苦難のはてに
やっぱ小説って・・・ おもしれぇ!!
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「・・・一応礼儀は持っていたらしい。だが、前もいった通りこれは狩猟」
ガリは魔力を昂らせ、凄まじい気迫を放つ
「一発当てた程度ではそれは変わらん」
「そうか?」
それに対し、ラテュロスも負けじと魔力を昂らせ、武の構えをとる
「土手っ腹に穴が開いてる時点でもうそんなこと言ってる暇ないと思うけど?」
「穴が空いてるという点ではお前も同じだ、その出血量、いくら獣人でも数分でまともに動けなくなるだろう。
しかもその状態で俺と近接戦までこなさなくてはならん、近接戦の分が俺にある以上、むしろ追い詰められたのはお前のほうだ」
そういいながらガリは手のひらに魔力を集中させる
だが、その姿を見て、ラテュロスは逆に絶好の好機を感じ取っていた
(なんという偶然!! 切り札を発動するために距離を詰めなければいけない以上、むしろ近づいてくるならこっちが有利)
ラテュロスは切り札の発動させようと魔力を練る
そして、ガリがラテュロスの間合い自らに飛び込みラテュロスの切り札の餌食になる・・・・かに思えた
「何てな」
ガリはラテュロスの間合いに入る直前に、思わず殴りたくなるような笑みを向けながら方向を変え、手に集めた魔力を霧の形にしてラテュロスに放つ
あのときの、土埃を放ったラテュロスよように
「なッ・・・!! ろ・・・!!」
ペオニアは練った魔力を風に変えて霧を払う、だが、もうそこにガリの姿はない
「チッ」
(くっそ完全に読み負けた・・・!! 最初から俺の間合いを知った後、失血で動けなくなるなるまで隠れる気だったのか・・・・
悔しいけど合理的で最善だ、やつの言う通り血を止めなければ数分で動けなくなる)
かといって血を止めようとすれば攻撃される
つまり、この状況を突破するには
(短期決戦、こっちが動けなくなるなる前に、ガリを倒すしかない)
そのためにはまずガリを見つけなければ話にならない、おそらくもうかなり離れただろう
(俺の切り札、もとい固有能力はこの体になったことで効果範囲が狭まった、今の有効射程距離は・・・)
約半径四メートル
ガリに勝利するには、まずこの範囲までガリに近づかなければ話にならない
さっきは一世一代のチャンスだったというのに
(ガリはどこだ!! 魔力感知も範囲が狭まったから見つけられないし、速くしないと・・・!!)
だが、その思いに反して魔力感知には何の反応も感じられない
失血も時間の問題、どうにかしてガリに近づかなければ
どうにか、この状況を逆転させる策を
(ん?、逆転)
その単語をラテュロスは復唱し、気づく
(そうか、何で気づかなかったんだろう?)
何も、自分からいかなくても、というかそれ以前の問題だった
「発送の逆転は、作戦を考える上では基本なのに・・・ やっぱ少し平和ボケしてたかな?」
(でも、出来ればやりたくないな・・・・)
何せこの作戦はラテュロスのプライドとの戦いになる
それでも人生には変えられないと自分を押し殺す
あとは
「倒した後のことを、考えないとな・・・」
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一方霧により逃亡したガリは、ラテュロスに止めの一撃を食らわせようと、先程の場所から距離を取っていた
(やはり、やつはおそらく何かを隠している・・・ それも俺を倒せる可能性のあるものを)
あの時のやつの顔、あれは獲物が罠にかかるのを確信したときの狩人の顔だった
(だが、その間合いは見切った!! あの顔をした時のやつとの距離、約4メートル!! おそらくこれがやつの切り札の間合い・・・だが念には念を入れて)
「このくらいか・・・」
ラテュロスとの距離、およそ10メートル
ガリは位置につくとすぐさま水の圧縮を始める、この間[スコープ]越しのラテュロスに目立った動きはない
「この距離なら、戦場への復帰も容易く、やつが追ってきても充填は間に合う・・・」
これ以上ないほどのベストポジションかつベストコンディション、だと言うのに
(まただ、またこれだ、時間感覚の矛盾・・・!!いやそれだけではない・・・・)
まるで腹の奥を冷やされるような不快感、このような好機であるにも関わらず
(いつもなら、笑い飛ばすであろう状況と環境、だが、これに従わなくて痛い目を見た以上)
