手が包む


「───────!? 《引斥リトロン》・・・・・・・・」


だが、その詠唱が間に合うことはなく。呻き声すら放たせずに、ラテュロス()はノースと共に森の奥へと消えていった


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「姉御!!」


「テルちゃんヤバい!! 来るよ!!」


「・・・・・・ッチ!! 《岩壁(ロック・ウォール)》!!」


舌打ちを響かせ、山のような岩の壁をクダヴァーの周囲に展開し、次の行動を防ぐ


「このままいくぞ!!」


「えっ!! 戦わないの!?」


「わざわざ相手してられるか!! 姉御を助けなきゃ・・・・・・・・」


「───────────全く・・・・・・美しくない」


「「「──────────!?」」」


氷壁に封じられていたはずのクダヴァーの一撃が、テルスの体を切り裂いた


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「プギャぁ!!」


「ぐわぁ!!」


ノースに拉致されたラテュロスは何とかその圧倒的握力から逃げ出すことに成功したが、空中に投げ出されたせいで落下。つい素っ頓狂な声を出してしまった


そのことに顔を真っ赤に染めるなか、ラテュロスはあることに気づく


(ん? てか今もうひとつ悲鳴が聞こえた気が・・・・・)


辺りを見回すと、そこには頭が地面に突き刺さっているオプロが、無様にも足をバタつかせていた


その様子にため息をつきながら足を乱雑につかみ、力ずくで引っ張り出す


「バカかお前? 受け身の一つくらいスムーズにこなしやがれ」

「落下中に反転して、完全に受け身とれる君の方がおかしい気がする・・・・」


「いや私も・・・・・嫌なんでもない」


改めて顔を赤くするラテュロスにくびをかしげるオプロに一撃を加えると、ラテュロスはノースの姿がないことに気づく


先程から《魔力感知・極》を発動しているが、まるで所在がわからない


いや、感知はしているのだ。だが所在だけがわからない()()()()()()()()()()


(範囲外に逃げた? いやだとしたらこの魔力に説明がつかない──────────どこだ? いったいどこに・・・・・・・・)


「─────────!! ラテュロス、後ろだ!!」


「─────────な!?」


オプロの声にラテュロスが振り返ると、そこには肉厚の包丁のような剣を振りかぶったノースが月光を背に静かな殺意を向けていた


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「────────ッチィ!!」


「────────!?」


自分の一撃を受け止めた


その光景にノースは眼を見開き、目の前の獣人を凝視する


冷や汗をかいてはいるが、焦っている様子はない。現に自分の急所に拳を振りかぶっている


(─────────────《影遊泳(シャドー・ダイブ)》)


ノースは詠唱を心の中で済ませると、その瞬間地上からノースの姿は消え、ラテュロスの拳はむなしく空を切る


影魔法


闇夜と影がある環境に置いて、最強の力を得る魔術である


影魔法は使用条件がある代わりに、それさえ満たしてしまえば、他の属性ではあり得ないことができる


例えば、今ノースが行ったように、影に潜ることができたり──────────などである


ノースは夜の海の中のような景色の中、上に居る二人組を静かに見つめる


(俺の初撃に男の方は反応できていなかった。まずは男を殺して動揺を・・・・・・・・ん?)


ノースは、目の前の光景を疑った


なぜなら、少女の方が自らの頭二つ分大きな男を軽々と持ち上げた挙げ句


影の中ではわからないが、おそらく男に悲鳴をあげさせながら、夜の森へと投げ飛ばした


(───────なにが? いや、だが投げ飛ばした反動で体勢を崩したな!!)


その、あまりにも珍妙な光景に一旦は困惑した、ノースだったが、見つけた勝機を逃すほどではない


(終わりだ!!)


影を泳ぎ大鉈を振りかぶる、体が傾いたラテュロスにこれを避ける術はない──────────はずだった


(!?)


ノースが影の外に出た瞬間、ラテュロスが目の前から消え失せ、そして───────────


「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」


ラテュロスが雄叫びをあげながら、その身の丈を大きく越える戦斧をノースへと振り落とす


当然ノースは防御の体勢をとるが────────それこそが、ラテュロスの狙い


「《爆裂斧撃(エクス・バスター)》!!」


斧がノースの腕にふれた瞬間、ダイナマイトのような爆発音と共に、ノースとラテュロスは影の中から弾き飛ばされる


「ぐぅぅぅ!!」


ノースが地面に叩きつけられ呻き声をあげる、そしてその腕は痛々しくも焼け焦げ、一部が削り取られていた


「計画通り。影の中─────────《影海(しょうかい)》は影を消すほどの光を発生させると崩壊する・・・腕も貰ったぜ、おっさん」


一部爆発を食らったのか焦げた顔をこちらに向け、少女がこちらを見下してくる


その様子に、ノースは大きく嘆息し


「全く・・・・・・・・・・・・・クソガキが」













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