燃え尽き症候群
ブルアカもおもろい
「・・・・・・・」
少し顔を落とし、包帯まみれの体を縮めながらラテュロスはあることを考えていた
(これから、どうするか・・・・・)
そう、これから未来の話である
(奴隷商からの脱出、そこまではよかった。だが、目の前の大きな目標を片付けたことで、俺は気付いてしまった・・・・・)
その後のこと、つまり将来を全く考えていなかったことに
「はあーー まじでヤバい、これじゃニートまっしぐら・・・・・・」
元最強魔王系ニート、という全く笑えない冗談まで浮かんできたころに
「・・・・・なにやってるんだ?」
そこには後に、この問題解決の立役者として、ラテュロスの記憶に残ることになるホルスがいた
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「聞いてくれるの~~~ ホルスぅぅぅぅぅぅぅ」
「いや、気持ち悪いし、聞きたくない・・・・・ てか敬語使え」
「そうかそうか、聞いてくれるのか~~~~」
「お前こそ人の話を聞けぇぇぇぇぇ!! そして敬語使えぇぇぇぇ!!」
とは言っていたものの
生粋のリーダー気質のホルスは結局ラテュロスの押しに負け話を聞いてくれた
その後ラテュロスが話を終えると、ホルスは少し呆れた様子でラテュロスを見据える
そのあと少し黙っていたホルスが、無言で親指を窓の方へと向ける
ラテュロスはその先を見ると、そこには自分と同い年位の女の子が、木材を運んでいた
「あれはなにしてんだ?」
「一人立ちするために船を作るんだと、手伝おうとしても頑として受け入れねえ頭の固い奴だ」
(・・・・・・は!?)
「えちょま、本当に? 無謀すぎねぇか・・・・?」
「ああ、あんなガキ一人で船を作れたら苦労はしねぇ・・・・・だがな」
ホルスは、その鬼のように強面の顔を精一杯緩めた様子で、言い聞かせるような柔らかな声音で言った
「大事なのは、まず自分で考えることだ、自分が思い描き求める方法をな、実現が難しいなら大人を頼れ、お前らはまだ甘えていいんだよ」
「・・・・・・・ガキ扱いするな」
それに対し、ホルスはフッと微笑むだけだ
「まずはやりたいこと箇条書きにしろ、目標なんて、案外考えたものより、思いついたもののほうがいいぞ?」
(・・・・・・考えるな、感じろってやつか)
そう言われると、自分は考えすぎていたのかもしれない
(俺の、願い・・・・・)
自分が死んだことで置いていってしまった部下達の今
あの勇者達が自分を殺した後どうしたのか
自分は今の時代でどう扱われているのか
(確かに、こうするとやりたいことが少しずつ見えてきた)
目の前にはもうホルスはいない、だが、ラテュロスはそんなことすら気付かないほど、自分を見つけることに没頭していた
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体感時間で30分ほどたったとき、ラテュロスの考えはまとまりつつあった
(今まで出たのを総合すると、"この世界の未知を知りたい"ってのが大半だった)
最初に出た3つはもちろん、下らない内容も含めた結果だ
(未知を知るためのもっとも効率的な方法は、自分で確かめる事・・・・・・旅とか聞き込みが定番だけど、どっちもコネがいるしなーーー)
あとは旅のほうでいえば、他の旅人に同行とかだけど、自分達は一応奴隷、一緒にいってくれる物好きなどいないだろう
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「ということで、案をくれユダ」
「いったいどこが"ということで"なんだ?」
やってきたのはなぜか少し鬱っぽいユダのところ、意外といい案が聞けるかもということでききた訳だが
もしかしたらコイツも旅に出て、それに連れてってもらえるかも、という下心がないわけではない
「全部口に出てるぞ、まあ旅に出るのはあってるけどな」
「えっ ホントに!?」
(嬉しい誤算だ、あとはどうにか連れていってもらうように説得する!!)
「なあ、私も連れていってくんな・・・」
「いいぞ」
「そうだよな、連れていってくれるわけ・・・え?」
聞き間違いだろうか、今確かにいいぞと聞こえた気が
「ほ、ホントに・・・・?」
「ああ」
(・・・・・あっさり、決まった)
こうもあっさり、コンビニに連れてってもらうようなノリで
うまくいきすぎな展開に少し拍子抜けしたラテュロスだが
「無論、タダじゃない──────俺の質問に答えてもらう」
質問? そういぶかしむラテュロスに、ユダは意を決したように
「・・・・・・お前、転世者だろ」
「・・・・・・・・・・・・・は?」
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(今、コイツ・・・・・・ 何て言った?)
