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看破

書き忘れてしまいましたが、ラテュロスの『誓約』の内容は


1創造できるのはふれたことのある金属、鉱物に限る

2支配できるのは自分の能力で創造したもののみ

「あっあのー ラテュロスさん?」


この人が黙ってから、およそ数分がたっていた


その間この人はきれいな顔を歪め、歪めぬいた末に、どこか吹っ切れた表情をして、席をはずすとだけ言って、今はさっきユダさんが狩ってきた魔獣(お肉)の入った袋をあさって、これだと言わんばかりに、体の一部が変化した鼠を自分達に見せていた


「これは・・・・」


「こいつは」


「「同調鼠(キメララット)」」


その時、ユダさんと自分の声が重なり、バッと見つめ合う


だが、それが気にならない位、今のテルスは混乱していた


(なっ・・・・ 何で私、これを知ってるの?)


上手く言語化は出来ないが、何故か知っているのだ、何故か


だが、ユダさん達は少し奇異の目で見た後すぐに鼠に目を向けてしまう


まあこちらとしてもそちらの方が気まずく無いのだが


「で、それをどうするのよ」


「・・・・・なに、お詫びもかねて、少しサービスをと思ってね」


(サービス?)


というのがなにかわからないが、とても興味引かれる単語だった


すると、ラテュロスさんは能力(スキル)でナイフを作り出す


その後、どこか、申し訳なさそうにに話し出す


「実はさ、さっき私嘘ついたんだ」


(・・・・・え?)


鼠とナイフを手で弄り、最初に言ったのがそれだった


嘘、この状況で、嘘という単語を指し示す意味は


ユダさんの顔が、少し険しくなる


当然だ、今のラテュロスさんは、私はともかく、ユダさんの命を預けるような覚悟に泥を塗ったようなものなのだから、たぶん


でも、疑問も残る


それはなぜこのタイミングでという事だった


「言い訳はしない、けどこれだけは言わせて、もう、嘘は吐かない、信じるかは別だけど」


すると、ラテュロスさんは少し顔を明るくしていった


「私の能力(スキル)ってさ、実は超燃費悪いって弱点があるんだ、それが、嘘一つ目、もうひとつは、それを直すために、『誓約』で能力の幅を極限まで狭めたってこと」


「・・・・・・それが、サービスって奴か?」


「いや、これは嘘吐いた事への詫び、こんなんで許されるかわからないけどね、サービスは『誓約』で得た()()()()()、その一つを教えてあげようと思って」


(新たなる力?)


自分はピンと来ないが、隣のユダさんの表情を見るに、どうやら普通はあり得ないらしい


(一体どんな・・・・)


「実のところさ、この選択をするのもスゲーためらったんだよね、てか自分で言っといてなんだけどクズだな私、でも、それももうやめ」


すると、ラテュロスさんの手のうちにあるナイフと鼠が、ラテュロスさんが能力(スキル)でものを創った時とはまた違う光が溢れ出す


驚く自分達を尻目に、光が強まって、ピークに達したとき


「勝手だけど、私はお前達を信じるよ」


光が収まったとき、その手のなかにある光景に変わりはなかった、だが、私とおそらくユダさんの目にもハッキリと映っただろう


ユダさんのナイフが、先程の同調鼠(キメララット)と同じ魔力を放っていたのが


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「こっこれは・・・・・・?」


「これが私の新しい力、対象から特性や種族能力(リーススキル)を奪い取る『抽出』、そしてそれらを私の能力で創った物体に付けられる『付与』」


ラテュロスはナイフをユダへと投げつける


危なげなくナイフを受け取ると、その瞬間、ユダとテルスは手の中のナイフに目を釘付けになっていた


何故なら、ナイフがユダの体に触れた瞬間、ユダと同じ、灰色の毛が生えた形に


「・・・・・・どうやら、マジみたいだな」


「死んだ奴か無生物にしか使えないけどな」


「そ、それでもすごいです・・・・・・」


「てことで、魔獣狩ったらまず私にくれ、ストックあって困ることはないからな」


そんなガメついラテュロスに、二人は笑いに包まれ、ラテュロスがそれを怒る


そんなことバカをしながら、夜は更けっていった


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


食事をした後、よほど疲れていたのか、寝言とよだれを溢しながら寝落ちしてしまった


今はユダに布団をもらい寝かせてきて、そのユダと焚き火を挟んで駄弁っていた


とはいえ、ただの駄弁りじゃない


お互いの情報交換だ


ユダの方は、調理技術をどこで習ったのかとか、テルスのことをどう思っているのかなどのありきたりなことだったが


そのなかでも、獣人の特性に関しては良い情報が聞けた


「獣人の能力(チカラ)ってのは、認識した初めて使えるもんだ、お前自分が猫ってことも知らないみたいだし

いいか? 人ってのは認識出来ない才能を引き出すなんて無理なんだ、出来ても少ししか出来ねぇよ」


とのことで、それもそうかと納得する


そして、小難しい話が終わった後は、楽しいはなしがあると相場が決まっている


食の好み、好みのタイプ、そんなありきたりな、けれども尊い掛け合いを夜が更けるまで続ける


そんな微笑ましい、微笑ましすぎる光景、そのなかで、ひとしきり笑った後


「なあユダ、お前、私達と一緒に来る気ないんだろ」


ラテュロスの不意の指摘に、ユダの空気が揺れた気がした












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