表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
54/158

昨日の敵は今日の友ってマジですか?

「登録された魔物戦闘不能!勝者……『混沌を主る漆黒の翼†ジェイド』!!」


何とか勝利した俺。


魔眼を使わなかったとは言え、強敵だったのは間違いない。


「ウォー!!!!」


「今までで一番すげぇ戦いだぜ!」


「ジェイド様ー!結婚してー!」


「俺男だけどジェイド!お前ならいいや!抱いて!」


「ジェイド!ジェイド!ジェイド!ジェイド!ジェイド!」


観客は今までにないほど盛り上がっている。


「凄い試合でしたね、電電さん!」


「はい!歴史に残る名勝負と言っても良いのではないですかね」


「しかし大丈夫ですかね、エマ選手が召喚したゴブリンキングの方は」


「医療班が最善を尽くしますが、あの傷はちょっと厳しいかもしれません、もしかすると……」


エマは大粒の涙を流しゴロタに駆け寄る。


「ゴロタ、ゴロタ!イヤ!死んじゃイヤだ!」


エマは必死で自分の魔力を送り傷口を塞ごうとするが、魔力を殆ど使い切っているのに加え、傷の手当てという繊細なコントロールが必要な複雑な作業。

それではゴロタの命はまず助からない事は明白だった。


大会の医療班もあくまで人間の治療に特化したメンバーである。

その上ゴブリンキングは魔法の通りが悪い、実は回復魔法の通りも悪いのだ。

医療班の治療もあてにはできない。


ゴロタは大きな手で器用に彼女の涙をすくいニヤリと笑ってみせる。

その仕草から、クイーン(エマ)とゴロタは使役するものとされる者の関係以前に、強い信頼と友情で結ばれている事が見て取れた。


そんな姿を見て、俺は黙って2人に近寄る。

この魔法は割と体に負担がかかるんだけど……


「癒しを主る大精霊、我に力をかしたまえ。大回復!」


魔力を使い果たしていたのでキツかったが、俺はありったけの魔力を使いゴロタを回復する。

大精霊を使役した回復なら通常の呪文よりも効くのではないかと思ったが、案の定ゴロタの傷口はみるみる塞がっていく。


それを見てエマが必死にゴロタに呼びかける


「ゴ、ゴロタ!ゴロタ!傷塞がったよ!大丈夫?」


ゴロタはニコリと笑ったが、体力の限界が来ているのだろう。とても眠そうにしている。


「たぶん傷はもう大丈夫。魔力と体力を使い果たして寝ているだけだ。少し休ませれば問題ない」


俺も力の限界で割とフラフラだ。

エマはそんな俺をジッと見つめる。


「ジェイド……どうして……」


「……ぷにちゃんと君の友達のスライムとのお茶会、そこにはゴロタも来てもらわなけりゃならないからな。な、ぷにちゃん」


「ぷっぷぷー!」


「えっ?」


「ゴブリンキングの友達ができるのは初めてだ。いい勝負だったな、ゴロタ」


俺がそういうとゴロタは親指を上げてグッドサインを作った。

あれ、もしかして俺もゴブリンキングと会話できるようになった?


そんな俺たちを見ていた観客は、拍手と歓声をもう一度浴びせる。


「エマ!お前もスゲェーぞ!」


「ゴロタ!かっこいい!!」


「最高の試合だった!ありがとう2人とも!」


拍手はいつまでも止みそうにない。


「はは、参ったな。結構疲れてるんだけどな」


俺が困りながら観客に手を振っていると、エマがすくっと立ち上がり、俺に向かって何か言った。


「ありがとうジェイド……この恩返しは絶対に……」


何か大事な事を言おうとしていたのは分かったのだが、本当の本当に体力の限界であった。


「わ、悪いエマ……ちょっとさっきの大回復で……げんか……」


あ、これ久々の電池切れだ。

視界がぐにゃりと揺れる。

俺の電池切れと同時に、ゴロタの方も眠気の限界が来たみたいだ。


俺とゴロタは闘技場の真ん中で2人、大の字になって眠ってしまう。


闘技場に、大きないびきが二つこだました。

「続きが気になる!」


「面白かった!」


「また読みたい!」


と思ったら 下にある


☆☆☆☆☆の所から、作品への応援お願いいたします。

面白かったら☆5つ、つまらなかったら☆1つ!素直な感想でもちろん大丈夫です!


ブックマークも励みになります。本当に嬉しいです!


何卒宜しくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