「転・・・・・・ 転生者? バカ言うなよ、私はそんなんじゃ・・・・・・・」
「はい、墓穴」
「!?」
苦し紛れの言い訳を募ろうとするラテュロスに、ユダが無慈悲にも待ったをかける
「転生者ってのは国の上層部などが秘密裏に隔離して存在を公にしない、つまり奴隷かつガキのお前がその存在を知ってはずがねぇ・・・・・・ あとは分かるな?」
嵌められた
その言葉と共にラテュロスの脳内には、後悔と疑問が洪水のように流れだし、またシャボン玉のように消えていく
(俺、どうなるんだろう?)
国の上層部が隔離するといっていたから、また売られるのだろうか?
いや、もしくはそれ以上に・・・・・・・
「・・・・・・何てな!!」
「ふぇ?」
黙りこくり、絶望するラテュロスとは対照的に、とても明るい声と妙にムカつく顔でユダは言った
「別にお前をどうこうする気はねえよ、ただ反応を見たくてな。お前途中からスッゲェ顔してたぞ!!」
HAHAHAHA !! と笑う声がぐるぐると回り混乱する頭に響く、その笑い声に安堵したと同時に
猛烈に腹がたった
「・・・・・・・ユダぁ」
「ん? なんだよって・・・・・ヒェ」
この後、ボコボコにされたユダと共に、ラテュロスは帰路についたのだった
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その後、辺りも暗くなり皆が寝静まる中、ラテュロスはユダと向かい合っていた
「・・・・・スマン」
「いや、これは俺が全面的に悪いから気にすんな・・・・・ お詫びといっちゃなんだが、少し俺と契約しないか?」
「契約?」
「そうだ、お前も転生者なら知ってんだろ。『誓約』を用いた契約だ」
『誓約』その言葉にラテュロスは目を輝かせる
「使えるのか!?」
「・・・・・・? 使えるに決まってんだろ、お前だって転生者なら使えるはずだ」
「はぁ? どゆこと?」
さっきから全く話が噛み合わない
「・・・・・・・どうやら、お前は転生者がどういうものかまるで分かってないんだな」
そうして、首をかしげるラテュロスに、ユダによる転生者の講座が始まった
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「まず転生者は、死後魂が新しい肉体に精神や記憶ごと入った者、ってのは分かるか?」
「知らない、けど理解はできる」
ラノベとかでも確かそんな感じだったはずだ
「んー じゃあ転生のシステムはひとまず置いておくと
しよう。 なら次、『引き継ぎ』については?」
「全く、想像はできるけど」
「そうか、能力の存在は知ってるよな?」
ラテュロスは軽く頷く
「肉体を器と仮定した場合、『引き継ぎ』は固有能力、種族能力、汎用能力、あとは記憶や経験なども情報を・・・・・・」
と、ユダの説明があまりにも長いため割愛するが
ようはこういう事である
通常、死後に記憶や能力などの情報は霧散するが、稀に霧散せず塊に、つまり魂として残ることがある
魂はその後、新しい体を求めて彷徨い、新しい体を見つけるとそこに押し入るらしいが、その体に元々存在した魂とぶつかり合い、大体の者は魂が対消滅するらしい
が
そこで元々あった魂と転生者の魂が混ざりあうと生まれるのが転生者らしい
転生者は前世の能力に加え、元々の体の持ち主の能力も使える、とのことだった
だが、ここでラテュロスは矛盾を感じる
「待て待て、聞いた話だと、転生者は前世と今世能力両方使えるって聞いたが、私はかなりチグハグなんだが」
「そこなんだよな謎は、仮説だが、お前はかなり昔の人物なんじゃないか? それで時間がたちすぎて魂から情報が抜けたとか、いやそれだと今世の能力が使えなくなった説明が・・・・・・」
(・・・・・・・話を聞いてて思ったが、コイツはかなり学者気質らしい)
とはいえ
「そこは一旦いいや、転生者については分かったし、私はこうやって生きてる。 それで今はいい、それに」
ラテュロスは年相応の笑顔でニッと笑ってみせた
「せっかくの新しい人生なんだ、楽しまなきゃバチがあたる」
「・・・・そうか、ならいい」
ブツブツ言っていたユダも納得いったようだ
「それで話は変わるが、お前俺と一緒にきたいのか?」
そこでラテュロスはハッとする、そうだ、元々それが目的だったことを忘れていた
「連れてってくれるのか?」
「いいぜ、何なら稽古にこの世界の情報もつける、だが、もちろんタダじゃない」
それは分かっている、この世界は等価交換、当然の話だ
「・・・・・・お前は私に何を望むんだ?」
「何、俺がお前に要求するのはたった一つだ」
一つ、この絶大なメリットに対するリターン、一体どれ程なのだろうか
「刺激」
「・・・・・・・・は?」
「俺がほしいのは刺激、つまり、俺を楽しませること、俺が求めるのはそれだけだ」
タイトルすみません!!
ブックマーク&最高評価お願いします!!!!