一応もう少し距離を、と、ガリが思った瞬間であった
「? あいつ何をやって・・・・ いやまさか!!」
ガリの[スコープ]が捉えたのは、ガリと同じように、手を銃のような形にし、それを天高くあげている様子だった
その指先に集まる魔力の性質を感じ取ったガリは、血相を変えてそちらへ向かおうとする
感じた魔力の性質は光、ガリの勘が正しければ、あれは奴隷たち同士のサイン
あの少女の魔力の出力はたかが知れている、おそらく天高く打ち上げるならひとの眼では確認できないだろう
だが、獣人なら捕捉できる可能性が高い
(万が一、先程の男を呼ばれたらマズイ!! でも、やつはデネブと戦って・・・ でももし負けていたら? それも深手でもなく・・・)
ガリは知らない、その思考を誘い出すのとこそがラテュロスの狙いなのだと
ラテュロスの取った作戦は至って単純、相手への心理攻撃だ
こちらの動きが読まれていたことから、ガリに高い魔力感知の技能が備わっていたことを知ったラテュロスはそれを逆手に取り、今回の行動起こした
万が一、ガリが万全の状態なら、その行動の真意を悟り、デネブを信用することで、ラテュロスに勝利出来たかも知れない
だが、腹を貫かれたことや、得も知れない不安等が重なり、ガリは冷静な判断を下せなかった
そして、ラテュロスが走り出す。デネブ達が戦っているはずの場所へ
そして、ガリの足は自然とそれをおっていた
ガリは走る、不安という鎖に身を絡め取られながら
ゆっくりと、だが確実に敗北に向かっているとも知らず
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(捕捉した!!)
魔力感知よりも先に、獣人としての感覚器官ががガリをとらえる
「速い・・・ このペースなら一分でつくな」
それにしてもまさかこんなに上手く釣れるとは思わなかった
(とはいえ油断は出来ない、単純な格闘技ではやつには勝てない、切り札を発動する前に先手を打たれたらそれでGAME OVER ・・・ 下手は出来ない、一世一代の大勝負!!)
だが、不思議とラテュロスの胸に不安はなかった、今、彼・・・? 彼女の胸を満たしているのは
(っと、来たな)
少し振り向くと、鬼のような形相で、しかし冷や汗をだらだらにしながらガリが迫ってくる
このスピードならすぐに追い付かれる
(だがこの状況なら、行ける!!)
ラテュロスは、サッと踵を返しガリに飛びかかる
前屈姿勢の上、ユダのところへ向かっていると勘違いしているはずのガリにこれを避ける術はないはず
ラテュロス魔力を限界まで練り上げながら、勝利を確信する
(勝った!!)
そうしてスキルを発動した、次の瞬間
「えっ?」
その予想外の痛みに、ラテュロスは困惑し、そのまま重力にしたがって落下する
「ほほに来るほちゅう・・・」
痛みに悶えるラテュロスがハッと目をあげると
そこには肩で息をして、ラテュロスがえぐった腹の傷を押さえるガリがいた
だが、ガリのダメージはそれだけではなかった
ガリは頬からも出血していた、それも白煙をあげながら
その瞬間理解する、おそらくガリは先程の水弾を口内から放ったのだ
手からしか発動できないと思っていたラテュロスはそれで痛い目を見た
予想外のダメージにより、ラテュロスの体はピタリとも動いてくれない
そして、ガリはもはや喋るのもままならなくなったのか、無言のままラテュロスに手を伸ばす
ラテュロスはそっと息を吐く
だが、ラテュロスの口から出た息には、諦めも、悔しさも乗っていなかった
乗っていたのは安堵、それも自らの思惑が、全て上手くいった時に出る、漏れるような息
ラテュロスはガリに顔を向け、微笑いかけた
「ドンマイ♡」
その言葉に、ガリは一瞬呆けて、すぐさま逃げようとするが、もう遅い
ドシュ!!
どこからともなく飛来したナイフが、ガリの喉を後ろから刺し貫いていた
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(俺の能力は、デメリットさえ無視すれば、俺が知る限り最も汎用性が高く、強い)
あらゆる物を創造し、あらゆる物を支配する
名を創造支配者
魔王ペオニアを、最強たらしめた能力である
(まあ、最強だったから、だから、死んだんだけど)
創造支配者、やっぱちょいダサくないっすか?
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